
スーパーやコンビニなどのレジ袋有料化が始まってから2年が経ちました。節約のためにエコバッグを使っているけれど、ゴミ袋や食材保存袋用にビニール袋を購入しているという人は本末転倒かもしれません。節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんにレジ袋の購入について、どのように考えているのか教えてもらいました。
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レジ袋有料化いつから? どうして?
プラスチック製の買物袋が有料になったのは、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの解決に向け、消費者のライフスタイルの変革を促すことが目的です。2020年7月1日より全国一律でスタートしましたが、前倒しが推奨されていたこともあり、2020年頃から徐々に有料化の店舗が増えてきました。

マクドナルドやケンタッキーフライドチキンなど、一部店舗ではいまだにレジ袋を無料でつけてくれるお店もありますが、これは環境性能が認められているレジ袋は有料化の対象外となり、無料で付けることができるからです。
ちなみに対象外になるレジ袋は「プラスチックのフィルムの厚さが50マイクロメートル以上」「海洋生分解性プラスチックの配合率100%」「バイオマス素材の配合率が25%以上」という条件があります。これは無料で付けることができるだけであって、この基準を満たしているレジ袋でも有料で販売している店舗もあります。
1枚1、2円ならレジで買うほうが安い?
もちろん、プラスチック製のビニール袋を極力使わない、買わないようにすることが環境のためですが、今回はビニール袋が必要な場合、どこで買うのがいちばんコストを抑えられるのか、という視点で考えてきたいと思います。

エコバッグを使う場合、エコバッグの値段を一般的な有料レジ袋の金額である1枚3円および5円で割れば、元を取れる回数がわかります。例えば、1000円のエコバッグなら1枚5円のレジ袋を買う場合は200枚に相当するので、単純計算で200回以上使えば元が取れるということです。しかし、ゴミ袋用などにレジ袋を活用していた人が、有料化により別にビニール袋を購入するようになったという場合、実は損しているかもしれません。
Mサイズ1枚あたり2.5~3.5円が損益分岐点
スーパーなどで1枚3円程度で販売されているMサイズのレジ袋は東日本20号/西日本35号にあたるサイズで、安いものですと100枚入りで250~350円(税込)ほどです。つまり、1枚あたり2.5~3.5円が損益分岐点となります。Amazonで、2022年10月6日現在の最安値は、258円(税込)でしたので、1枚あたりの金額は2.6円になります。そのため、1枚1、2円でレジで買える店舗の場合は得だといえるのです。
Lサイズならネットでまとめ買いがお得?
ちなみに、1枚5円が相場のLサイズ(東日本30号/西日本40号)の場合、Amazonを参照すると2022年10月6日現在の最安値は、Lサイズ100枚で361円(税込)でした。店頭でレジ袋を1枚5円で買うよりもお得です。レジ袋をゴミ袋にしたくてLサイズを購入するのであれば、Amazonなどでまとめて購入した方がお得です。

これらを踏まえると、エコバッグを併用しながら、必要に応じて1枚2円以下のレジ袋を購入することができれば、それが一番コスパがいいと言えるでしょう。
トイレットペーパーの包装袋や米袋をゴミ袋代わりに
家庭内でレジ袋を使用する頻度を減らせば、さらに節約ができます。例えば、トイレットペーパーの袋や米袋などの大きな包装袋の天井部分を切って開くことで、ゴミ袋としてリサイクルできます。

会計時にレジ袋を購入するのが損ではないといっても、ゴミを減らすのは環境のためにもなるので、なるべく使わないようにしながらコスト面を考慮していきましょう。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/吉田可奈