
上品な立ち振る舞いは好感度を上げるだけでなく、自身をより魅力的にしてくれます。今回はSNSの切り上げ方をテーマに、『「ふつうの人」を「品のいい人」に変える 一流の言いかえ』(光文社)を上梓したマナースクール代表の諏内えみさんに、品のある言いかえのコツをうかがいました。
ケース1|終わらないSNSの切り上げ方
LINEなど、SNSのやりとりが続いて、やめるきっかけがつかめないことがあります。終了を相手に任せていると、ずるずると時間が過ぎてしまいがちです。
◆「あらそうなのー。へえ、それで?」→【品のいい言いかえ】「○時ころから携帯が見られなくなりますので」
「もしSNSが長引きそうなかただとあらかじめわかっている場合は、“○時から打ち合わせがあるので”とリミットを伝えておくとスムーズに抜けられます。思いのほか長引いた場合にも、“あと10分くらいで人が来るから”と伝えることで、気兼ねなくやめられます。実は相手も切り上げ時を見計らっていた、ということもあるかもしれません」

ケース2|終わらないSNSの切り上げ方
そろそろLINEのやりとりを終わらせよう、とスタンプで返事をすることがあります。しかし、相手に意図が伝わらずに、また返事が来てしまうことも…。
◆「(スタンプを送る)」→【品のいい言いかえ】「仕事の電話が入るので。楽しかったわ、ありがとう!」
「スタンプでは別の意味で解釈されてしまうことがあるので、きちんと終了する旨を伝えましょう。その際には“5時までに役所に行かなければいけないの”など、手続きで外出をするなどの名目にすると角が立たず便利です。また、仕事の予定も優先すべき案件のため、相手に不快感を与えません」
ケース3|終わらないSNSの切り上げ方
やめどきを失ったSNSを終わらせる方法の3つ目は、家族を口実にする方法です。
◆「へえ~。それで?」→【品のいい言いかえ】「あ、主人が帰ってきたみたい。ありがとう。楽しかったわ」
「“子供の塾のお迎えに行ってきます”“主人の父に付き添って病院へ行くので”など、家族の用事やケアでは相手も引き留めることはできませんし、不快感なく“それじゃあ、また”となってくれるでしょう」

ケース4|終わらないSNSの切り上げ方
ケース3のように家族を理由にできない場合は、来客や業者を理由にするのも手です。
◆「へえ~。それで?」→【品のいい言いかえ】「あ、そろそろ電気屋さんが見えるので」
「“お風呂の調子が悪くて修理のかたが来るので”“これからお客さまがいらっしゃるので支度をしなきゃ”など、来客の準備を理由にすると、気持ちよくSNSを終わらせることができます」
ケース5|終わらないSNSの切り上げ方
終わらないSNSの切り上げかた5つ目は、使いこなせば品が上がる上級者向けです。
◆「へえ~。そうなの~」→「あらっ、長くなっちゃってごめんなさい! 楽しかったわ。ありがとう」
「今までご紹介したような理由を告げなくても、長く続いたやりとりを終わらせる方法があります。“楽しくて長い時間お付き合いさせてしまったわ!ごめんなさいね”“お忙しいのにお付き合いいただいちゃって、どうもありがとう”など、楽しくて時間が経つのを忘れてしまった、多忙なあなたの時間を取ってしまったと“自分の配慮が足りずに長く付き合わせてしまった”というお詫びと感謝を伝えることができたら、お互いに気持ちよく終わらせることができるでしょう」

ケース6|グループLINEの抜け方
グループLINEのチャットで盛り上がっていると、抜けたいと言いづらいこともあります。盛り下げてしまうと気を使って黙って抜けると、逆効果になることも。どうしたらいいのでしょうか。

◆「…(フェイドアウトで退室)」→【品のいい言いかえ】「これから移動するので、歩きスマホにならないよう失礼いたしますね。みなさまは引き続きお楽しみください!」
「グループのときも1対1のときも、抜けなければいけない時間をあらかじめ伝えておくようにします。実際は用事がなくても“30分くらいしかやり取りできないんだけど”と短めに時間を伝えておけば、抜けやすいですし、もし続けたければ“予定がキャンセルになったので、もう少し大丈夫です”とできますね」
◆教えてくれたのは:マナースクール ライビウム代表・諏内えみさん

結果を出すマナースクール 「ライビウム」、難関幼稚園や名門小学校の高合格率「親子・お受験作法教室」代表。オンラインレッスンから、レストランでのテーブルマナーや個別レッスンも受けられる講座「Class the SUNAI」が人気。「やんごとなき一族」を始めドラマや映画での女優のエレガント所作指導に定評がある。「世界一受けたい授業」「ホンマでっか!?TV」「王様のブランチ」などテレビでも活躍中。 “品のいい伝え方”がテーマの新刊『「ふつうの人」を「品のいい人」に変える 一流の言いかえ』(光文社) など著書多数。https://www.livium.co.jp/profile/
取材・文/小山内麗香