新生活に向けて、冷蔵庫の購入を考えている人もいるでしょう。家電ライターの田中真紀子さんは、「買うなら3月中がおすすめ」と話します。なぜでしょうか? また、冷蔵庫を買う前の注意点や基本的な選び方は? 詳しく教えてもらいました。
決算前の値下がり期&4月以降の在庫不足に備え、買うなら3月中に!
3月中に買うべき理由のひとつは、価格が下がり時だから。
「一般的に冷蔵庫が安くなる時期は年2回あるといわれています。1回目が秋口の新製品発売前の8月あたり。家電量販店などでは現行モデルを売り切るために値下げが行われます。2回目が決算月となる3月。決算月は、年度や一定期間の売り上げをまとめる締めの月。そこで各店とも、決算月にできるだけ売上を伸ばしつつ、在庫も処分したいという狙いがあります。まさに今月中がねらい目です」(田中さん・以下同)
特に3月は新生活を前に需要が伸びる時期。いいものは早めにゲットしたいところ。
「昨今はコロナ禍の影響で部品や半導体が不足し、家電製品の在庫不足も懸念されます。最近は給湯器の在庫不足が問題になっていますが、冷蔵庫も、いざ買おうとしても品切れになっていたらじっくり吟味する時間もなく、妥協して選ぶことになりかねません。
冷えが悪い、駆動音が大きいなど気になる兆候があったり、購入して9年を超えていたりする場合は、ぜひ早めの検討を。冷蔵庫は部品の保有期間が製造終了から9年と決められているため、9年を超えると故障しても部品の取り寄せや修理ができなくなる可能性があるから。冷蔵庫が壊れると食材が一気に使えなくなるので悲惨です」
冷蔵庫選びの3大ポイント「置き場」「扉の開き方」「容量」
では、冷蔵庫を買う前にチェックすべきことは何でしょうか? 1つ目は、冷蔵庫置き場にはいるかどうか。
置き場をチェック
「最初にチェックしたいのは、冷蔵庫置き場にはいるかどうか。マンションなどですでに置き場所が決まっている場合は、そこに入るのが大前提。また、ただはいればいいというわけでもなく、左右の壁から5mm以上、上は5cm以上開ける必要があります。
とはいえ近年は、幅はそのままで大容量化しているものが増えているので、以前より容量が大きいモデルを選べる可能性もあります」
「片開き」と「観音開き」、どっちがいい?
次に、扉の開き方。
「右または左から開く『片開き』と、中央から開く『フレンチドア』(観音開き)があります。狭いキッチンで開けづらい場合はフレンチドアが便利ですが、一方でフレンチドアは、ドアポケットの幅が狭いため収納に工夫が必要、という声も。
今後引っ越しする可能性がある場合は、どこに置いても使いやすいフレンチドアにするか、片開きでもシャープが導入している扉の向きを付け替えられる『つけかえどっちもドア』や、左右どちらかも開閉できる『どっちもドア』を選ぶといいかもしれません」
容量の選び方
3つ目のポイントは、容量の選び方。冷蔵庫の大きさは、「冷蔵庫の容量=70L×家族の人数+100L(常備品容量)+70L(予備容量)」が目安と言われていますが――。
「確かにそれも目安の1つですが、私は、ライフスタイルを考えて選んだほうがいいと考えています。少人数世帯でも、1週間分まとめ買いする、あるいは冷凍食品を多用する、米や小麦粉などの粉類も冷蔵庫に入れておきたい、という人は、目安にこだわらず、置けるのなら大容量を選ぶといいと思います。
冷蔵庫は詰め込むと奥が見えにくくなりフードロスも発生しやすいので、スペースに余裕があるほうがいいんです。
また近年は冷凍食品の消費が増えているので、冷凍室も容量もチェックしたほうがいいでしょう。実は冷蔵庫は、大容量の方が年間消費電力量が少なく電気代がお得になる場合も多いんです。デメリットがあるとすれば、本体の値段が高くなることぐらいではないでしょうか」
今回は、大容量タイプ、中容量タイプの中でも要注目の「カメラ機能」を搭載した最新モデルを田中さんに選んでもらいました。
「いずれも在庫管理が行えることで、外出先から帰る際に買い物をするときに、買い忘れや二重買いを防ぎ、フードロスの軽減につながります。共働き家庭などで、気づいた人が買う、といったライフスタイルが根付いている家庭におすすめのモデルです」