
パソコンに向かうときや家でリラックスするときの座り方、意識していますか? 5万人の姿勢を改善した整体師・片平悦子さんによれば、体を痛めつける座り方をしている人がかなり多いのだそうです。そこで、片平さんの著書『きれいな姿勢に生まれ変わる ねこ背伸ばし』(アスコム)でも掲載している、注意ポイントや体をほぐすストレッチの方法をご紹介します。
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整体師が教えるNGな座り方5つ
リラックスしているときに、ラクだと思ってついこんな座り方をしている人は、体に不調が出る危険信号です。これから紹介する5つの座り方は骨盤が後傾したり、ゆがんだりおそれがあるため、背骨や腰、さらに内臓にも負担のかかる、体を痛めつける座り方です。
いすに座るときの足組み座り&足投げ座り
いすに座ったとき、深く腰掛けて足を組んで座っていませんか? そうすると、骨盤はゆがみ、内臓を圧迫してしまいます。
また、いすに浅く腰掛けて、足を投げ出す座り方もNGです。骨盤を倒す姿勢になり、背骨がゆがむ原因となってしまいます。

床に座ったときの姿勢も振り返ってみましょう。正座をして、足の間にお尻を落とす「おばあちゃん座り」になっていませんか?背中が丸くなって顎が突き出てしまい、高齢者のような姿勢になってしまいます。

正座を崩したときに、足を横に流す「横座り」は骨盤が左右どちらかに大きく傾きます。背骨がゆがんで内臓が圧迫されるので、体にかなりの負担がかかっているんです。

また、体育座りをするときも、腰を下ろして両腕で膝を抱えていると、背中を丸める姿勢になるのでNGです。そうすると、骨盤が倒れて、猫背の人は猫背がますます悪化してしまいます。
「ねこ背伸ばしの座り方」
NGの座り方に心当たりがある人は、猫背を解消し正しい姿勢になれる「ねこ背伸ばしの座り方」を試してみてください。

いすに浅く腰掛けて、坐骨の先端を、いすの前端に引っ掛けるようにして浅く座りましょう。両手を座面につけて「お尻歩き」をするように左右にお尻を振ると、ゴツゴツとした坐骨がいすに付くのがわかると思います。そして、両ひじを机に軽く置き、肋骨を机のふちに乗せるようにもたれかかりましょう。
骨盤が立ち、ひざの真下に土踏まずが位置して、足の裏が床にピッタリとつくのが猫背が伸びた正しい姿勢です。
「ねこ背伸ばしのストレッチ」をプラスして健康な体に
「ねこ背伸ばしの座り方」は意識して生活に取り入れれば、だんだんと定着してきます。合わせて実践してほしいのが、「ねこ背伸ばしのストレッチ」です。
これは1日中デスクワークをしている人や、リラックスタイムにソファでだらけてしまいがちな人にこそ、試してほしいセルフケアの方法です。
背中が丸まる人は肩甲骨をほぐす
PCやスマホ、テレビなどを観ているうちに、長時間肩が丸まったまま毎日過ごしていると、肩甲骨の下部が押し出されて、外側に広がってしまいます。その結果、背中が丸まって、猫背になっている人が多いのです。

広がってしまった肩甲骨を元の位置に戻すのが「ねこ背伸ばしのストレッチ」です。これを行うと、肩甲骨が正しい位置に戻るので、毎日の習慣にすれば肩や首のコリ、猫背の改善が期待できますよ。理想は1時間に1回、行うときは立っても座ってもOKです。時間がないかたは寝る前と、起床後すぐに行うだけでも効果が期待できます。
「ねこ背伸ばしのストレッチ」のやり方

【1】手のひらを自分のほうに向けて、両手を組む。このとき、両手の指は自分側に向くようにしましょう。

【2】組んだ両手を、胸に引き寄せます。

【3】引き寄せた手を、向こう側にひっくり返して腕を伸ばします。そのときに組んだ指が外れないようにしましょう。

【4】前に伸ばした腕を、次はゆっくり上へ伸ばしましょう。腕が頭の上まで伸ばせなくてもOK。ゆっくり行い、つらいところでしばらく待つと、腕がまた少し上がって肩甲骨が緩み、首や肩のこりがほぐれます。
このストレッチを毎日、無理のない範囲で1〜2週間継続すると、腕が頭の上まであげられなかった人でもあげられるようになります。
◆教えてくれたのは:片平悦子さん

一般社団法人日本パーフェクト整体普及協会代表。人生の最期のときに後悔しないソウルフォース マイスター。赤門鍼灸柔道整復専門学校卒業。整体業界35年で、5万人以上の臨床経験を持つ。全身の筋・膜・骨格調整法をパーフェクト整体として確立し、500名以上の開業3年以上の整体師にパーフェクト整体を伝授。ベストセラーとなった脳脊髄液のセルフケア法『3つの体液を流せば健康になる』(三笠書房)をはじめ、著書8冊、累計15万部超え。「モゾモゾ体操(R)」も評判に。