健康・医療

今注目!“太りにくい糖質”「フラクトオリゴ糖」がダイエットにおすすめの理由を医師が解説

オリゴ糖のイメージ写真
クラフトオリゴ糖なら甘いものを我慢しなくてOK?(Ph/PhotoAC)
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ダイエットに役立つ糖として「フラクトオリゴ糖」が今、注目を集めています。フラクトオリゴ糖を含むチョコレートも売り上げを伸ばしているほど。『コクあま幸せダイエット「これだと太るんじゃない?」と思わず口に出してしまいそうな欲望系ごはんでやせる!』(アスコム)では、著者で糖尿病内科医の工藤孝文さんがフラクトオリゴ糖について詳しく解説しています。フラクトオリゴ糖を取り入れることで、甘いものを断たずともダイエット成功に近づける理由について、教えてもらいました。

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ダイエット成功のコツは甘いものと上手に付き合うこと

「甘いものを食べたい」「コクのある、こってりとした味を好んでしまう」というのは、人間の本能です。こういったものを食べることで幸せを感じる本能に逆らうのは、難しいこと。ダイエットに失敗したことがある人は「意志が弱かった」と言いますが、それは仕方がないんです。我慢をするダイエットは、長く続きません。

では、どうすればダイエットに成功できるのか。それは、甘いものを断つのではなく、やり方を変えればいいんです。

そこでおすすめしたいのが、砂糖の代わりにフラクトオリゴ糖を使うこと。フラクトオリゴ糖は自然由来の甘味料で、味が砂糖に似て甘みもパンチもあるのに、ダイエット効果もあるんです。

ダイエット失敗の理由、セロトニン不足から脱却できる

まずは、リバウンドのメカニズムについて知りましょう。ダイエット中に甘いものをどうしても食べたくなったとき、ダメだと思っていても、迷ったあげ句、ちょっとだけならと一口食べてしまったが最後、歯止めが効かなくなる…というパターンになってしまったこと、ありませんか?

ドーナツを持っている
甘いものを食べたら止まらなくなってしまう理由(Ph/PhotoAC)
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リバウンドの原因はセロトニン不足

リバウンドの原因となる、歯止めが効かなくなる精神状態を引き起こすのが、セロトニン不足です。セロトニンが足りなくなると人間の脳内は不安でいっぱいになり、甘いものを欲します。甘いものを食べるとセロトニンが増えるからです。

脳内物質のひとつであるセロトニンは、分泌されると幸福感に包まれてストレスを和らげる効果があり、「幸せホルモン」とも呼ばれています。ダイエットに失敗する原因は、甘いものを極端に制限しすぎて脳内がセロトニン不足に陥り、満たされなくなったことによるケースが非常に多いです。

ダイエットの天敵・ストレスから解放されよう

太るとわかっているのに食べすぎてしまう理由は、セロトニン不足だけでなく、ストレスによるものも大きいです。不安やイライラなど、ストレスを紛らわせるために食べたくなる「心理的な空腹感」が湧くと、人はドカ食いに走ります。

「心理的な空腹感」は、体が生理的に食べ物を求めているのではなく、ストレスによって脳が求めているため、満腹になってもなかなか満足感が訪れず、ついつい多くの量を食べてしまうのが特徴です。これが太ってしまう原因なんです。

贅肉をつまんでいる
我慢のしすぎがドカ食いの原因に…(Ph/PhotoAC)
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ダイエットに失敗する人は、こうして先ほどのセロトニンを分泌させてストレスを和らげようと、甘いものに過度に手を出してしまいます。砂糖を使った甘いケーキやお菓子を際限なく食べれば、大量に摂った糖分が中性脂肪となり、ぜい肉となって現れるのは当然のことです。

そこで、甘みを摂取してドカ食いを押さえながら、なおかつ太りにくい糖質である、フラクトオリゴ糖をおすすめしています。

低カロリーで食後の血糖値が上がらないフラクトオリゴ糖

フラクトオリゴ糖は、砂糖とあまり変わらない甘さなのに、カロリーは約半分なんです。さらに、糖質でありながら食後の血糖値が上がらないことが研究により証明されています。

食後血糖値と肥満の関係

糖質を摂りすぎると、食後の血糖値が急上昇してインスリンが大量に放出され、脂肪の合成を促進し、余計な糖分を中性脂肪に変えます。これが体内に蓄積され、太ってしまうのです。

さらに、必要以上に血中のブドウ糖が吸収されるため、急上昇した血糖値はその後一気に降下して、体がエネルギー不足だと勘違いして空腹感を覚えます。結果、また食べてしまうという悪循環に陥るんです。

空の皿とカトラリー
食後血糖値のコントロールがカギ(Ph/PhotoAC)
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フラクトオリゴ糖で食後血糖値の急な上昇を防ぐ

つまり、ダイエットは食後の血糖値の急上昇を防ぐことが大切。そのために役立つのがフラクトオリゴ糖なのです。食後の血糖値が上がらない=太りにくい糖質を摂ることで、ダイエット成功につながります。

痩せやすい腸内環境にしてくれる

どんなにダイエットを頑張っても、なかなか痩せないという人は、痩せにくい体になっている可能性があります。

痩せやすい体かどうかを決める大きな決め手は、ずばり腸です。腸内環境がダイエットの成否を左右しています。ここでもフラクトオリゴ糖は貢献してくれるのです。

「痩せ腸」とはどんな腸?

「痩せ腸」とは、腸内にある「痩せ菌」が活発に活動している腸のこと。腸内には、腸内環境を整えるビフィズス菌などの善玉菌、腸に悪い影響を及ぼすウェルシュ菌などの悪玉菌、どちらでもなく優勢なほうに加勢する日和見菌の3種類の菌がいます。

「痩せ菌」は善玉菌、逆に「デブ菌」は悪玉菌のことです。さらに、日和見菌は優勢なほうにつきますから、「痩せ腸」になるには「痩せ菌」である善玉菌を腸内で増やし活動してもらうことが必要です。

「痩せ菌」は短鎖脂肪酸を作ります。短鎖脂肪酸とは、脂肪細胞の蓄積をストップさせたり、脂肪の燃焼を助けたりと、ダイエットをしている人にとってうれしい活躍をしてくれます。つまり、この短鎖脂肪酸が腸内で生成されることによって、痩せやすい体になるのです。

腸内環境のイメージ写真
痩せ腸になるための方法を指南!(Ph/PhotoAC)
写真6枚

フラクトオリゴ糖は「痩せ腸」へ導いてくれる

痩せやすい体にするためには、善玉菌の大好物のエサを与えて、そのエサを短鎖脂肪酸に変えてもらうという、ある種の発酵を引き起こすことが大切です。

この腸内で起こる発酵を「内部発酵」、すでに体外で発酵された発酵食品を「外部発酵」と呼びます。いうなれば、「外部発酵」している食品+「内部発酵」に必要な食品を日々取り入れるのが、痩せる体を作る黄金の方程式なのです。

善玉菌のエサとなる代表的なものは食物繊維です。特に海藻類、きのこ類、いも類、ごぼうなどに多く含まれる水溶性食物繊維がよく知られています。実はフラクトオリゴ糖も、この内部発酵を引き起こす最高のエサになります。

つまり、フラクトオリゴ糖は「痩せ腸」になる手助けもする、ダイエットにぴったりの糖質なんです。

◆教えてくれたのは:糖尿病内科医・工藤孝文さん

工藤孝文さん
糖尿病内科医の工藤孝文さん
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内科医・糖尿病内科医・漢方医。福岡県みやま市出身。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療に力を注ぐ。専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。より多くの人の病気を予防することをモットーに、医療、健康に関する情報発信を積極的に行っており、NHK『あさイチ』、日本テレビ『世界一受けたい授業』、フジテレビ『ホンマでっか!?TV』をはじめ、さまざまなメディアに出演している。http://www.kudonaika.com/

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