健康・医療

実は「春は快眠しづらい」、医師が語るその理由と”薬に頼らず”睡眠の質を上げる方法

運動や入浴も「いい睡眠」には欠かせない

運動をするのも、質のいい睡眠には不可欠です。

「どんなに眠れない人でも、体を動かして疲れたら熟睡できます。人はエネルギーを使いすぎると免疫力が下がって体が危険信号を出すので、回復するために眠るようにできているのです。眠れないと相談に来る患者さんに、昼間はなにをしているのか尋ねると“ぼうっとしてます”と回答されることは少なくありません。こういう患者さんは、運動することで睡眠が改善されます。

運動イメージ
適度な疲労が熟睡につながる(Ph/photoAC)
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また、昼間に眠たくなるからと、昼寝をしている場合もあります。どうしても眠たくなった場合は15分以内に抑えることがポイントです。30分以上昼寝をすると、夜の睡眠に関わります」

就寝前に入浴して体を温めることも、快眠につながります。

「湯船に浸かると体力を消耗しますし、ぬるめのお湯なら副交感神経を優位にして、寝つきがよくなります。また、私たちの体は体温が下がるときに眠気を感じるようにできているので、眠る2時間くらい前に入浴するのがベストです」

アルコールを睡眠導入剤代わりにしている人もいるかもしれませんが、お酒は睡眠の質を下げてしまいます。

ホットミルク
就寝前はアルコールはNG。ホットミルクなどの温かい飲み物を(Ph/photoAC)
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「お酒は寝付きはよくなりますが、眠りが浅くなってしまいます。カフェインなどの刺激物を多く含むコーヒーやエナジードリンクはNGです。睡眠前のおすすめの飲み物は、体が温まるホットミルクや、薄味の味噌汁。特に、体を温めながら穏やかな眠りへと導く成分である硫化アリルを含む長ネギを刻んで入れた味噌汁はイチオシで、何人もの患者さんから睡眠薬を取り上げてきました(笑い)」

◆教えてくれたのは:内科医 ・橋本将吉(ドクターハッシー)さん

内科医 ・橋本将吉(ドクターハッシー)さん
内科医 ・橋本将吉(ドクターハッシー)さん
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東京都出身。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「医学教育という専門領域から、日本と世界の明るい未来を創造する」という理念の元、リーフェホールディングス(旧リーフェ)を設立。医学生向けの個別指導塾『医学生道場 』(https://igakuseidojo.com/)の運営や、YouTuber『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』として健康情報の発信。2022年9月に健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』 (https://healthcare-academy.co.jp/)をリリース。2か月で300人を突破。

取材・文/小山内麗香

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