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元専業主婦から「世界の山ちゃん」トップに!山本久美さん「決めたら迷わない。失敗したらその時また考える」

相談相手は信頼できる1人か2人だけに。決めたらもう迷わない

――代表として、難しい判断を迫られる場面も多々あるだろうと思うのですが、物事を決めるときの方法やプロセスを教えてください。

山本:相談相手は絞ります。たくさんの人の意見を聞きすぎると混乱すると思うので。またバスケを例に取りますが、よい指導者になろうとして、いろんな人に教えを請う人がいます。でも、それって難しいんですよ。名将と呼ばれる人々にはそれぞれ異なるこだわりがあって、あれもこれも聞くと筋道が合わなくなる。複数のストーリーを自分で整理して融合できる人でなければ失敗します。

だから私は信頼する1人か2人にだけ話します。相談して意見をもらった上で、最後は自分で考えて決めます。

そして、決めたらもう迷わない。決めたけど失敗したらどうしよう、なんて思ってしまったら堂々巡りです。決めたらうじうじしない。決めたあとに誰かに相談することもしない。失敗したらそのときまた考えます。

山本久美さん
決めたらもう迷わない
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コロナ禍で社員から出た取り組み

――ところで、新型コロナウイルス感染症が流行して約2年になります。社会全体も飲食業界も苦しい状況ですが、そんななかで起きたよかった出来事や新しい取り組みがあれば聞かせてください。

山本:コロナ禍で店舗は一時休業することもありましたが、デパートの売り場や催事は営業を続けられました。すると、休業中の店舗の社員から「催事の応援に行きたい」という声が自発的に上がったんです。催事の現場を初めて経験した社員たちは、「催事は店舗とはまた違った大変さがある」「思っていたよりハードだった」と言っていましたね。手伝ってもらった側にはもちろん感謝が生まれるし、お互いをより認め合えるようになったようです。

他には、店舗休業日にみんなで自然に親しんで山登りなど、屋外でのレクリエーションを企画しました。そうすると、忙しい営業中には話せなかった人、持ち場が離れていてかかわりがなかった人とも交流が生まれるんですよね。チームワークの醸成によかったと思います。

――会社としての今後の目標を聞かせていただけますか。

山本:今、当社は私が代表で、別の若くて優秀な人が社長として手腕を発揮していますが、これからはもう少し多角化していきたいという考えで一致しています。同じ飲食で多業態、さらに飲食から派生・関連する異業種へも少しずつ参入していけたらと。

新業態でいえば、今すでにキッチンカーでの販売を拡大しているところで、キッチンカーのフランチャイジー募集も始めました。他に、まだ形になっていないけれど進めているものもあります。

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