
みずみずしくシャキシャキした食感を楽しめる新玉ねぎは、今が旬。管理栄養士の菊池真由子さんは、ダイエットを考えている人には毎日食べてほしい食材だといいます。菊池さんにその理由とおすすめの食べ方を教えてもらいました。
ダイエットに役立つ成分がたっぷり!
「更年期を迎える40代以降、女性ホルモンは減り始めます。女性ホルモンには血糖値を下げるインスリンのサポートや脂肪を分解する働きがあるので、減少すると血糖値は上がりやすく、中性脂肪やコレステロールが高くなりやすい。つまり、加齢とともに太りやすくなるわけです。

そこで、この時期おすすめは辛味が少なく生でもたっぷり食べられる新玉ねぎ。中でも、新玉ねぎに含まれるフラクトオリゴ糖という成分がダイエットには効果的。主な役目は腸内のビフィズス菌(善玉菌)を増やすことですが、ビフィズス菌が増えれば、脂肪燃焼、食欲抑制、代謝アップが活発になります。さらに、腸内環境が整えば便通もよくなるので、ぽっこりお腹解消にもつながり一石二鳥!」(菊池さん・以下同)
生食でとりやすいのがメリット
普通の玉ねぎと含まれる栄養素は同じですが、新玉ねぎは生でも食べやすいことから、生のときに含まれている栄養素も摂ることができるといいます。

「生の状態では、血液中の糖分の分解を促進し血糖値を下げる働きを持つ硫化プロピルという成分が含まれています。さらに、この成分が加熱されるとトリスルフィドという成分に変わり、今度は中性脂肪やコレステロールを下げてくれるのです」
加熱しても変わらない成分がS-メチルシスティンスルホキサイドと硫化アリル。
「S-メチルシスティンスルホキサイドは、玉ねぎに最も豊富に含まれる成分です。脂肪とコレステロールの合成を促進する酵素の作用を妨げてくれるので、食べても脂肪がつきづらくなる。ダイエットの味方ですね。
一方、硫化アリルは、血流を促し疲労回復に効果が期待できる成分です。実は、体に疲れがたまっていると、動きが鈍くなり代謝も悪くなってしまうためダイエットの効果もダウンしてしまいます。血流がよくなれば、代謝が上がる以外にも目の疲れや肩こり解消にも有効です」

1日にとるべき適量は?サラダがおすすめ
では、1日どのくらいの量を食べればよいのでしょう。
「1日だいたい1/4個分(40~50g)が適量です。ほかの生野菜と混ぜてサラダとして食べるのがおすすめ。生野菜は、水分が多く低カロリーでカリウムを多く含んでいますから、むくみ予防にも効果的です。

ただし、サラダと相性のいいマヨネーズは、糖質は低いのですがカロリーやコレステロールが高いため、摂りすぎれば中性脂肪として体に蓄積されます。ですから、なるべく控えて糖質やカロリー低めのポン酢、フレンチドレッシング、低糖質のノンオイルドレッシングを選びましょう。
また、ビタミンB1を含む食材(豚もも肉、ハムなど)を一緒に食べれば、玉ねぎの硫化アリルとの相乗効果で最大限に糖質をエネルギーに変えることができますから、食べたものが脂肪として体につきにくくなります。ご飯やパンなどの糖質を摂るときは、豚しゃぶサラダやハムサラダと一緒に食べるといいですよ」

生で食べられる今こそ、毎日新玉サラダを食べてやせやすい体を作りましょう!
◆教えてくれたのは:管理栄養士・菊池真由子さん

管理栄養士。健康運動指導士。NR・サプリメントアドバイザー。日本オンラインカウンセリング協会認定上級オンラインカウンセラー。大阪大学健康体育部(現・保健センター)、阪神タイガース、国立循環器病センター集団検診部(現・予防検診部)を経て、厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務める。ダイエットや生活習慣病の予防対策など、のべ1万人の栄養指導に携わる。新刊『食べて、やせる! おうちdeダイエット』(三笠書房・以下同)が2.5万部超えのヒット。10万部超えの『食べても食べても太らない法』などダイエットや美容に役立つ食事について解説した本がベストセラーに。https://www.diet-class.com/
取材・文/佐々木めぐみ