アウター要らずの春到来。そこで、増えてくる一見簡単に思えるトップスからボトムスまでを1つの色で統一したコーデですが、のっぺりとした印象になりがちという問題も。そこで簡単におしゃれ上級者に見えるテクニックをパーソナルスタイリストの杉山律子さんに教えてもらいました。
ワンカラーコーデは細長さが強調されすぎることも
「そもそもワントーンコーデとワンカラーコーデを混同している人がとても多いんです」という杉山さん。その違いをまずはレクチャーしてくれました。
「ワントーンコーデというと、ベージュやグレーなどの地味な色同士を合わせたファッションだと勘違いしている人が多いのですが、赤や緑など色がまったく違っていてもトーンが統一されていればワントーンコーデとなります。
ワンカラーコーデは、その名の通りトップスとボトムスを同じ色で統一したコーデで、グレーのグラデーションだったり、全身黒で統一したり。セットアップなどにも多いですね。
今回のテーマである“間延び”はワンカラーコーデで起きる問題で、全身同色でコーデを組むとメリハリがなくのっぺりとしてしまうことがあります」(杉山さん・以下同)
白いアイテムを投入しメリハリをつけて“間延び”を解消
「セットアップや上下を同色でそろえた場合、白いシャツやTシャツを足して体を横に分断すると、メリハリが生まれて間延び問題が解消されます。
全身黒で寂しい印象のときでも白を加えるとアクセントが付きますし、ぼんやりとしたグレーのコーデにも白を加えると一気にぬけ感が出てバランスがよくなります。白はどんな色にも合わせやすく、足すだけで全身のバランスが整う万能カラーです」
白Tはさりげなく、白シャツはがっつり出してもOK
では、白いシャツはどのように加えればおしゃれに見えるのでしょうか。
「首から白Tシャツを見せる場合は、白い部分が1cm程度チラッと見えるくらいがベストです。ニットの裾から白Tシャツをのぞかせる場合は、白い部分が1~2cm見えるくらいがいい塩梅。Tシャツを合わせる場合は、トップスとのサイズ感が重要なのであらかじめちょうどよいサイズをセットしておくと、いざというときに慌てずにすみますよ。
白いシャツの場合は、がっつり出して大丈夫。シャツは裾がカーブしているデザインが多いので、それなら分量を多く見せてもおしゃれで、きちんと感も保てます。
ただし、背が低い人には向きません。太って見えたり、足が短く見えてしまうこともあるので、裾出しのシャツは2~3cm程度までにしてください」
ワンピースの場合は、白い小物で立体感をプラス
上下が分かれたアイテムなら白いアイテムを挟むことで間延びが解消できますが、ワンピースの場合はどうしたらよいのでしょうか。
「ワンピースの場合は、白いバッグや靴などの小物を投入するとぬけ感が出てバランスがよくなります。または、ロングネックレスを使うのもおすすめです。全身が1色でのっぺりとした空間にロングネックレスを加えて空間を埋めると一気におしゃれ感が出ますよ」
「同色コーデだから簡単」とつい思ってしまいますが、のっぺりとして地味に見えてしまうことも。万能カラーの白いアイテムでアクセントを加えて、春のおしゃれを楽しみましょう!
◆教えてくれたのは:パーソナルスタイリスト・杉山律子さん
一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表。映画や広告、音楽業界など幅広い分野でスタイリストとして活躍後、結婚・出産を経て、2016年よりパーソナルスタイリストとして活動開始。ファッション講座やプロ認定講座を開催。顔立ちや体型、に合わせたスタイルの提案に定評がある。新著に『シンプルにはじめる 大人の着こなし入門 プロが教えるセオリー&アイデア』(翔泳社)が発売されたばかり。https://ameblo.jp/stylejiyugaoka719
取材・文/青山貴子