健康・医療

冬に悩ましい「夜の頻尿」問題 原因と日常生活でできる対策はある?医学博士に聞く

トイレイメージ
冬に多い「夜間頻尿」について専門家が解説(Ph/photoAC)
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冬になるとトイレに行く回数が増えて困ってしまう…。そんな経験はありませんか? 特に尿意で目覚める「夜間頻尿」は睡眠を妨げて、日中の生活に悪い影響を出しかねません。「疲労の蓄積は高血圧や心臓疾患、うつ病などのメンタル疾患の引き金になる可能性さえあります」と話す、医学博士で健康科学アドバイザーの福田千晶さんに、冬の頻尿の原因と解決策について聞きました。

冬になると頻尿になりやすくなる原因

尿意が近い、排尿の回数が多い症状を頻尿といいますが、定義はあるのでしょうか。

「1日の排尿回数は年齢や健康状態によって異なるので目安になりますが、一般的に1日に5~7回くらいで、8回以上は“頻尿”とされています。また、40歳以上の男女約4500万人が、夜間に1回以上排尿のために目覚める“夜間頻尿”の症状があるといわれています」(福田さん・以下同)

トイレに行くイメージ
40歳以上の男女約4500万人に夜間頻尿の症状が!(Ph/photoAC)
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寒さにより膀胱の筋肉が収縮する場合も

冬になると頻尿になりやすくなる原因は、いくつもあるといいます。

「冬は気温が低く運動量も減るので、汗をかく機会が少なくなります。汗には体内の余分な水分を排出する役割もあるため、汗をかかない分は尿で出す必要がでてきます。また、活動量が少ないということは、体が疲れていないということ。すると眠りが浅くなって、ちょっとした物音や寒さなどで目覚めてしまい、尿意に気づいてトイレに行くケースもあります。そもそも寒さや暑さが厳しい時期は、夜間に目覚めやすい傾向があります。

寒さにより膀胱の筋肉が収縮して、尿を溜める容量が小さくなってしまったり、膀胱が過敏になってしまったりして、尿が充分に溜まる前に尿意を催すことがあります。高齢になると寒さとは関係なく過敏になって同じ現象が起こるので、頻尿になりやすくなります」

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寒さの影響で尿を溜める容量が小さくなってしまう(Ph/photoAC)
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気温が下がると体温を維持するため、体がエネルギーを蓄えようと味の濃いものを欲する傾向があります。それに合わせて水分もたくさん飲んでしまうと、尿量が増えます。夕食は塩分を控えた食事にするのも頻尿の予防になりそうです。

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