
国際親善は、天皇皇后両陛下のご活動のひとつ。今回のジョー・バイデン米大統領の来日の際のように、賓客として日本を訪れる外国の大統領や国王、王族などを接遇し、親交を深められることなどを含みます。英語に関しては、両陛下は留学経験もありご堪能。皇后雅子さまは、ロシア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語を習得なさったと言われています。両陛下の国際親善には、これまで国内のみならず世界各国から何度も称賛の声があがっています。そこで今回は、交流の様子や雅子さまの華麗なファッションを振り返りましょう。
1993年7月|華やかなドレスで皇室外交デビュー
1993年7月8日、東京サミットでの宮中晩餐会が雅子さまの皇室外交デビュー。ご成婚の翌月で、おふたりで初めての国際親善の場となりました。アメリカのクリントン大統領(当時)とロシアのエリツィン大統領(当時)の間の席につかれた雅子さまは、まったく気おじする様子もなく、英語とロシア語を話されて、通訳なしで両大統領と歓談なさっていました。
この日は、ボリュームのあるレースが目を引くグリーンのドレスをお召しに。ネックレスをはじめ、ブレスレットや指輪、イヤリングも大ぶりで存在感たっぷり。まさにアニメの世界のプリンセスを体現したかのようなファッションが、羨望の的になっていました。
2003年9月|ルクセンブルク大公との晩餐会ではピンクのセットアップをお召しに
2003年9月、ルクセンブルクのアンリ大公殿下を迎えての晩餐会にご出席の雅子さま。天皇陛下(当時は皇太子)とともに、アンリ大公殿下との歓談を楽しまれていました。




雅子さまは、淡いピンクカラーのセットアップをお召しに。このジャケットには、繊細なトリミングが施されていて細部まで女性らしさ満点。しかしながらスタンドカラーデザインなので、甘くなりすぎず、ショートヘアとのバランスも抜群。大ぶりのパールのイヤリングも華やかさを添えています。
2008年10月|チャールズ皇太子との夕食会ではピンクのセットアップをリピート
2008年10月、英国のチャールズ皇太子とカミラ夫人を招いてのプライベートディナー。このとき雅子さまは療養にはいっており、なかなかご公務にお出になれないということもあり、注目が集まりました。



お元気な姿を見せようとのご配慮か、2003年9月と同じ顔映えのいい、淡いピンクカラーのセットアップをセレクトされた雅子さま。ヘアはハーフアップ、パールのイヤリングとブローチを合わせて、優雅な佇まいでした。足元は黒のパンプスをお召しになり、甘辛バランスもばっちりです。
2008年11月|5年ぶりの国賓歓迎行事には鮮やかグリーンのスーツでスタイリッシュに
2008年11月10日、スペイン国王夫妻の歓迎行事にご出席。雅子さまが国賓の歓迎行事に出席されたのは2003年以来、実に5年ぶり。そんなブランクを感じさせず、雅子さまは笑顔で挨拶をかわされていました。




雅子さまは、シックなグリーンのジャケットとワンピースのセットアップでお出ましに。襟と袖口は、ツヤ感のある生地を重ねたデザインになっていて、おしゃれでキリッとした印象に。靴、バッグなど小物はすべて黒でそろえられ、鮮やかなグリーンの派手さを落ち着かせています。雅子さまといえば、おしゃれな帽子をよくかぶられていますが、この日のバイカラーの帽子もエッジの効いたデザインでおしゃれな雰囲気が際立っていました。
2017年4月|スぺイン国王夫妻来日イベントでは小物を白にチェンジして
2017年4月5日に行われたスペインのフェリペ6世国王夫妻を迎えた歓迎式典。天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さまは、宮中晩餐会にも出席され、国王夫妻が皇居・宮殿を立ち去る際には、とても親しげに別れの挨拶を交わされたそうです。



雅子さまは、このときも2003年、2008年にお召しになったピンクのセットアップをリピート。アクセサリーには、パールのジュエリーで華やかさをプラスされていました。そして、バッグや靴は白をセレクト。淡いピンクのセットアップに合わせることで、より優しい雰囲気にまとめられていました。
2018年4月|若草色の異素材ミックスコーデでおもてなし
2018年4月、来日していたスウェーデン国王夫妻と昼食をともにされた天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さま。雅子さまは、膝を折って挨拶され、国王ご夫妻に合わせたヨーロッパ式の挨拶をされるというお気遣いが話題になりました。



この日雅子さまは、光沢感のある若草色のワンピースに同色のジャケットを合わせたコーディネート。バッグとパンプス、グローブはナチュラルな色のものを合わせられ、軽やかな印象に。同色コーデでも、ジャケットとスカートを異素材にすることで、メリハリが生まれ立体的に見えます。
2019年5月|令和初の国賓、トランプ米大統領夫妻来日には、オールホワイトでお出迎え
2019年5月27日、令和になって初めての国賓として天皇皇后両陛下との宮中晩餐会に出席したアメリカのトランプ大統領夫妻(当時)。このときも、両陛下はトランプ夫妻と通訳なしで会話されました。そして、ホストとして贈り物の選定から宮中晩餐会の準備まで気をくばるなど、おふたりの令和流のおもてなしを感じられる内容に。後日、アメリカの各メディアからは両陛下を称賛する記事が相次ぎました。





雅子さまはテーラードカラーのジャケットとセミフレアスカートのセットアップでお出迎えに。ともすればぼんやりして見えてしまうオールホワイトコーデですが、ジャケットもスカートも縦のラインを強調したデザインになっていて、すっきりとした印象にまとまっていました。





大統領夫妻を迎えての宮中晩餐会には、薄いベージュに近い白のロングドレスをセレクト。アメリカの国花・バラの刺しゅうを施したシースルーのジャケットを合わせられ、ここにも雅子さまの温かいお気遣いが感じられました。レースは甘くなりがちですが、ストンと落ちるロング丈のスカートを合わせることで、上品で優雅な佇まいでした。
2019年6月|マクロン仏大統領夫妻との会談ではさわやかなサックスブルーで清楚に
2019年6月27日、マクロン仏大統領とブリジット夫人とのご会談、昼食会でおもてなしをされた雅子さま。雅子さまは通訳を介さず、英語とフランス語を巧みに使われ、会話されていました。




この日は、織りのジャケットが華やかなサックスブルーのセットアップをセレクト。パールのジュエリーをアクセントに、セットアップとカラーリンクしたバイカラーのパンプスを合わせるコーデもさすがです。ブリジット夫人はネイビーのワンピースをお召しになり、同じブルー系でまとまった会談となりました。
2022年5月|天皇陛下、バイデン米大統領とご会見
2022年5月22日、アメリカのジョー・バイデン大統領が専用機で来日。翌23日に、天皇陛下が会見に臨まれました。

今回の対面は、天皇陛下が皇太子時代の2013年に、副大統領として来日したバイデン氏と面会して以来となりました。約30分の会見では、日米関係から新型コロナ、東日本大震災など多岐にわたり話され、陛下が自身や雅子さまのアメリカとの関わりについても紹介。身ぶり手ぶりを交えて会話され、笑い声が起きる場面もあったそうです。
●皇后雅子さまの梅雨シーズンコーデは「白×ネイビー」、白配分多めでよりエレガントに