エアコンと併用して使うと冷房ならひんやりした風を部屋中に循環してくれるとして、効率的だと言われているサーキュレーター。ただ、扇風機との違いが今ひとつわからない人もいるのでは。家電ライターの田中真紀子さんに、その違いを教えてもらいつつ、今年の夏おすすめのサーキュレーターを選んでいただきます。
広範囲に柔らかい風を送ってくれる扇風機
「サーキュレーターも扇風機も、ファンを回転させて風を起こすという点で、構造は大きく変わりません。ただ、扇風機は人が当たって心地よいと感じる風を生むことに注力されています。具体的には大きな羽根を複数枚搭載し、広範囲に柔らかい風を送ることができます。また人が当たりやすいよう、ある程度高さもあり、高さ調整も可能です」(田中さん・以下同)
サーキュレーターは真上にも風を送り、部屋の空気を循環
一方、サーキュレーターの主目的は、その名の通り風を循環(サーキュレーション)させること。
「サーキュレーターは扇風機より小さい羽根を搭載し、直線的な風を遠くまで送る構造になっています。そのため人が当たるには勢いが強すぎたり、風質に不快感を持つことも。
また扇風機と異なり、土台自体の高さは低いものが多く、首を真上に向けることもできます。室内の空気がよどんでいると感じるときや、エアコンによる温度ムラを抑えたいときに上手に活用したいですね」
ただし、空気を循環させたい場合、扇風機で代用できないこともないと言います。
「最近の扇風機には、心地よい風を生み出しつつ、サーキュレーターの特徴である直進的な風を送り出せるもの、首を真上に向けられるものを出ています。とはいえ、サーキュレーターのほうが効率がよく、コンパクトなので使いたい場所にサッと置ける使い勝手のよさもあります」
サーキュレーターの効率的な使い方は?
サーキュレーターを最も効率的に使うには、エアコンとの併用を。
「空気は温度が高いと上に、低いと下に溜まる性質があるため、冷房時も床に近づくほど温度が低くなりがち。いすやソファに座っていると、足ばかり冷えて顔まわりは暑く感じることもあるでしょう。またエアコンの温度センサーが、高い位置に設置された室内機本体にあるため、床付近の温度は冷えてもエアコンは『まだ暑い』と思ってガンガン冷やしてしまうことも。
そんなときにはサーキュレーターを使い、空気を循環させて温度ムラを減らせば、室温が快適になり、無駄が減って節電にもつながります。
冷房時、エアコンの送風口は水平に向け、できるだけ天井に近い場所に冷風が送られるようにします。そしてサーキュレーターはエアコンの下付近に、エアコンの送風方向と同じ向きに置き、首は平行もしくは斜め上に向けることで、下に溜まりがちな冷気を上に押し上げ、熱ムラが抑えられます。最適な向きは、家具の設置場所によっても変わってきますので、いろいろ試してみるといいですね」
田中さんが特におすすめの商品は次の2つです。