
せっかく洋服を買うのなら長く着られるものを購入したいけれど、何年も同じ服を着ていると流行遅れと思われそう…。だったらどんな服を選べばいいの? そんな悩みを解決すべく、パーソナルスタイリストの杉山律子さんに“使える服”の選び方と使い方のコツを教えてもらいました。
見た目は地味な脇役服がそろっていれば困らない
毎シーズン、お店には今年のトレンドを盛り込んだ洋服が並び、買い物心をくすぐられますが、流行りのルックスというだけで購入するのは危険だと杉山さんは言います。
「洋服は決して安いものではありません。ワンシーズンで総入れ替えするわけにはいきませんから、どんな服とも相性がよく使えるアイテムを選びたいもの。
そこで私がおすすめしているのは脇役に徹する服です。見た目は地味なベーシックアイテムですが、毎日のコーディネートも簡単になる優秀なアイテム。色は白、黒、紺、グレー、ベージュ、トープ、カーキ、チャコールグレーなどのベーシックカラーを選べばまず失敗しません」(杉山さん・以下同)
体型カバーや若々しさも!そろえておきたい優秀な脇役服
杉山さんがおすすめする優秀な脇役服は次の通り。
テーパードパンツ、ワイドパンツ、長めのタイトスカートが優秀なボトムスの代表
脇役として優秀なボトムスは、ワイドパンツやテーパードパンツ、長め丈のタイトスカート、ガールフレンドデニムなど。中でも黒のワイドパンツと白のテーパードパンツ、カーキのタイトスカートが杉山さんのイチオシ。

「黒のワイドパンツは、体型カバーもできるのでアラフィフのマストアイテム。ポリエステル素材なら1年中はけますし、動くたびにキレイに揺れるので女性らしさも◎。
白のテーパードパンツは、トップスやアウターのデザインを選ばない万能アイテム。白のボトムスというと太って見えそうと敬遠する人も多いのですが、真っ白なら意外と膨張して見えません。肌にピタッとしすぎないサイズ感やセンタープレス入りのパンツを選ぶのがコツで、縦長効果でスマートな印象に。ボトムスに白を持ってくるだけで若々しく軽快な印象になります。
タイトスカートは膝とくるぶしの中間くらいの丈がおすすめ。体にフィットしすぎない真っ直ぐなラインのものなら、気になるお尻のラインを拾わないうえに、縦長効果で着痩せして見えます。タイトスカートはコンサバ感が出やすいので、色は黒よりもカーキなどがおすすめ」
トップスは白のボートネック、黒のプルオーバー、白のバンドカラーシャツが万能アイテム
トップスは、ボートネックやブルオーバー(丸首)、Vネックのカットソーやニット、襟の小さなシャツなどが優秀な脇役アイテム。その中でも便利なのが白のボートネックのカットソー、黒の丸首プルオーバー、白のバンドカラーシャツの3つです。
「白のボートネックはどんな服にでも合わせられる万能選手。さらにどんな長さのネックレスにも合うのでとても便利です。
黒のトップスはVネックをアラフィフが着ると地味に見えることもあるので、首元が広めに開いている丸首がおすすめです。ドルマンスリーブのようにゆったりしたデザインやかわいいデザインも黒を選べば甘くなりすぎません。
白のバンドカラーシャツは、襟が小さめなのでどんな人にも似合うデザイン。ロング丈ならボトムスにインでもオーバーでも着られます。ざっくりしたニットを重ねて裾を出して着ることもできます」
杉山さんおすすめのトップスとボトムスが3つずつあれば、これだけで9パターンのコーディネートが完成するので、毎日の服選びも簡単に。
脇役服が素敵に見えるコーデの法則とは?
ベーシックな服同士ならどんな組み合わせでもまず失敗はありませんが、より素敵に見えるコーディネートのコツは?
「使える脇役服の色はベーシックカラーがおすすめですが、ベーシックカラーも抜け色、中間色、締め色の3つのグループに分けることができます。いちばん簡単なコーデの法則は、抜け色、中間色、締め色から1色ずつアイテムを選んで、全身を3色以内でコーディネートすることです」
ベーシックカラーのグループ分けは次の通り。
・抜け色は白やオフホワイトなど
・中間色はグレー、ベージュ、トープ、カーキなど
・締め色は黒、紺、チャコールグレー、ダークブラウンなど
「3色でコーディネートする時もどこかに白を加えるとぬけ感や明るさが出るので、地味に見えずこなれた印象を作れます。例えば、グレーとベージュのような中間色同士のコーディネートも間に白を挟むと素敵になりますよ」
◆教えてくれたのは:パーソナルスタイリスト・杉山律子さん

一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表。映画や広告、音楽業界など幅広い分野でスタイリストとして活躍後、結婚・出産を経て、2016年よりパーソナルスタイリストとして活動開始。顔立ちや体型、内面からのぞく雰囲気に合わせた「一番、素敵に見えるスタイル」の提案に定評がある。著書に『手持ちの服でなんとかなります』(サンマーク出版)などがある。https://ameblo.jp/stylejiyugaoka719
取材・文/青山貴子