60代以降も「たんぱく質ファースト」で
60歳くらいになってくると、そばやうどんなど、さっぱりした食事になりがちです。しかし、それではたんぱく質が不足してしまうと森さんは指摘します。
たんぱく質不足が招く健康問題
「たんぱく質が不足すると、筋肉量の減少、内蔵たんぱくの減少、免疫機能の障害など、体全体の機能が低下してしまい、老けやすく、疲れやすい、病気になりやすい体になってしまいます」
60代に入ったら、今まで以上に肉や魚を食べて、たんぱく質の摂取に努める必要があるといいます。
50代とは異なる目的で
「『たんぱく質ファースト』の目的は、50代と60代では異なります。60代はあくまでもたんぱく質の摂取量をあげることが目的です。
年齢が上がってくると、ごはんなど炭水化物から先に食べ始めると、それだけでお腹がいっぱいになってしまい、たんぱく質の量がどうしても減ってしまいます。肉や魚などのおかずから食べれば、自ずとたんぱく質の摂取量が増えて、炭水化物の取り過ぎも防げるはずです」
いくつになっても健康でいるために、たんぱく質の摂取を意識した食生活を心がけましょう。
◆教えてくれたのは:管理栄養士、日本抗加齢医学会指導士・森由香子さん
東京農業大学卒業、大妻女子大学大学院修士課程修了。医療機関での栄養指導、食事記録の栄養分析、ダイエット指導、フレンチの三國清三シェフとともに病院食や院内レストラン「ミクニマンスール」のメニュー開発、料理本の制作などを経験。抗加齢医学会指導士の立場からは〈食事からのアンチエイジング〉を提唱し、独自の食事法の普及に努めている。著書多数。2023年1月、『一生、元気でいたければ 50歳からは「食べやせ」をはじめなさい』(青春出版社)を出版。https://moriyukako.com/