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お世辞だと思わせない褒め言葉のテク、「素敵」を品よく言いかえると?

笑顔の女性
上品な人はこう褒める。品を感じる褒め方をマナーのプロに教わる(Ph/photoAC)
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日常生活でもビジネスシーンでも、好感度を上げたり親交を深めたりするには「褒め言葉」は大事です。せっかく褒めるなら相手により喜んでもらいたいもの。そこで『「ふつうの人」を「品のいい人」に変える 一流の言いかえ』(光文社)を上梓したマナースクール代表の諏内えみさんに、上手な褒め言葉のポイントをうかがいました。

ケース1|持ち物やファッションを褒める場合

相手の持ち物や服装などの良い部分に気づいて伝えることは、人間関係を円滑にし、大人の社交としても必要なスキルです。しかし、「かわいい」「素敵」だけでは安易に聞こえてしまいます。

◆「素敵ですね」→【品のいい言いかえ】「上品な光沢で○○さんにお似合いです」

「誰でも簡単に言える言葉では真実味にかけ、単なるお世辞に聞こえかねません。“深い色合いが今の季節にピッタリです”など豊かな表現で伝えられると、相手に心地よく響きます」

褒める時はどういう所がいいのかを伝える
相手が身に付けているものを褒める際「素敵」など短い言葉はお世辞に聞こえるので注意(Ph/photoAC)
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ケース2|家族を褒める場合

“素敵なご主人”“かわいらしいお子さん”と家族を褒められるとうれしいものですが、上級者はもう一言付け加えます。

◆「いいご主人ですね」→【品のいい言いかえ】「ご理解があってお優しいご主人さまですね」

「“いいご主人ですね”と褒めるのは悪くはないのですが、社交辞令と思われないために、もう一言付け加えたいものです。“穏やかで本当にお優しそう、素敵なご主人ですね”“礼儀正しくて本当にいいお坊ちゃんですね”というように、どういうところを褒めているのか具体的に伝わると、より言われてうれしい言葉になります」

家族を褒めるなら具体的に言葉にする(Ph/photoAC)
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ケース3|料理を褒める場合

手料理をごちそうになると自然にお礼を口にしますが、それだけでは単なるあいさつ言葉になってしまいます。

◆「ごちそうさまでした。美味しかったです」→【品のいい言いかえ】「こんな本格的な○○は初めてで感激です」

「本当に満足してもらえたのかと相手を心配させないためにも、“褒める時は具体的に”を心掛けましょう。たとえば、料理を振舞われたら“お出汁の旨味が口の中にフワッと広がりなんとも言えません”、レストランにお招きいただいたら“さすがグルメの○○さんが選ばれたお店だけあります”など、気の利いた言葉で気持ちを伝えたいですね」

ケース4|創作物を褒める場合

絵画や陶芸などの作品について感想を述べる時「素敵!」「すごい!」で済ましがちですが、それでは無理に褒めていると思われてしまうかもしれません。

◆「すごいですね」→【品のいい言いかえ】「色使いが独特で素晴らしい作品ですね」

「“ここのコントラストが絶妙ですね”など、どのように素晴らしいと感じたのかを伝えると、“そこを気に入ってもらえたんだ”“一番力を入れたところだからうれしい”と、相手かたの心に響くことでしょう」

絵画
自分なりの感想を伝えれば相手も喜ぶ(Ph/photoAC)
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◆教えてくれたのは:マナースクール ライビウム代表・諏内えみさん

マナースクール ライビウム代表・諏内えみさん
マナースクール ライビウム代表・諏内えみさん
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結果を出すマナースクール 「ライビウム」、難関幼稚園や名門小学校の高合格率「親子・お受験作法教室」代表。オンラインレッスンから、レストランでのテーブルマナーや個別レッスンも受けられる講座「Class the SUNAI」が人気。「やんごとなき一族」を始めドラマや映画での女優のエレガント所作指導に定評がある。「世界一受けたい授業」「ホンマでっか!?TV」「王様のブランチ」などテレビでも活躍中。 “品のいい伝え方”がテーマの新刊『「ふつうの人」を「品のいい人」に変える 一流の言いかえ』(光文社) など著書多数。https://www.livium.co.jp/profile/

取材・文/小山内麗香

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