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50歳からの片づけ術 ものが多くて散らかりやすい「キッチン」「リビング」「洗面所」をきれいに保つ秘訣

キッチンを整理している女性
キッチンなどをきれいに保つには?(Ph/イメージマート)
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家のなかで、ものが多くて散らかりやすい場所といえば、毎日何度も使うキッチン、家族みんなで使うリビングや洗面所などが思い浮かびます。著書『だから、50歳から片づける:「思い出のもの」は捨てなくていい』(CCCメディアハウス)が話題の整理収納アドバイザー・阿部静子さんに、それらの場所をきれいに保つ秘訣について聞きました。

すっきりキッチンにする3か条

阿部さん宅では、基本的に食器や調理器具などを「外に出しておかないスタイル」を8年間キープ中。8年前に家を建てオープンキッチンを選んだ際、ハウスメーカーの担当者に「オープンキッチンは散らかっていると全部見えるところが難点」と言われたそうです。そんなオープンキッチンをすっきりに保つには3つのコツがあります。

散らかりがちなキッチンをすっきり保つコツとは(Ph/photoAC)
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【コツその1】不要なものを持たない

「自分にとって必要がないものをなくす、もしくは数をグンと減らしました。箸置き、おしぼりトレーは手放し、ランチョンマットは拭けるアクリル素材が1種類と、来客用が2枚のみ。布巾をやめてキッチンペーパーのみです」(阿部さん・以下同)

他にも、洗い桶、水切りかご、三角コーナーを手放し、やかんは電気ケトルに、大きなお鍋は深めのフライパンで代用しているといいます。

「食器は、ガラスボードに飾っていたアンティーク食器を普段使いにして数を減らしました。これで何の問題もなく、すっきりして使いやすくなりました」

【コツその2】使う場所の近くに収納

「例えば、シンク下にはボウル、ざる、計量カップ、お味噌汁用の鍋、水切りネット、キッチンペーパーなど、シンクで使うものを入れています。

その際、ラップやキッチンペーパーなど手前によく使うもの、奥にあまり使わないものというふうに場所を分けるのもポイント。動線がよくすぐ取り出せますし、しまうのもラクです」

【コツその3】2か所収納

「私は、調味料も調理道具もすべて収納しています。ですが、外に出しておいたほうが使いやすい場合は、よく使うものだけを出しておき、たまに使うものは中にしまう『2か所収納』が便利です」

収納する場合でも、よく使うもの(菜箸、おたま、フライ返しなど)とたまに使うもの(泡立て器、ピーラーなど)は別の引き出しにするなど、2か所収納は使いたいものがすぐに取り出せて、料理の時短になるそうです。

きれいを保つリビング3か条

阿部さん宅のリビングの片づけは、そもそも散らかっていないため、「たった10秒(膝掛けをたたむだけ)」で完了するそうです。「きれい」をキープできるリビング3か条について聞きました。

リビングの散らかりはどう防ぐ?(ph/イメージマート)
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【コツその1】数を持ちすぎない

「たとえば、文具、雑誌、本、DVDなどは数を持ちすぎないことです。本や雑誌はリビングにたくさんおかず、よく読むものだけを置くように。たくさんあると必要なものが取り出しにくく戻しにくくなります」

元の場所に戻すことが億劫になってしまうと、ちょい置きの原因につながり「家の中が片づかなくなってしまう」と阿部さんは指摘します。

【コツその2】リビングで使うものだけ収納

「リビングの収納には、文具、薬箱、裁縫具、今必要なお知らせや手紙などの紙類などリビングで使うものだけを入れるようにします。そうでないと、ものがあふれて床置きの原因になります」

阿部さんがおすすめするリビング収納のコツは、「よく使うものは」中段に、「たまにつかう」「重い」ものは下段に、「あまり使わない」ものは上段にしまうことです。

「写真立てや飾りものなどの置きものは厳選しましょう。多いとごちゃごちゃして見え、掃除も大変になります。また、初めから不要なものは家に入れないことも大切。チラシ類などは玄関にゴミ箱を置いて、リビングに持ち込まないようにします」

【コツその3】散らからない「仕組み」作り

「『物を持ちすぎない』『リビングで使うものだけを収納』の2点に気をつけていれば、いずれ家族も散らかさないようになります。さらなるステップアップとして『散らからない仕組み』を作ります」

爪切りやセロハンテープなどの小物は仕切りのあるケースに入れたり、書類はクリアホルダーにインデックスを付けたりしてすぐに取り出せるようにします。「ひとめでわかる収納」で、使ったあとに戻しやすい仕組みを作れば、散らかる要因である「ちょい置き」防止に役立ちます。

「さらに、家族の私物をひとまとめにする『家族ごとボックス』があると、散らかりを防ぐことができます。それでも家族が散らかしたり、ちょい置きしたりするときは、戻しにくいことが原因かもしれません。まず定位置を変えてみるなど試してみましょう」

洗面所は「片づけしやすいところ」(ph/PHOTO AC)
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洗面所が片づけやすい理由と整理のコツ

リビング同様、家族で使う洗面所は、ものが多くなりがち。しかし、阿部さんは「片づけしやすいところでもある」と指摘します。理由は、ほかの空間に比べて狭いのと、要・不要の判断がつきやすいものが多いから。洗面所の片づけのコツは意外とシンプルです。

洗面台の上に置かない

「わが家の場合、手洗いソープと小さな掃除スポンジ以外は洗面台の上に置いていません。歯ブラシは鏡の裏の収納棚に入れています。いろいろなものを置くとごちゃごちゃして見えるだけでなく、掃除が億劫になる原因になります。

収納棚がいっぱいでしまえない場合は、収納場所に入っているものを全部出して、不要なものを処分することが大切です」

基準は「使う」か「使わない」か

洗面所収納の片づけでは、一緒に化粧品をチェックすることを阿部さんは提唱します。

「使っていない化粧品であふれている可能性が十分にあります。不要な化粧品がなくなれば、収納場所にラクに納められます。いまの自分が輝ける化粧品を厳選して持てば、洗面台もすっきりして一石二鳥です」

◆教えてくれたのは:整理収納アドバイザー、フリーアナウンサー・阿部静子さん

整理収納アドバイザー・阿部静子さん(Ph/河内彩)
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宮城県仙台市生まれ。旅行会社の添乗員、航空会社地上職を経てフリーアナウンサーに。28歳の時にミヤギテレビ『OH!バンデス』初代リポーターになり、結婚・出産を経験しながら16年務めた。49歳で体調不良により休養したのを機に整理収納アドバイザーの資格を取得し、講演・講座を中心に活動を始める。「すぐ片づけたくなる」「ラクにできる」「ハッピーになれる」片づけメソッドが人気で、5年間で6000人以上の指導を行う。今年5月、『だから、50歳から片づける:「思い出のもの」は捨てなくていい』(CCCメディアハウス)を出版。https://ameblo.jp/shizuko-happylife/

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