
神戸空港を利用したことはありますか? 実は「知らないと損する便利でお得な空港」だと旅行ジャーナリストの村田和子さんは言います。今回は、そんな神戸空港の魅力や具体的な旅プランを紹介します。
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関西には、関西国際空港、大阪国際空港(伊丹空港)、そして神戸空港の3つの空港があります。数年前より関西を拠点に活動を始めて驚いたのが、「神戸空港が便利でお得!」だということ。関西に住む人の出発空港としてはもちろん、各地から神戸・大阪・京都など関西方面へ旅する際にも、利用しない手はありません。今回は、私のおすすめの神戸空港の魅力や、神戸空港発のおすすめ旅として青森県にフォーカスします。

テンションが上がる神戸空港!実は大阪も近く、コンパクトだからこそのメリットも
神戸空港の一番のメリットは、利便性です。「神戸空港駅」と神戸の中心地であり京阪神へのアクセスの拠点となる「三ノ宮駅」間は、ポートライナーでわずか17分。神戸空港と鉄道の駅は直結しており、駅の改札を出たら1分とかからずに空港の出発カウンターへ到着します。
さらに、JR三ノ宮駅から新快速に乗れば大阪駅までは約20分、京都駅までは同じく新快速で約50分。JR三ノ宮駅から西に向かえば世界遺産姫路城がある姫路駅まで約40分と、神戸空港は関西観光の窓口として非常に便利です。
神戸の街はコンパクトながら、異人館や南京町などの多様な文化があり、おいしいものもたくさん! 港町の景色や六甲山の眺めなど、魅力がぎゅっと詰まっています。大阪・京都にプラスして神戸に滞在すれば、旅の楽しみも倍増しますよ。


神戸空港は海に浮かぶ埋め立て地で、空港の展望デッキやアクセスで乗車するポートライナーからの眺めは最高! 海、そして山々を借景とした神戸の街並みは素晴らしく、旅のテンションも上がります。空港はコンパクトながらも必要な施設は完備し、神戸らしい飲食店もあり、お土産も豊富に揃います。

中でも2022年9月30日(金)には、ミニチュア写真家・見立て作家、田中達也氏の常設ミュージアム「MINIATURE LIFE × KOBE AIRPORT」がオープン。なんと観覧は無料で田中達也氏の見立ての世界観で再現された神戸の街の風景や、飛行機をテーマにした作品など、世代を問わず楽しむことができます。空港利用時にはもちろんのこと、ミュージアムと景色を目当てに神戸空港へ遊びに来るのもおすすめです。


■神戸空港 https://www.kairport.co.jp/
■MINIATURE LIFE × KOBE AIRPORT https://www.kairport.co.jp/miniaturelife/
LCCに抵抗がある人はハイブリッドエアライン! スカイマークやFDA(フジドリームエアラインズ)などが就航
神戸空港に就航しているエアラインは、ANA、スカイマーク、ソラシドエア、エアドゥ、そしてFDA(フジドリームエアラインズ)の5社で(2023年1月現在)、快適性とコストのバランスが優れたミドル・コスト・キャリア(MCC)、あるいは海外ではハイブリッドエアライン呼ばれる航空会社が多く就航しています。
ロー・コスト・キャリア(LCC)は、安いものの搭乗〆時間が早い、預入荷物や座席指定料金が有料、機内持込み荷物の重量制限がある、座席が狭い等々、大人の女性の中には利用に抵抗がある方もいらっしゃいます。その点MCCは、JALやANAなどレガシーキャリアと同様のサービスと使い勝手で、しかも値段が手ごろ。バランスがいいのが魅力です。
■神戸空港発着便一覧:https://www.kairport.co.jp/flight/index.php

東京~神戸は8000円台も! 羽田、沖縄、札幌など王道の旅先へはスカイマーク
羽田、沖縄、札幌など王道へはスカイマークが運航しています。私が出張でよく利用するのが、スカイマークの「たす得」という料金プラン。搭乗前日まで予約が可能で、便ごとの空席予測数に応じて運賃額が変動します。例えば、神戸~東京羽田なら8500円から。新幹線と比較しても格段に安いのです。神戸~沖縄那覇も7300円から設定があります(需給バランで価格は変動します)。
しかもチケットの有効期限は365日で、期限内なら便の変更も可能というのが「たす得」のすごいところ(※差額が出る場合は返金、もしくは追加徴収となります)。急な予定変更にも対応できて、この値段は他ではなかなかありません。
機内サービスも充実しており、私が楽しみにしている機内誌は、昨春からスカイマーク社内で自社制作をしているとのこと。ぜひ搭乗したらチェックしてみてくださいね。
神戸空港からの就航は、札幌(新千歳)・羽田(第1旅客ターミナル)・那覇のほか、仙台・茨城・長崎・鹿児島・宮古(下地島)。
■スカイマーク https://skymark.co.jp/ja/




FDA(フジドリームエアラインズ)はユニークな地域へ就航。誕生日は旅へ出よう
神戸空港でもうひとつ注目なのが、FDA(フジドリームエアラインズ)。就航地は、青森、花巻、松本、新潟、高知とユニーク。うまく活用することで遠いと思っていた旅先が、ぐっと身近に感じられます。


例えば、長野県の松本は四方を山々に囲まれ自然豊かで、音楽と喫茶店が多い地。国宝松本城など見どころも多いのですが、東京からのアクセスはJRの特急あずさで新宿駅から2時間半以上かかります。対して、神戸空港からFDAなら1時間で到着し価格も片道1万円ほど。地理的には離れていますが、むしろ関西からの方が松本へのアクセスはいいといえるかもしれません。


またFDAは、誕生月に利用できるバースデー割があります。出発3日前までの手配で、同行者を含めて6名まで割引対象。価格は行き先によって異なりますが、片道6000円~9000円ほどです。
■FDA(フジドリームエアラインズ)https://www.fujidream.co.jp/
例えばFDAで青森へ!1時間半のフライトでりんごが浮かぶ雪見温泉に大間のまぐろを堪能
最後に、FDAを使ったおすすめの旅先、青森を紹介します。神戸空港から1時間半のフライトで到着し、青森空港から青森市の中心地まではリムジンバスで35分。
青森駅近隣には、徒歩圏内にねぶたの家「ワ・ラッセ」、展望室や360度シアターが楽しめる「アスパム」、青函連絡船メモリアルシップ「八甲田丸」、青森のお土産屋レストランが入るA-FACTORYなど見どころも多くあり、ふらっとお出かけするのにももってこいです。


公共交通機関はありませんが、「あおもり犬(奈良美智作)」で有名な青森県立美術館、三内丸山遺跡へも空港からは車で20分ほどです。■青森県観光協会 https://aomori-tourism.com/
青森空港からは、弘前方面へもリムジンバスが発着しています。所要時間は約50分。春には桜のトンネルが美しい弘前城、街中にはレトロ建築も多く女性におすすめです。今のシーズンなら、雪見の温泉を楽しむのはいかが? 弘前駅からJR奥羽線で約10分の大鰐温泉にあるにある「界 津軽」は、湯治場として栄えた良質な温泉と津軽の文化、青森の食を楽しめます。

昨秋には露天風呂もオープン。かまくらをイメージして作ったという「かまくら露天風呂」は、湯船の先に水庭が広がり、雪景色の中には「津軽こぎん刺しデザイン」の灯篭が。毎年9月初旬頃~5月初旬頃までは、内風呂・露天風呂ともに地元の名産「りんご」が浮かび、甘い香りに包まれます。


秋冬の特別会席「大間のまぐろづくし」は、すべての料理に大間のマグロが使われており、満足度は120%。青森は地酒が美味で、青森の食文化を味わい尽くせます。

ご当地楽として、毎晩、加山又造氏による津軽の風景を描いた壁面をバックに津軽三味線の演奏もあり迫力満点! 鑑賞後には津軽三味線の体験にも挑戦ができるなど、寒い冬も館内で青森県や津軽の魅力に触れ、旅先を楽しめます。

観光素材が多い青森県。地図で見ると関西からは遠いですが、飛行機ならあっという間です。神戸空港と青森空港を結ぶ便は1日1往復のみですので、離発着時間を確認して旅計画をしてみてくださいね。
■界 津軽 https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaitsugaru/
◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年より7年間、NHKラジオ『Nらじ』月一レギュラーを
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