
雨が多く湿度が高い梅雨シーズンは、洗濯物がなかなか乾かず、それによる生乾き臭も気になります。除湿や部屋干しの衣類乾燥に役立つ家電製品といえば、衣類乾燥除湿機。ただ、「衣類乾燥や除湿のためだけに買うには、予算も部屋のスペースも厳しい…」という人もいるかもしれません。そこで今回は、衣類のシワ伸ばし器具や扇風機、ふとん乾燥機など主だった機能に衣類乾燥機能や消臭機能がついた商品をご紹介します。
換気やエアコンで除湿しながらサーキュレーターなどを活用
節約のためには、衣類乾燥や除湿を今あるモノで行えないか――。「効率的に除湿や部屋干しした衣類を乾かすには、衣類乾燥除湿機を使うことが最も効率的ですが、他にも方法はあります」と教えてくれるのは、家電ライターの田中真紀子さん。
「まずオーソドックスな方法が、換気です。特に近年のマンションは気密性が高いため、外より湿度が高くなっている場合があります。溜まってしまった湿気は換気することで、排出することができます。
効果的な換気の方法は、2か所以上の窓を開け、風の通り道をつくること。対角線上にある窓を開けるとより効率的です。また扇風機やサーキュレーターを使って換気を促すのも一つの手。特に湿気が溜まりやすいクローゼットや押し入れ、下駄箱などは定期的に開放して風を当て、湿気を追い出すといいでしょう」(田中さん・以下同)
また部屋全体の除湿なら、エアコンに搭載された除湿機能を使う方法もあります。
「こちらは除湿機でいうコンプレッサー式と同じ方式で湿度を下げてくれます。衣類乾燥にも使いたいという希望がなければ、エアコンで除湿するのもアリ。ただしコンプレッサー式は空気を冷やすことで結露させるため、部屋全体が寒く感じる場合あります。時期的に湿気は高いけど肌寒いというときは、エアコンによっては、湿度を下げた空気をヒーターで温め直す『再熱除湿』があるので、この機能がついていれば使うことをおすすめします」
電気代が高くなりがちな浴室乾燥は、たまに使うならアリ?
一方、浴室についている浴室乾燥機で洗濯物を干す人もいるでしょう。
「確かに浴室乾燥機は室内干しの際にとても便利ですが、衣類乾燥除湿機と違い、温風を当てて乾かしています。そのため消費電力量が多く、電気代が高くなる傾向にあります。メーカーによって異なりますが、1250kW /h前後が中心のため、3時間使用した場合、1.25kw×3時間×27円(1kwあたりの電気代)=101.25円。1回の乾燥で、およそ100円かかることになります。
これに対しコンプレッサー式除湿機は、メーカーによって異なるものの、3時間の使用で20~30円程度。つまり、浴室乾燥機は、コンプレッサー式除湿機の3倍以上もの電気代を使うことになります。
ただし日常的に室内干しの使用頻度が低い場合は、問題ないかもしれません。スポット的に使いたい場合は、別のアイテムを利用してはいかがでしょうか」
スポット乾燥に便利なアイテムとして、田中さんがおすすめするのが、次の3点です。
【1】 サンコー『アイロンいら~ず2』

まずは、シワを伸ばしながら乾燥もできるユニークなアイテムからご紹介。
アイロンがけから解放!シワが伸びるワイシャツ&ズボン乾燥機

「洗濯して濡れた状態のワイシャツを、ボディ型をしたエアバッグに着せ、電源をON。するとエアバッグが膨らんでシワを伸ばしつつ、70~80℃の温風でパリっと乾燥します。乾燥時間は約30分。アイロンがけの手間もないので、ひとり暮らしの人やアイロンがけが苦手な人におすすめ。乾燥機があっても『Yシャツだけはこれで乾かしてもいいかも』と思えます。ちなみにズボン用のエアバックも付属していて、厚手のジーンズは約100分で乾燥できます」

【2】 アイリスオーヤマ『ふとん乾燥機 カラリエ FK-D1』

こちらは、衣類乾燥にも使えるパワフルなふとん乾燥機です。
ダイレクトに温風を当てて衣類乾燥ができるふとん乾燥機

「梅雨の時期はふとんも干せませんよね。そこで活用したいのがふとん乾燥機。アイリスオーヤマにはパワフルなふとん乾燥機のラインナップが豊富ですが、こちらは家具調のデザインで、インテリアになじみやすい点がおすすめ。ふとん乾燥時はノズルをふとんの中に入れますが、このノズルを内蔵のノズルハンガーでしっかり固定することで、前面に干した洗濯物の乾燥にも使えます。衣類に向けてダイレクトに温風を当てるため、急いで干したいものがあるときに」

【3】シャープ『プラズマクラスター扇風機 3Dファン PJ-P2DBG』

普段は扇風機として使え、衣類乾燥の際には消臭機能としても活躍する、シャープの扇風機。
コードレスのためどこでも使える!衣類消臭機能付き扇風機

「上下左右に首を振り、空気をかくはんしてくれる扇風機です。コードレスのため、電源を気にせず、使いたい場所で使えます。部屋干しの際は『衣類消臭モード』を選ぶと、強い風量で洗濯物に風を当て、消臭スピードを高めます。さらに独自イオン『プラズマクラスター7000』が、高湿時に増えがちな浮遊カビ菌を除菌し、部屋干しによる生乾き臭も消臭します。これから夏にかけて活躍する扇風機を部屋干し対策として取り入れるのもいいかもしれません」

1台2役のお役立ちグッズで、部屋干しシーズンを乗り切りたいですね。
◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

白物家電・美容家電を専門とするライター。雑誌やウェブなどの多くのメディアで、新製品を始めさまざまな家電についてレビューを執筆している。https://makiko-beautifullife.com
取材・文/桜田容子
●1台で除湿、加湿、空気清浄をこなす「除加湿空気清浄機」、メリット・デメリットを家電ライターが解説