賞味期限が過ぎたからといって、もう食べられないわけではありません。賞味期限の仕組みを知れば、期限切れでもすぐ捨てなくてもいいものがわかり、食品ロスを削減することにもつながります。そこで、お金のプロフェッショナルである節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、賞味期限が過ぎた食材の消費についてのヒントを教えてもらいました。
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賞味期限と消費期限の違い
農林水産省によると、賞味期限は「定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなる恐れがないと認められる期限を示す年月日をいう」ものであり、消費期限は「定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を越えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする」と書かれています。
また、賞味期限については「この期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません」(https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html)と、消費期限については「過ぎた食品は食べないようにしてください」との記載があります。
つまり、賞味期限は「おいしく食べることができる期限」、消費期限は「その日以降に味が落ちる可能性がある期限」の指標となります。
消費期限を過ぎたらNG
賞味期限と消費期限は、袋や容器を開けないままで記載の保存方法を守って保存している場合を示します。期限を多少過ぎても食べられるものは「賞味期限」が記載されている食材。乳製品のような痛みやすい食べ物の場合は「消費期限」が記載されていることが多いので、必ず確認しましょう。
賞味期限を過ぎた食品はいつまで食べられる?
多くの企業は検査などの上、品質が保持できると確認した日数に安全係数の0.8〜0.9をかけて、やや余裕をもった日にちを賞味期限として記載しています。つまり、製造日から賞味期限までの日数を0.8で割ることで、安全係数をかける前の期限を割り出すことができます。例えば製造日から賞味期限まで3か月ある食べ物なら、90日÷0.8=112.5日となり、20日程度であれば期限を過ぎても食べることができるという判断になります。
とはいえ、保存状態によっても変化しますし、賞味期限を過ぎたものを調理したり食べたりする場合は自己責任です。必ずニオイや見た目をチェックしてから食べるようにしてください。
賞味期限が切れたからと捨てるのがもったいない食品
それでは、賞味期限が切れても、ある程度心配せずに食べられる食べ物の一例を紹介します。
卵の賞味期限は生食の場合
卵に記載されている賞味期限は、生食可能な期間です。パックを見ると“生食の場合は賞味期限内に使用し…”といった文言が書いてあると思います。つまり、賞味期限を過ぎても加熱をすれば食べることができるのです。
万が一、サルモネラ菌が付着していた場合でも、中心温度70℃以上で1分以上加熱すると菌が死滅するとされているので、必ず火を通してください。なお、加熱すれば食べられる期間は賞味期限が切れてから1週間~10日ほどとされています。卵の見た目やニオイを確認して、違和感がない場合に、しっかりと加熱調理して食べるようにしましょう。