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1年で24kg減量した専門家が解説「低糖質ダイエット」と「低脂質ダイエット」のメリットとデメリット、注意点

サラダ
「低糖質ダイエット」と「低脂質ダイエット」のメリットとデメリット、注意点とは?(Ph/イメージマート)
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流行っているダイエット法だとしても、それが自分に合っているかどうかを見極めてから取り組んだほうが効率的で、体への負担も軽減できます。今回は、体重78kgから1年間で24kgのダイエットに成功、その後、トータルダイエットカウンセラーとして活動し現在ヘルスフードサイエンス研究家として活動中の大西ひとみさんに、最近注目されている「低糖質ダイエット」と「低脂質ダイエット」について教えてもらいました。

24㎏減量に成功した大西ひとみさん
24kg減量に成功した大西ひとみさん
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「低糖質ダイエット」と「低脂質ダイエット」は、相反するダイエット法として、「どっちがいいのか?」という点で注目されることも多いです。今回は、この2つのダイエット法のメリットとデメリット、注意点をご紹介します。どちらがより自身の体質、性格やライフスタイルに合ったダイエット方法なのかを知るヒントにしていただけたらと思います。

低糖質ダイエットの3つのメリット

まず、低糖質ダイエットのメリットは大きく3つあると考えています。

【1】短期的に結果が出しやすい

1つ目は短期的に結果が出しやすいところにあります。糖質摂取の少ない食事(ゆるいロカボダイエットではなく、一般的な低糖質ダイエットは糖質の摂取カロリーを総摂取カロリーの5~10%以下に抑えるものと言われています)は、糖質による水分吸収量が劇的に減ることにより、体外に水分が排出され短期間で体重が落ちると言われています。

【2】食事管理が低脂質ダイエットに比べて簡単

2つ目は、食事管理が低脂質ダイエットに比べて簡単な点です。後ほど注意点でお話ししたいと思いますが、基本的には糖質の摂取量を減らし、脂質を多く取ることを意識すれば食事のタイミングなどを気にせず食事制限をすることができます。

【3】低脂質ダイエットに比べるとお腹が空きにくい

3つ目は低脂質ダイエットに比べるとお腹が空きにくいということです。糖質は消化するのに時間がかかるので空腹感を覚えるまでに時間がかかるからです。

低糖質ダイエットのデメリット

低糖質ダイエットのデメリットは、リバウンドしやすいことです。一時的に体重が減っても、糖質が体内で少なくなってくると、体内で糖新生という作用が高まります。糖新生とは筋肉をアミノ酸に分解することで、筋肉量が減ってしまい“やせにくい体”になってしまうのです。

サラダを食べる女性
野菜ばかりで糖がたりてないと筋肉量が減ってしまい“やせにくい体”に(Ph/イメージマート)
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また、長期的に続けると結果が出にくくなります。私自身もそうでしたが、一般的に半年ほど続けていると体重の変化がないプラトーに入ってしまうことが多いです。

低糖質ダイエットの注意点

低糖質ダイエットでやりがちな食事は、たんぱく質の摂取量を増やし、脂質の摂取量が足りていないケースです。低糖質ダイエットはインスリンの分泌をできるだけ少なくすることが鍵になるのですが、たんぱく質を摂取すると、糖質ほどではないですがインスリンが分泌されます。

低脂質ダイエットは総摂取カロリーに対して脂質の摂取カロリーの割合が最も大きくするようにしなければなりません。総摂取カロリーに対して、糖質が5〜10%以下、たんぱく質が30%前後、脂質が60%前後を意識して摂取することがポイントです。ちなみに、糖質とたんぱく質は1g、4kcal、脂質は1g、9kcalあります。

低脂質ダイエットのメリット

ダイエットにおいてカロリー摂取量を考えることはとても重要なポイントになりますが、低脂質ダイエットのメリットは、脂質摂取を極端に減らすので、低糖質ダイエットに比べて総摂取カロリーを減らしやすいことです。体重コントロールは、摂取カロリーと消費カロリーのバランスがポイントになりますから、イメージしやすいですよね。

ダイエットイメージ
低脂質ダイエットのメリット、デメリットは?(Ph/photoAC)
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低脂質ダイエットのデメリット

一方、低脂質ダイエットは脂質量を減らすことから空腹感に駆られやすいため、結果として食べすぎてしまいカロリーオーバーになってしまうケースが多く見られます。そのため、低糖質ダイエットと比べて、食事内容(糖質の種類など)や食事するタイミングなどを考えなければならないため手間がかかります。

低脂質ダイエットの注意点

低脂質ダイエットは、脂質摂取が少ない分、血糖値をできるだけ上げないような食材選びをすることが重要です。つまり、どんな炭水化物を摂取するか――。同じ炭水化物でも消化に時間のかかるもの、そうでないものがあり、これは空腹感を覚える時間の長さにも関係してきます。

野菜と鮭
肉や魚でも、できるだけ脂質が少ないものを選んで(Ph/イメージマート)
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また、たんぱく質類を摂取する際、肉や魚でも、できるだけ脂質が少ないものを選びましょう。脂質は総摂取カロリーの10%前後にするのがおすすめです。また、脂質を完全に絶ってしまうと女性ホルモンなどの作用で体に不調が出てしまう可能性があるため注意しましょう。

低糖質ダイエットと低脂質ダイエットに向かない人とは?

いかがでしたか。低糖質ダイエットは、リバウンドしやすいため体重を何10kgも一気に落としたい人にはあまり向いていません。また、脂質をたくさん摂取することに抵抗があったり、体質的に胃もたれのような症状が起きやすい人、糖質を過剰に減らすことで集中力が無くなったり重度な脱力感にかかれる人にもあまり向いているダイエットではありません。

一方で、低脂質ダイエットは食材選びや摂取タイミングを考えて実践できない人、食事は外食がほとんど、と言うような生活している人にはあまり向いていません。

どちらのダイエット法でも、大切なのはストレスなく、前向きに実践すること。

もし、それぞれのダイエット法のデメリットばかりを意識しすぎてしまったり、不安や焦りから食事のコントロールができなくなり、過剰に“食べる・食べない”を繰り返してしまうような状態になってしまう場合は、やり方を見直すことが賢明です。

即効性はないものの、バランスの取れた食事を意識し、食べすぎないように気をつけ体重が増えないように根気強く続けるのが結果的にダイエットの近道になることも多いですから。

◆教えてくれたのは:ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん

ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん
ヘルスフードサイエンス研究家・大西ひとみさん
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9年間、米ロサンゼルスでパーソナルトレーナーとして活動後帰国。トータルダイエットカウンセラーとして7冊の本を出版、ダイエット商品・食品の商品開発の監修などをはじめさまざまなメディアで活動。2017年に自身のギルトフリースイーツブランド「h+diet(エイチプラスダイエット)」(https://h-plusdiet.com/)を立ち上げ、現在は東京・武蔵小山で『h+diet laboratory』をオープン。野菜を使い、甘味料・人工甘味料不使用、グルテンフリーの「栄養学から考えるオーガニックスイーツ」を販売、他社の商品監修などに携わるなどヘルスフードサイエンス研究家としても活動。

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