
電車やバスの移動で移動の際の精算は、SuicaなどのICカードを使うのが主流になっています。いちいち小銭を出す必要がないので便利ですが、「お得」という面では、別の方法があるそうです。生活コスト削減コンサルタントの生方正さんが解説します。
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交通費をより節約できるのは「回数券」
電車やバスでよく移動するエリアがある場合、定期券利用区間以外なら、楽だからとICカードを使うより、回数券を利用したほうがお得になります。

回数券なら乗車券1枚分がお得に
10枚分の値段で11枚の切符を購入できるものが多い回数券。つまり乗車券1枚分がお得になる仕組みです。さらに、回数券を買うとき路線の提携クレジットカードを使うことで、そのカードのポイントが貯まる場合もあります。
鉄道会社によって時間帯を指定した回数券はさらにお得
鉄道会社によっては、使用できる曜日や時間帯を限定した「時差回数乗車券」や「土休日回数乗車券」といったものも発売されています。制限がある分、割引率が高くなっています。

例えば、東京メトロの場合は駅間ではなく区間ごとになりますが、1~6km区間なら次に紹介する3種類とも1700円です。「普通回数乗車券」(終日利用可)は11枚、「時差回数乗車券」(平日10時から16時、土日祝は終日利用可)なら12枚、「土・休日回数乗車券」(土日祝は終日利用可)なら14枚組みです。「土・休日回数乗車券」なら10回分の運賃(1~6km区間の普通券は1枚170円)で4枚分がお得になる計算です。
これらは利用するお客さんが比較的少ない時間帯向けの回数券です。さまざまな私鉄や地下鉄、バスで発売されている「オフピークチケット」や「昼間割引回数券」という名称の場合もあります。週末に家族で出かけることが多い家庭なら、かなりお得になりますね。
スケジュールによっては、金券ショップでの購入も◎
ほかにも回数券をお得に買うのに、金券ショップもおすすめです。特に期限が迫っているものだと半額になっていることもあるので、使い切る目処が立っていればおすすめします。
回数券を使うときの注意点
お得な回数券ですが、購入前に気をつけるべきことや意識しておきたいことがあります。

必ず期限内に使い切れるか判断する
回数券には期限があります。通常、回数券の有効期限は発売日から3か月です。安いからといって飛びつくのではなく、まず自分の3か月先までの予定を考えて、使い切れるか考えて購入しましょう。
紛失しやすいところが回数券の難点
回数券の購入後に気をつけなければならないのは、Suicaなどと違って重みがなく、落としやすいということです。私自身、スマホのケースに入れていたら、枚数が減っていた経験があります。1枚でもロスしたら節約の意味がなくなるので、注意が必要です。
回数券を使う癖をつけるのも大切

SuicaなどのICカードをいつも利用している人は、改札口を通過するときにSuicaで支払う癖がついています。節約のためにせっかく回数券を購入しても、使いそびれてしまったら節約にならないばかりか、有効期限を過ぎてしまった場合は損失になります。
なので、回数券は財布や手帳など、入れる場所を決めておきましょう。私は往復分の2枚を持ち歩くようにしています。たとえ酔っ払った状態でも使えるようになるくらい、習慣化することが大切です。
◆教えてくれたのは:生活コスト削減コンサルタント・生方正さん

うぶかた・ただし。明治大学サービス創新研究所研究員。高校卒業後に海上自衛隊に入隊。勤務の傍ら節約術を駆使しながら、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資などを行い、40代で2億円の資産を築いた。現在は生活コスト削減コンサルタントと南極講演家として、メディアで活躍中。著書に『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)、『攻めの節約』(WAVE出版)など。
構成/イワイユウ