数十年ぶりの同窓会で、若々しく見える人と老け込んでしまっている人の差に驚いたことはありませんか? それは普段の口癖や考え方の違いからきているのかもしれません。『50歳から花開く人、50歳で止まる人』(PHP研究所)を上梓した作家の有川真由美さんに、50歳から花開く人と50歳で止まる人の習慣について聞きました。
「もう年だから」が口癖の人、年齢を言い訳にしない人
年齢を重ねると増えてくるのが、「もう年だから」という言葉を免罪符のように使っている人。もう年だから「再就職は難しい」「派手な服は着られない」「若い人についていけない」――。しかしそれは、まわりに言い訳をすると同時に、自分を納得させているだけだと有川さんは言います。
「年齢を重ねて衰えることもありますが、それをカバーできる力があるはずです。人を受け入れて交わる力、現実を認めて対処する力など、知恵と経験によって、これまでできなかったことが可能になることはたくさんあります。
“もう年だから”を口癖にする人と、年齢を言い訳にしない人の差は、どんどん開いていきます。言い訳をする人は向上心や探求心がなくなり、行動範囲も人間関係も狭まり、見た目も老け込んでいくのです。いますぐ“もう年だから”は禁句にしましょう」(有川さん・以下同)
“いまがいちばん若い”という意識で
「年だから」とあきらめている人は、「私たちには無理よね」という同じ考えの人たちで集まって、自分たちの狭い世界に閉じこもる傾向があるようです。
「何歳からでも新しいことに挑戦できます。50代の台湾の友人は、尺八を習い始めました。台湾では演奏人口が少ないので、いまから始めても10年もすれば第一人者になれるかもしれない。そうすればいろいろな場所に呼ばれて演奏したり、海外交流のきっかけにしたりなったりするかもしれない。そう考えると、とても夢がありますよね。もう歳だからといっても、“いまがいちばん若い”のだから、やりたいことはすぐに始めましょう」
見た目をあきらめる人、身だしなみが大事だと思う人
年だから見た目にこだわらなくてもいい、と外見をあきらめる人は、見た目の重要性に気づいていないのかもしれません。
「どれだけ内面がすばらしくても、見た目に気を使わず、老け込んでいる人にはなかなか話しかけようという気持ちが起こらないものです。若いころはチープな服でもサマになっていたかもしれませんが、50歳からはそうはいきません。自分に似合う服装を知り、なによりおしゃれを楽しむことが大事になってきます。
60代の女性で、“80代までピンヒールをはいて出かけたい”と言っている友人がいます。自分の好きなスタイルを楽しんでいる人は魅力的。そんな自分なりのこだわりは、“私はこういう者ですからよろしく”というメッセージにもなります。50歳からは客観的に、自分はこういうものが似合う、というプロデュース力も強みです。少しでもきれいでありたい、カッコよく見られたいという美意識をもとうとする人と、”もういいや”とあきらめる人の差は広がっていくんです」