温かく過ごしやすい春は、おしゃれも楽しくなる季節です。ショップをのぞくと色鮮やかな服が並び、見ているだけでも気分が上がるというものですが、一目惚れして購入したのに“タンスの肥やし”になってしまったなんて失敗した人も多いはず。そこで、アラフィフ女性におすすめの失敗しない服選びについて、パーソナルスタイリストの杉山律子さんにレクチャーしてもらいました。
「素敵!」で即決はNG!手持ちアイテム3つ以上と合わせられる服を
ショップをのぞくとトレンドの色やデザインの服がズラリと並び、「素敵!」と衝動買いしてしまう人もいるのでは? もしくはあれこれ悩んでいるうちにマネキンが着ている服をそっくりそのまま購入したり、スタッフにすすめられるがまま買ってしまうという人もいるかもしれません。
「特に春は色鮮やかな服が店頭に並ぶ時期ですが、一目惚れしたデザインの服や好きな色の服ばかりをそろえてしまうと、手持ちのアイテムとのコーディネートが難しくなってしまいます。服を買うときは、事前に手持ちのアイテムをしっかりチェックして、どれと合わせられるかを考えて購入しましょう。最低3つの手持ちアイテムと合わせられるものを選んで。
店員さんに『このトップスにはこのボトムが合いますよ』とすすめられて購入したとしても、手持ちのアイテムと合わせられなければもったいないですよね」(杉山さん・以下同)
「色」がほしくてもちょっと待って!ベーシックな色で主張のないデザインから
「せっかく服を買うなら失敗したくない」という人にまずそろえてほしいのが、地味だけどどんな服とも相性がいい、脇役に徹するアイテムだそうです。
「色は白、黒、紺、グレー、ベージュ、トープ、カーキ、チャコールグレー、ダークブラウンなどベーシックな色がおすすめです。おしゃれ初心者さんは、色を着ることでおしゃれに見せたいと思う人が多いのですが、初心者さんこそベーシックな色からそろえましょう。デザインも主張が強くないものの方がコーディネートのバリエーションが広がります。
こうした地味な脇役アイテムがあれば、一目惚れした主役服と合わせても失敗がないうえに、センスよく見えます」
カラフルなアイテムはボトムや小物で取り入れるのが正解!
ベーシックカラーの服が優秀だということはわかったけれど、やっぱりカラフルなアイテムにもチャレンジしたいというときは、どうしたらよいのでしょうか。
「華やかな色の中では黄色系は合わせやすく、グレーやベージュ、カーキ、トープなどのベースカラーとも相性がいいですよ。ピンク系は合わせるのが難しいのでおすすめしません。
また、色を取り入れるときは、ボトムやバッグ、靴などの顔から遠いアイテムにすると失敗がありません。スカーフも首ではなく、バッグに巻くならカラフルなものでもOKです。寒い時期ならロングスカートからチラッと見えるタイツなんかもおすすめです。」
「自分は●サイズ」はダメ!試着は2サイズ以上が必須
服を買うとき、おろそかにしがちなのが試着。「自分は●サイズで大丈夫」「店員さんと話すのが面倒」などの理由はあるのでしょうが、試着は必須です。
「必ず2~3サイズは試着してほしいですね。同じ服でもサイズによって着用したときの見え方が変わります。例えば、Mサイズだった人がLサイズになると気にする人がいますが、大切なのはスタイルがよく見えるかどうか。試着時は、靴を履いて、正面だけなく、横や後ろもチェックして、肉感を拾っていないか確認しましょう。『ちょいゆる』サイズを選ぶと、中身が細いと錯覚させるので体型がカバーされスタイルアップして見えるんです」
◆教えてくれたのは:パーソナルスタイリスト・杉山律子さん
一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表。映画や広告、音楽業界など幅広い分野でスタイリストとして活躍後、結婚・出産を経て、2016年よりパーソナルスタイリストとして活動開始。顔立ちや体型、内面からのぞく雰囲気に合わせた「一番、素敵に見えるスタイル」の提案に定評がある。著書に『手持ちの服でなんとかなります』(サンマーク出版)などがある。https://ameblo.jp/stylejiyugaoka719
取材・文/青山貴子