ライフ

トレンドの「ゆるシルエット」のつもりが「ぽっちゃり」に…50代がスタイルよく見せるコツは「ゆる×細」

白いトップスとスカートを着たスタイリストの杉山律子さん
トレンドの「ゆるシルエット」が「ぽっちゃり」に見えないコツとは?(Ph/黒石あみ)
写真4枚

近年は大きめのアイテムをゆるっと着こなす「ゆる×ゆる」コーデがトレンドで、アラフィフにも人気です。「体型カバーにもなりそう!」と思いがちですが、ぽっちゃり体型を気にする女性にとってはかえってぽっちゃりを強調しかねない結果に。そこで、パーソナルスタイリストの杉山律子さんに体型が気になりだした大人女性におすすめのスタイルアップ術を教えてもらいました。

「ゆる×ゆる」コーデはぽっちゃり体型をよりボリューミーに!

「ゆる×ゆる」コーデが流行中で、チュニックにワイドパンツを合わせているアラフィフ女性もいますが、「体型カバーできそうに見える『ゆる×ゆる』コーデ、実は着こなすのが難しい」と杉山さんは言います。

「トップスとボトムスの面積が1対1に近くなるほど、スタイルをよく見せるのが難しくなるんですよ。アラフィフ女性が体型カバーのためにやりがちなチュニックにワイドパンツという『ゆる×ゆる』コーデもバランスが難しく、スタイルのいいモデルさんでないと実は着こなせません。

特にぽっちゃり体型の女性が上下とものふんわりした服でカバーしようとすると、逆にボリューミーに見えてしまいます」(杉山さん・以下同)

大人女性におすすめなのは「細×ゆる」コーデ

そんな大人女性におすすめなのは、「細×ゆる」コーデで全体をバランスよく見せることだそうです。

赤い昔の郵便ポストの前に、グリーンのゆるいシャツに白の細めのパンツ、赤いバッグを持った女性が立っているイラスト
アラフィフは「ゆる×細」がベター。上がゆったりなら、下はテーパードパンツなどをはき、どこかに「細」ポイントを作る(イラスト/飛鳥幸子)
写真4枚

「ぽっちゃり体型が気になる人ほど、どこかに細い部分を作りましょう。

トップスがゆったりしたものなら、ボトムスはテーパードパンツで細めに。ボトムがゆったりなら、トップスはシャープなアイテムを選ぶか、タックインしてコンパクトにしメリハリをつけましょう」

スタイルアップして見せるアイテム選びのコツ

スタイルアップできるアイテム選びも重要だそうです。

スカートならふくらはぎ丈のタイトスカートで「細く、長く」見せる

「膝丈のギャザースカートは『太く、短く』の典型で太って見えるアイテムです。

おすすめはふくらはぎ丈のタイトスカート。膝丈よりもふくらはぎ丈の方が『細く、長く』のラインが作れます。素材もハリ感のあるものよりも、やわらかいニットやポリエステルなど“落ち感”のあるものを選びましょう」

大きめのレギンスをたるませて細さを演出

「シャツワンピに合わせるレギンスもぴったりサイズではなく、2サイズくらい大きめを選ぶのが正解です。大きくてもずり落ちることはありませんし、あえてたるませてはくことで脚の細さを演出できます。

生足に抵抗がある人でもレギンスを仕込めばシャツワンピも着こなしやすいですし、色は黒にすることで締まって見えますよ」

手首や足首の細さを強調してスタイルアップ

「いつものシャツやパンツもほんの少しの着こなし方に気を使うだけで、グンとスタイルよく見せることができる」と杉山さん。

腕まくりで手首を出す

長袖シャツを着るとなぜか地味で野暮ったい印象になるという人は、手首を出すだけでこなれた印象になり、スタイルアップにつながると言います。

腕まくりの仕方を解説したイラスト
折り目が肘と手首の中間くらいになるように、袖を一度ざっくりとおり、袖部分が2~3cm残るように2回小さく折る(イラスト/飛鳥幸子)
写真4枚

「肘と手首の中間あたりの位置までまくるのが素敵に見せるコツ。肘までがっつりまくるとお掃除でもする感じになってしまうので注意しましょう。

腕まくりの方法ですが、折り目が肘と手首の中間くらいになるように、袖を一度ざっくりと折ります。そこから袖部分が2~3cm残るように2回小さく折ります。カフスが少し見えるように遊ばせるとこなれ感が出ますよ。

やわらかい素材で袖が落ちてきやすいシャツは、袖の上からヘアゴムを付け、ゴムが肘の少し下の位置になるまで引っ張り上げます。ゴムが見えないように袖の生地でゴムを覆いましょう。シャツと同色のゴムを使えば目立ちません」

パンツのロールアップで細身のラインを作る

普段何気なくやっているパンツのロールアップですが、杉山さんによると長さの調整のためではなく、パンツを細身に見せるためのテクニックなんだそう。

「デニムなどの裾をロールアップすると裾がすぼまり細身のシルエットになるので、ゆるっとしたトップスを着たときにはおすすめです。ロールアップの方法ですが、パンツの裾を幅が3~4cmになるように折り返し、さらに折り返した部分を巻き込むように小さい幅で折り返します。

コツはきちんと折り目をつけるのではなく、折り目がラフになるようにします。無造作にクシュっとした感じを出すと服に表情が出て素敵になりますよ。

また、ストレートやテーパード型のデニムに限定されますが、単純に長さを調整したいのであれば裾を内側に織り込むのもアリです。生地の裏側が見えないのでキレイめにまとめることができます」

シャツのボタンは深めに開ける

シャツは首元のボタンを3つ外して、ぬけ感を出すことがスタイルアップのコツ。

「シャツのボタンを上まで閉めてしまうと首が詰まって太って見える原因に。ボタンはあえて深めに開けることで、デコルテがちらっと見えて体全体が華奢な印象になります。

インナーを仕込んでおけばボタンを3つ開けても安心。インナーの色は白がおすすめで、胸元に見えるラインがまっすぐなものがおすすめです」

年齢とともにぽっちゃり体型が気になるのは仕方のないことですが、体型を隠すために「ゆる×ゆる」コーデは厳禁。細い部分を見せるテクニックでスタイルアップを目指しましょう!

◆教えてくれたのは:パーソナルスタイリスト・杉山律子さん

白いトップスとスカートを着たスタイリストの杉山律子さん
パーソナルスタイリストの杉山律子さん(Ph/黒石あみ)
写真4枚

一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表。映画や広告、音楽業界など幅広い分野でスタイリストとして活躍後、結婚・出産を経て、2016年よりパーソナルスタイリストとして活動開始。顔立ちや体型、内面からのぞく雰囲気に合わせた「いちばん素敵に見えるスタイル」の提案に定評がある。著書に『手持ちの服でなんとかなります』(サンマーク出版)などがある。https://ameblo.jp/stylejiyugaoka719

取材・文/青山貴子

●「ボトムはお尻で選ぶべき」大人女性が陥りがちなボトム選びの落とし穴と失敗しない選び方

●アラフィフがやりがちなワントーンコーデの失敗!「地味すぎる」「老け見え」を避けるためのコツをスタイリストが指南