「運命と感謝」で選び、地道な努力で選択を正解にする
2020年には、浅草花やしきからの提案を受けて、浅草花やしき園内に常設店を開業した。コロナ禍で人流が一時は80%落ち込んだ街に、あえて出店した理由とは?
「日本最古の遊園地に、日本最古のバーガーチェーンが新店オープン。暗いニュースが続くので、少しでも明るいニュースをご提供できればと思いましたし、社内のことも勇気づけられるといいなと思いました。好評だった『丸ごと!!カニバーガー』を復活販売したこともあり、話題になってよかったです」
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今もドムドムには出店のオファーやコラボの提案が引きも切らない。藤崎さんが決断するときに大切にしているのは「運命と感謝」だという。
「もちろん調べてみないと分からないこともありますし、選択・決定までにそうした情報収集なんかはするんですが、最終的に“運命と感謝”を感じたら流れに逆らわずに乗るようにしています。
そんな決め方で大丈夫かと思われるかもしれませんが、私は前向きな性格のわりに心配性でもあるので、なんとか大丈夫になります(笑い)。不安材料は確認して対策する。寝る間も惜しんで、普通はそこまでしないというところまで準備します。ただ、心配だからです。それで結果的に準備万端みたいなことになるんですよね」
「絶滅から救おう」というファンとの関係性が成立
経営の立て直しに成功し、コロナ禍でも売り上げが落ち込むことのなかったドムドム。今後はどんな展開が待っているのだろうか。
「皆さまのおかげで、やっとスタート地点に立てました。ドムドムを思い出してもらえたという感じですね。ドムドムは1970年創業で歴史が長いので『初めて食べたハンバーガーはドムドムだった』など、人生のどこかで関わっていたという人が実は多く、そうした人々が最近のバズり(『丸ごと!!カニバーガー』やどむぞうくんマスクなどのヒット)をきっかけにドムドムを思い起こしてくださったと思います。
しかも全国27店舗で、バーガーチェーンとしては“絶滅危惧種”なので、お客さまとドムドムの間に『絶滅から救おう』という体験型の関係性が成立して、期待や愛着を持っていただけている気がします。
本当にお客さまあってのドムドムなので、これからもお客さまお一人おひとりがご来店くださったときに『いいな』と感じていただける空間作り、商品作りを目指します。新規出店も何年までに何店舗といった目標を立ててがむしゃらに拡大するのではなく、いただいたご提案に誠実にお応えしていくつもりです。これまでは黒字化が急務で全てを急ぎ足でやってきましたので、今後は人材育成なども含め、じっくり取り組みたいですね」