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ソファや椅子の上に“チョイ置き”された服、整理するためには「仮置き場」が必須

つい置いてしまう洋服やカバン(Ph/イメージマート)
洋服やかばんの“チョイ置き”を防ぐ方法とは?(Ph/イメージマート)
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洗濯した衣類や、脱いだ服やカバンなどをしまうはずのクローゼット。ところが、残念ながらクローゼットまで到達せず、ソファなどに放置されている衣類はないでしょうか。『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。』(ダイヤモンド社)の著者で、家事代行マッチングサービス「タスカジ」で「予約の取れない家政婦」といわれる片づけのプロ・seaさんに、その原因と、「服をしまえるクローゼットにする3つのコツ」を聞きました。

【1】今着る服だけに、量を減らす

「服がぎゅうぎゅうだと、押し込んだり、よけて入れたりとしまうための手間が増えます。解決策は、今着る服だけに限定して、量を減らすこと。今この時期であれば、寒い時期に着ていた季節外れの服や、次いつ出番があるかわからない服は別の場所に保管しておきましょう」(seaさん・以下同)

今使わないものは別の場所へ(Ph/Photo AC)
今使わないものは別の場所へ(Ph/photoAC)
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【2】ハンガーに「かけるだけ」収納を増やす

ベランダに洗濯物を干している人、それもハンガーにかけて干している人は、畳む工程を挟まず、ハンガーのまま収納するのがいちばんラクです。

「洗濯物をしまえない理由の一つは、畳むのが面倒だから。ならば、畳まずにハンガーにかけるだけにすれば手間が省け、ちょい置き防止になります。

ただし、ハンガーは選びましょう。クリーニング店でもらえる針金ハンガーを愛用している方は多いですが、ハンガーが細すぎて服の距離が近くなりすぎたり、ハンガーどうしが絡まったりするので、おすすめしません。同じくクリーニング店でもらえるプラスチックのハンガーなら問題ありません。」

ハンガーに衣類をかけて畳む手間を省く
ハンガーに衣類をかけて畳む手間を省く(Ph/photoAC)
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思い切ってハンガースペースそのものを増やすのも、おすすめだという。

「最も手軽なツールはバータイプのハンガーラック。買っておくだけでハンガーをかける場所が広がります。増設する場所は、クローゼットに隣接する壁面が基本。クローゼットと離れると、しまう場所が分散されて使いにくくなるため、なるべく近くすることがポイントです。

増設したスペースには、着る頻度が高い服をゆったりとしまっていきます。毎日着る服がここだけで完結できるように収納できれば、選ぶのもしまうのもぐっとラクになります」

ハンガーラック
クローゼット以外にかける所を増やすのも手。その際はなるべくクローゼットの近くに置く事(Ph/photoAC)
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ハンガーラックの下の空間は、あらかじめ収納用品で区切る

「ハンガー下の空いたスペースは、ついカバンや紙袋などをちょい置きしがち。いつの間にかそれが堆積して山となり、かき分けるのに苦労します。これも、片づけの“障害”の一つに」

seaさんは、ここに3段程度の引き出し収納を入れることをすすめています。それも、下着と靴下のように同じタイミングで身に着ける小物を一つの引き出しにまとめれば、開け閉めの手間が減ります。

【3】すぐにしまえない服は「一時置き場」に仮置きする

外出先で着ていたシャツやワンピースなどの衣類を、脱いですぐクローゼットの中に入れるのはためらわれますよね。汗やニオイが付着していたり蒸れたりしている服をクローゼットの中に入れると他の衣類にも移ってしまいそう。かといって、まだ洗濯やクリーニングに出すには早い…。

そんな「行き場のない服」が、ソファや椅子の上にちょい置きされて山積みになっていくのです。

「こうした服は、しまいたくない服専用の一時置き場を用意しましょう。例えば、カゴや小さめのハンガーラック、ポール、壁掛け用のフックなどが適しています」

「行き場のない服」は置くのではなく“かける”習慣を(Ph/Photo AC)
「行き場のない服」は置くのではなく“かける”習慣を(Ph/photoAC)
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そのほか、ネット通販で購入できるドアの上部に引っ掛けられるドアハンガーもおすすめ。例えばL字型のドアハンガーあれば、L字の横の部分にハンガーを数本かけられます。玄関先に引っ掛けておけばアウターや帽子などを、着替える場所であれば脱いだシャツやこれから着る部屋着をかけておくことで、床やソファなどに“服の山”ができなくなるはずです。

「こうした一時置き場を作っておき、服の湿気が抜けるなどして『しまうことへの抵抗』がなくなった段階で、クローゼットに戻す。そうすることで、服が部屋中に散乱する――といった事態は防げます」

seaさんは、片づけやすい仕組みを考える際に、自分が一番疲れているとき、面倒で何もしたくないときの気分を想像してほしいと強調します。いついかなるときでも負担なくモノを戻せる仕組みを作っておくことこそ、散らからない家への第一歩なのです。早速今日から始めてみませんか?

◆今回参考にした本

『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。』(ダイヤモンド社)
6000軒を片づけた「予約の取れない家政婦」が教える、究極の片づけ術。家じゅうにひそむ「めんどくさい」を取り除き、片づけの手間をなくす方法を紹介しています。いままで何度もリバウンドしていた人、ズボラな人にこそ向いている、一生、家事がラクになる本。

◆教えてくれたのは:家族の片づけコンサルタント・seaさん

タスカジ・seaさん
家族の片づけコンサルタント・seaさん(Ph/砂原文)
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個人宅の片づけや掃除を行うこと20年超。今までに片づけた家は6000軒以上。家事代行マッチングサービス「タスカジ」では、その実力のあまり「予約の取れない家政婦」の別名も。現在はメディア出演や執筆、片づけ講座の企画・開発など幅広く活動する。著書に『タスカジseaさんの「リセット5分」の収納術』(主婦と生活社)、『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。』(ダイヤモンド社)など。https://taskaji.jp/user/profile/2551

●片づけのリバウンドを防ぐには「めんどくさい」をなくす!“予約の取れない家政婦”が3つのコツを伝授

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