抜け毛を改善する栄養素・食べ物とは?
毛根は体の外側近くにある器官で、全身を巡ったあとの血液が届けられます。血流量が少ないと、必要な栄養素を確保するのが難しくなります。つまり、抜け毛を改善するために重要なのは「十分な血液量」です。
そこで、抜け毛対策には血液や髪の材料となる「たんぱく質」、代謝を高める「ビタミン・ミネラル」を意識して摂るのがおすすめです。
ツナ缶
ツナ缶は、たんぱく質を豊富に含むマグロが原料です。
さらに、マグロに含まれるビタミンEには血管を広げる働きがあるため、血行をスムーズにする効果が期待できます。ビタミンEは油に溶けやすいため、オイルも一緒に食べることで余さず栄養を摂取でき、体内での吸収率を上げるのにも役立ちます。
オイルごと炒め物やパスタにすると栄養を余すことなく食べられます。ドレッシングにしたり、和え物にしたりしてもいいでしょう。
がんもどき
豆腐にひじきやにんじんなどを混ぜ込み、丸めて揚げたがんもどきは、豆腐のたんぱく質と、海藻や野菜のビタミン・ミネラルを同時に摂ることができる食材です。
また、豆腐に含まれるイソフラボンには女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きがあり、ヘアサイクルを整える作用が期待できます。がんもどきの調理法は煮物やおでんが定番ですが、オーブンで温めて生姜醤油を添えたり、あんかけにしてもおいしく食べられます。
たかきび
ミートミレットとよばれるたかきびは、たんぱく質とビタミン・ミネラルを含む栄養価の高い穀物です。ミネラルのなかでもとくに鉄を豊富に含むため、貧血予防も期待できます。
手軽に食べるには白米に混ぜるのがおすすめです。また、食感がひき肉に似ているので、茹でたたかきびをひき肉に混ぜたり、ひき肉料理の代用として使ったりするのもいいでしょう。
抜け毛・薄毛のお悩みには漢方薬もおすすめ
生活習慣や食事に気を付けても抜け毛が改善しないときは、皮膚科の治療でも使われている漢方薬をのむという方法もあります。
漢方医学では、疲れやストレス、冷えなどによって、血(けつ)の巡りが悪くなると、髪に栄養が届きにくくなり、抜け毛、白髪、髪のハリ・コシの低下などの髪トラブルにつながると考えられています。
漢方薬は血液の不足や巡りをよくして、体の内側からアプローチすることで、美髪を目指します。
抜け毛・薄毛に悩む方におすすめの漢方薬2つ
・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
十全大補湯は血や気を補う漢方薬です。疲れやすく、食欲のない人に使われます。
・八味地黄丸(はちみじおうがん)
八味地黄丸は老化に関わる腎のはたらきを補う漢方薬です。手足の冷えや腰痛がある人に使われます。
漢方薬を始めるときの注意点
漢方薬は繰り返す不調に対して、根本からの改善が期待できる薬です。そのため、食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
自分に合った方法を取り入れ、抜け毛の少ない元気な髪を目指しましょう!
◆教えてくれたのは:管理栄養士・小原水月さん
おはら・みづき。管理栄養士。ダイエット合宿所、特定保健検診の業務に携わりのべ600人以上の食事と生活習慣をサポート。自身が漢方薬を使用して体調回復した経験から、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。あんしん漢方(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などで執筆中。