私たちにとって身近な飲み物のひとつ「コーヒー」。どのように摂取したら体によい影響をもたらすことができるのでしょうか? 体重78kgから1年間で24kgのダイエットに成功、その後、トータルダイエットカウンセラーとして活動し現在ヘルスフードサイエンス研究家として活動中の大西ひとみさんに、コーヒーに期待できる美容・ダイエット効果について教えていただきます。
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コーヒーにはデメリットよりメリットが多い?
皆さんは普段からコーヒーをよく飲むでしょうか? また、コーヒーにどんなイメージを持っていますか? 一昔前は、体に悪いとも考えられていましたが、いまは健康や美容、ダイエットにもうれしい効果が期待できることがわかってきています。
コーヒーを飲むデメリットとして、自律神経に悪影響を及ぼす、不眠の原因になる、太りやすくなる、などがよく言われます。確かに摂取方法を間違えると体に負担をかけることもありますが、それはどんな食べ物・飲み物でもいえること。自分の体質に合わせて摂取すれば、コーヒーはデメリットよりメリットのほうが多い飲み物と考えます。
今回は、コーヒーが「体に悪い」とされている理由とともに、逆にコーヒーの「体に良い」面とその活用法を解説していきましょう。
カフェイン感受性は人によって異なる、摂取量を見極める
まず、自律神経に悪影響を及ぼしたり、不眠になりやすくなったりする原因の1つに、カフェインがあげられます。私たちは遺伝的にカフェインに強い人とカフェインに弱い人がいて、体質に合わない量を摂取していることでそのような症状が起きていると考えられます。
カフェインの感受性は人それぞれです。3段階に分けることができ、最もカフェインに敏感な高カフェイン感受性から順に、中カフェイン感受性、低カフェイン感受性となります。高カフェイン感受性の人は1日にコーヒー100mg(コーヒー1〜1.5杯分程度)でも不眠や焦りなどの症状が出ると言われています。
中カフェイン感受性の人は1日200〜400mg(コーヒー2〜3杯分程度)なら副作用が起きづらく、多くの人がこの中カフェイン感受性に分類されるようです。そして、低カフェイン感受性の人は肝臓でのカフェインの代謝が早く、大量に摂取しても体への影響が起きにくいと言われています。
自分のカフェイン感受性に応じてコーヒーを摂取すれば、コーヒーの健康、美容、ダイエット効果を得られやすいとされています。
カフェインはうまく摂取することでメリットとして活用できる
カフェインを摂取することによって分泌されるドーパミンやグルタミン酸には、覚醒作用があるだけでなく、集中力アップ、筋肉の分解抑制、消化管機能のサポート、免疫力向上、傷の修復などを助ける効果もあるので、うまく摂取することでメリットとして享受することができます。
コーヒーを飲むと眠れなくなる、という人は午後からは摂取しないようにすることが健全です。カフェインは摂取してから半減し始めるまで5時間ほどでかかるので、摂取した時間帯によっては、就寝時に体内に残っていて眠りづらくなることがあります。睡眠不足は万病のもと。体によかれと思って摂取したカフェインが体にネガティブに作用するなら、そもそも摂取しないほうがいい、ということになってしまいます。