新型コロナウイルスの感染拡大とともに、「コロナ離婚」が話題になりました。夫が在宅勤務になることで妻の生活リズムが崩されたり、夫婦で一緒にいる時間が増えて相手の言動が気になったりすることが原因のケースもあるようです。夫がテレワークで家にいてももめない、飽きない夫婦関係について、『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)を上梓した岡野あつこさんに、3つの秘策を教えていただきました。
秘策1:お互いの仕事に興味を持ち、内容を理解しあう
夫婦生活がどんなに長くても、お互いの仕事や家事の内容を100%把握することは不可能です。コロナ禍で夫婦の時間が増えたのなら、お互いを知るいい機会だともいえます。
「リモートワークで夫がパソコンに向かっていたら、どんな仕事ぶりなのかを見るチャンスです。お昼を食べるときなどに“どんな仕事なの?”と聞いてみると、会話が弾んだり、夫の新たな面を発見できたりすることでしょう。
夫が妻の仕事ぶりに興味を持ってくれたらしめたものです。朝からせわしなく動いていることをアピールしましょう。案外、家事の大変さに気づいていない男性も多いものです。こうしてお互いがしていることに興味を持って、理解し合えると夫婦関係はよくなります」(岡野さん・以下同)
夫への“プレゼンテーション”を意識する
岡野さんは、在宅ワークになった夫が「おまえは昼間、こんなにだらけているのか!」と怒り、離婚を迫られている妻から相談を受けたことがあると言います。
「買い出し前に、妻が献立を考えるためにぼんやりしていたり、スマートフォンを使って安売りの情報を集めていたとしても、夫は遊んでいるように見えるかもしれません。家事は大変なのだから、のんびりする時間も必要なのですが、発想を転換して、夫がいる間は“プレゼンテーションタイム”にしてもいいかもしれません」
岡野さんは会社員時代、誰もしない網戸まで洗って、社長が外出先から戻ってくるまで、あえて干しっぱなしにしていたそうです。すると「こんなところまで掃除をしたんだ」と気づいてもらえます。
「早朝に床掃除をしたときは、机の下のスリッパをわざとずらすなど、仕事ぶりに気づいてもらう工夫をしました。おかげで私は、その会社で唯一ボーナスをもらった女性だと語り草になりました(笑い)。家事も同じで、夫に知ってもらわないと損ですよ。
買い物に行って帰りが遅いと夫が言うのなら、タイムセールに合わせて足を伸ばしていたのよと、一緒に買い物をして行動を理解してもらう。テレビを見ているのだって、料理の研究をしているかもしれませんよね。お互いにやるべきことをしているのだと知ることで、労ったり評価したりできるわけです」
秘策2:プライベートな時間を確保する
定年後の夫婦にも言えることですが、四六時中顔を合わせていては息が詰まります。たとえば夫が在宅ワークになる前は夕食だけしっかり作り、朝食や昼食は簡単にすませていた妻も、夫のために3食とも手を抜けず、しかも何度も「コーヒーを入れてくれよ」なんて声をかけられようものなら、イラッとして当然です。
「いくら仲のいい夫婦でも距離感は大切です。“夫が家で仕事をしているから出かけられないの”と言う妻の話を聞きますが、夫に合わせてばかりではストレスになります。お友達とカフェに行っても、習い事をしてもいいんです。自分が楽しめる時間を作ってこそ、家で夫にも笑顔を向けられるのです。
快く家から送り出してくれる夫であれば、“帰ったらおいしい夕食を作ってあげよう”というモチベーションにもなります。よい夫婦生活にはメリハリが大切です」