食べ物や歩き方、運動、生活習慣、食べ方、睡眠などの常識が変わる、目からウロコの若返り習慣を唱えるのは、寿命制御遺伝子の分子遺伝学を専門とする医師・白澤卓二さん。今回は、著書『「一生老けない」にいいこと超大全』(宝島社)から、食事に関するメソッドを教えてもらいました。
「1日3食食べないといけいない」概念は捨てるべき
1日3食食べないといけないと思いこんでいる人も多いのではないでしょうか。しかし、白澤さんは「空腹でない限り食べない」は健康を維持するうえでとても重要だと言います。
「空腹感は人体にとって有益な作用を働かせます。例えば、細胞に対して一定期間栄養を与えずにいると、細胞内の古くなった酵素や不必要になったたんぱく質などを細胞自体が消化します。これをオートファジー(自食)といい、この細胞に対して一定期間栄養を与えない、いわば“細胞の断食“によって、明らかになりました」(白澤さん・以下同)
空腹の時間を作ることでデトックスに
最近よく聞く「オートファジー」ですが、空腹の時間を作ることで体ではどんなことが行われているのでしょうか。
「細胞は断食すると、細胞内の掃除や解毒・有害物質の除去(デトックス)を行います。細胞の集合体である人体も、空腹の時間を作ることでクリーンになっていくと言えるでしょう」
朝食はお腹が空いていなければ食べなくてOK
いつものルーティーンで朝食をとってしまうという人もいると思いますが、お腹が減っているかをよく考えて朝食をとるか決めましょう。
「例えば、前夜の遅い時間に食事をすると、翌朝目が覚めても胃がもたれていることもあります。そんな日に、いつもの朝食の時間だからと朝食をとってしまうと、胃をはじめとする内臓器官にとっては大きな負担に。空腹でない限り、無理に食事をとる必要はありません。昼食や夕食も同様で、空腹かどうかを基準にして食事の時間や量を決めましょう。自分の体の声に耳を傾けて、食事をとるかとらないかを決めるのが最適です」
夕食は食べるタイミングが若返りにとって重要
老けない体作りのためには、夕食のタイミングには注意が必要だそうです。
「空腹になると成長ホルモンの分泌が増加。また、22時から深夜2時の時間帯が最も成長ホルモンが分泌される時間帯です。このことから、夕食はできるだけ寝る3時間前までにとることを心がけましょう」
寝る3時間前といっても、深夜1時に寝るから22時に食事を終わらせる、のではあまり若返り効果は期待できそうにありません。成長ホルモンの分泌を最大限にするためにも、19時までには夕食を終えておくのがベターということです。
◆教えてくれたのは:お茶の水健康長寿クリニック院長・白澤卓二さん
お茶の水健康長寿クリニック院長。医学博士。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。著書は200冊を超え、テレビ番組にも多数出演。わかりやすい医学解説が評判。今年3月、肌、髪、体に関する100の若返り習慣を紹介した著書『「一生老けない」にいいこと超大全』(宝島社)を出版。https://ipma.jp/lecturer/sirasawa/