更年期

更年期症状の治療法「HRT」、ホットフラッシュや性交痛にも効く?医師が解説

ピンク色のハーブティーにハート型のレモンが浮かんでいる
足りなくなったホルモンを補填するHRTは、更年期不調の救世主に(Ph/Photo AC)
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更年期症状に高い効果が期待できるというHRT(ホルモン補充療法)に興味があるけれど、実際にどんなことをするのかわからない…そんな人のために、産婦人科医・高尾美穂さんの著書『いちばん親切な更年期の教科書【閉経完全マニュアル】』(世界文化社)から、HRTについて詳しく学びましょう。

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 足りなくなった女性ホルモンを安全にチャージするHRT

HRTは、閉経によって減少した女性ホルモン(エストロゲン)を補う治療法です。

女医の診察を受ける女性
HRTがどんなものか解説!(Ph/Photo AC)
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ホルモン剤を使うと聞くと不安や抵抗感のある人もいるかもしれませんが、治療に使うエストロゲンはごくわずかな量だと高野さんは言います。どれくらい少ないかというと、更年期前の女性が体内で作っていたエストロゲンの3分の1ほどで、低用量ピルと比べてもかなり少ないそうです。HRTが必要最低限の量だけ補って体調をサポートする療法だと聞くと、少し安心できますね。

 HRTで改善される更年期症状3つ

では、HRTが実際にどんな症状に効くのかを見ていきましょう。

ホットフラッシュの症状改善

のぼせやほてり、異常発汗などが起こるホットフラッシュは、更年期の初期に現れる症状です。これらの症状は、多くの場合、治療を初めてなんと約2か月ほどでほとんどが改善するそうです。

手で顔を仰ぐ女性
HRTでホットフラッシュが改善するケースも(Ph/Photo AC)
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膣炎や性交痛の緩和

セックスレスの原因のひとつにもなる更年期の性交痛や膣炎にも、HRTは強い味方に。エストロゲンを補充することで、膣粘膜の萎縮が改善され、潤いが戻って性交痛が軽減されるそうです。

寝転んでそっぽを向く女性
更年期の性交痛や膣炎もHRTが味方に(Ph/Photo AC)
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骨粗しょう症の予防

骨粗しょう症は、エストロゲンの欠乏と深く関わる病気です。閉経前後にエストロゲンの分泌が低下すると、骨の量も減少して骨密度が低下し、骨がもろくなってしまいます。

HRTでエストロゲンを補填することで、骨密度の低下を防ぎ、骨量を維持する効果があります。関節の軟骨の減り、骨の変形、手指の痛みや腫れ、変形性関節症の改善にも役立つといいます。

さまざまな不調改善効果が期待できるHRT

そのほか、HRTを行うことでさまざまな不調を改善することが期待できると高尾さんはいいます。

 乾燥肌の改善

腕を触っている女性
エストロゲン不足による乾燥肌にも効果的なHRT(Ph/Photo AC)
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肌の乾燥は更年期世代の女性にとって大きな悩みのひとつです。年齢とともに少なくなるコラーゲン量は、エストロゲンを足すことで増えるのだそうです。HRTをすることで肌のコラーゲン含有量がよい状態でキープされるので、肌の潤いとハリが回復します。

メンタル不調・集中力の回復

更年期特有のイライラや気持ちの落ち込みもHRTで改善が期待できます。エストロゲンには抗うつ作用がありますが、更年期になるとこれが激減するため、精神的に不安的になりがちになります。HRTでエストロゲンが補充されると、感情が落ち着いてイライラやネガティブな感情が治まってくるそうです。気持ちが安定し、リラックスすることで集中力もアップ。

エストロゲンの恩恵を受けられなくなった更年期以降をより健康的に過ごすために、HRTを取り入れてみるのもひとつの方法といえそうです。

◆教えてくれたのは:産婦人科専門医・高尾美穂さん

高尾美穂先生
産婦人科専門医・高尾美穂さん
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女性のための総合ヘルスクリニックイーク表参道副院長。医学博士。スポーツドクター。ヨガドクター。東京慈恵会医科大学院修了。同大学附属病院産婦人科助教を経て2013年より現職。「すべての女性によりよい未来を」をモットーに、医療・ヨガ・スポーツの3つの活動を通じ、専門的な知識をわかりやすく伝える啓蒙活動に精力的に取り組む。テレビや雑誌、イベントなどで幅広く活躍するほか、YouTube「高尾美穂からのリアルボイス」を毎日更新。著書に『超かんたんヨガで若返りが止まらない』(世界文化社)など。https://www.mihotakao.jp/blog

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