
8月にはいり、猛暑はピークに。夏は一枚でおしゃれが決まり、コーディネートもラクちんなワンピースが大活躍します。そこで、皇后雅子さまの夏のワンピーススタイルに注目。ともすれば“ラフ“になりがちなワンピーススタイルも、雅子さまはきちんと感を常にキープ。その着こなしのコツを、スタイリストの横山麻里さんとともにチェックします。
ワンピースの“ラクチン”感はアクセサリーや小物のアクセントで回避
ワンピースはコーディネートがラクなぶん、気をつけないと部屋着感が出てしまうもの。横山さんに雅子さまのように上品さをキープしたワンピースコーデに必要なテクニックについて教えてもらいました。
「まず、気をつけたいのが、年齢の出やすいデコルテが大きく開いたワンピースは避けること。デコルテを含め、首元は年齢が出やすいので、ネックレスを忘れずにつけてください。また、無地のシンプルなデザインのワンピースは、部屋着っぽくならないように、アクセサリーや上品な小物でアクセントをつけましょう。
甘めのデザインなら、若作り感を和らげるために、色味はシックなものを選んだり、パールのアクセサリーをプラスしたりと、大人要素を取り入れると素敵です」(横山さん・以下同)
上品な大人マリンスタイル
2007年7月、モンゴルへの公務に出発される天皇陛下(当時は皇太子)のお見送りをする雅子さまはネイビーのフレアワンピースに白ジャケットをお召しに。



「シンプルなネイビーワンピースに、白ジャケットを羽織り、大人のマリンスタイルに。ジャケットもきちんと感のあるデザインと素材なので、カジュアルな印象のマリンスタイルも、落ち着いた品を感じさせます。
マリンスタイルというと、ボーダーを思い浮かべてしまいますが、大人は、ボーダーよりも、配色で、マリンスタイルを取り入れるのがおすすめです。今回のネイビーワンピースのように、きちんと感のあるものをセレクトすると、ベースがきれいめなので、カジュアルな小物を合わせても、大人っぽい印象に。足元は、カジュアル度の高いサンダルにしてもアクセサリーをパールでまとめると、大人カジュアルスタイルに仕上がります」
女性らしいシルエットのワンピースをシックな色合いで清楚に
2013年6月、スペインに出発される天皇陛下(当時は皇太子)をお見送りする雅子さまは、ネイビーのワンピースに白のジャケット、パールのアクセサリーをお召しになっていました。



「ネイビーのワンピースの裾がラッフルデザインになっているので、テーラードジャケットを合わせても、とても女性らしい雰囲気にまとまっています。シンプルな着こなしだからこそ、裾のラッフルデザインが引き立ち、清楚な印象に。
甘めのデザインワンピースはシックなカラーで取り入れると甘すぎず、大人女性にはバランスがよく着こなせます。今回のように、裾がラッフルになっていたり、袖がフリルになっているなど、デザインの一部が甘めなワンピースをセレクトすると、一枚でさまになり、上品な着こなしになります」
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裾が揺れるワンピースで優しく可憐な印象に
2016年7月、リオデジャネイロ五輪の日本代表選手団の結団式にご出席の際の雅子さまは、帽子も含めた白×ネイビーのツートーンコーデが素敵でした。



「白×ネイビーでまとめた清楚な装い。雅子さまがお召しのワンピースは歩くと裾が揺れ、優しく柔らかい印象です。帽子も白×ネイビーで、カラーをまとめることで、全体のトーンが統一され、おしゃれ度が増します。
夏は、日よけとして帽子を取り入れることが多いですが、帽子をプラスすることでよそ行き感が増し、エレガントな雰囲気が強まります。今回のように、ワンピースのカラーとリンクさせるとまとまりがよく、品のあるワンピースに。キャップとスニーカーでカジュアルダウンさせるなど、シンプルなワンピースは、小物次第で表情はぐんと変わり、バリエーションが無限に広がります。
パールのアクセサリーは大人コーディネートの代表ですが、夏は、シルバーアクセサリーも涼しげでおすすめです。シンプルなワンピースにこそ、少し大きめのシルバーアクセサリーをプラスするだけで、抜け感のあるスタイルになります」
ショート丈ジャケットを合わせてIライン効果高めのコーディネート
2016年8月、第1回山の日記念全国大会に出席されるため、ご一家で長野をご訪問。雅子さまは、ショート丈の白ジャケットに、黒のIラインワンピース、胸元にもモノトーン配色のコサージュをつけられ、足元もバイカラーのパンプスで、完璧なツートーンコーデでした。

「タイトめなデザインのワンピースに、ショート丈のジャケットを合わせるIライン効果が高いコーディネートです。カラー配色はスタンダードでも、ジャケットのデザインや丈感で、少しモードな印象にも。コサージュの2個付けも目線を上に操作でき、スタイルアップにつながります。
タイトスカートのワンピースは、かっちり感が出ますが、今回のようにショート丈ジャケットやカーディガンを羽織ると、メリハリのあるバランスになります。今季は、ショート丈トップスもトレンドアイテム。大人女性は、ショート丈で肌見せするのではなく、羽織ものでショート丈を取り入れると、旬なバランスが完成します」
3首をしっかり見せるサマーツイードジャケットで涼しげモノトーンコーデ
2018年8月、兵庫県を訪問された際はそろってモノトーンコーデをお召しの天皇皇后両陛下。雅子さまは、タイトな白のワンピースに、白と黒のサマーツイード素材のジャケットをお召しになっていました。




「白ワンピースで清潔感漂うスタイル。サマーツイード素材のジャケットがアクセントになっています。モノトーンコーディネートも、白の面積が多く、ツイード素材の黒なので、コントラストの差が少なく、女性らしさが漂います。
夏は、黒のコーディネートが重たく感じますが、白の分量を多くしたモノトーンコーディネートや、シャイニーカラーの小物を取り入れると涼しげになります。また、首や手首、足首の“3首”をしっかり見せることで、抜け感が出て重たくなくすっきりと見せることができます」
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ドット柄のワンピースにタイトなジャケットで甘さをセーブ
2019年9月、新潟県でのご公務へ向かわれる雅子さまは、ドット柄のワンピースに白のショートジャケットをは羽織られていました。



「ドット柄の甘めなデザインも、爽やかなカラーをセレクトすることで、上品に。またコンパクトなジャケットで全体をタイトにまとめることで、甘さを抑えつつ清楚な印象にまとまります。
柄ワンピースを取り入れるときは、淡いカラーや、小さい柄、レース地をセレクトすると、女性らしくまとまります。抜け感も出るので、夏にはぴったりです。きちんと感を抑えたいときは、シアー素材のオーバーブラウスをさらりと羽織っても、ワンピースとのバランスは良好です」
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◆ファッション解説:スタイリスト・横山麻里さん
ほどよくフェミニンで上品なカジュアルスタイリングが参考になると、同世代の女性たちからの支持多数。大人女性のファッション誌を中心にカタログや広告で活躍中。
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