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NHKでもドラマ化!経営未経験の主婦だった諏訪貴子さん、父の急逝で「会社を継ぐ」決断をした理由

大事にしたのは、息子と過ごす時間

社長就任後は朝9時から夜6時までは工場で働き、付き合いなど社外での仕事もある。そんな激務が続くなか、諏訪さんが大事にしていたのは息子と過ごす時間だ。そこには、幼いころの諏訪さんが父親と過ごした時間が投影されていた。

「父も忙しくてほぼ家にいない人だったので、家族みんなで食事をとれたのは年に数回だったと記憶しています。それでも父に愛されていたと感じるのは、家にいるときは『貴ちゃん、貴ちゃん』とものすごくスキンシップをとってくれたんです。だから私も子育てしていくうえで、子供といる時間の長さよりも愛情の深さが大事だと思い、自宅にいるときはスキンシップをとりまくりました。

社長になって間もない頃はとにかく忙しく、今でいうワークライフバランスを取ることが難しかったです。でも時間がないというのは言い訳にすぎません。時間を作ろうと努力しました。できるだけ早く動いて、今できることはすぐに手をつける。睡眠時間が4時間の日もありました。食材宅配も活用して時短も心がけていましたね。とにかく必死でした」

◆ダイヤ精機代表取締役・諏訪貴子さん

諏訪貴子さん
諏訪貴子さん
写真6枚

すわ・たかこ。1971年生まれ。ダイヤ精機株式会社代表取締役。1995年に成蹊大学工学部を卒業後、自動車部品メーカーにエンジニアとして入社。ダイヤ精機に2度入社するが、経営方針の違いから父に2度解雇される。2004年、父の逝去をきっかけに社長に就任し、業績を順調に回復させる。日経ウーマンの「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2013」 大賞(リーダー部門)を受賞。著書に『町工場の娘』(日経BP)、『ザ・町工場』(日経BP)があり、NHKでテレビドラマ化された。2021年には、岸田内閣「新しい資本主義実現本部」の有識者に選ばれ、日本郵政の社外取締役も務める。http://www.daiyaseiki.co.jp/profile/

撮影/黒石あみ 取材・文/戸田梨恵

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