「エンディングノート」の用意はしていますか? 50代なら「まだ早い」と思っている人が多いと思いますが、「早くから記しておくことで、自身の生き方の指針にもなる」と、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは話します。そこで、いざというときに困らないように、エンディングノートにはどんなことを書くといいのか、教えてもらいました。
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意思表示ができなくなったときのためのエンディングノート
エンディングノートとは、自分が病気などで意思の疎通ができない状態になったときや亡くなったときのために、介護や葬儀の希望、財産・資産の詳細、遺言書の有無などを記し、遺された家族が困らないように用意しておくものです。
エンディングノートで家族の負担を軽減
例えば、介護や延命治療の有無などの希望を記載しておけば、意思表示ができなくても、家族や看護者、介護者が本人の希望を踏まえて医療や介護のプランを立てることができます。
また資産の情報があれば、医療や介護、葬儀などの費用をどこからどのように出せば良いのかも検討できるため、身内の精神的、金銭的な負担も減らすことができます。
元気なときに希望や手配についてまとめておく
そういった希望は認知がしっかりしているときにしか残せないものなので、元気なうちにまとめておく必要があるのです。お墓や葬儀会社などについても、手配はしているのか、その場合は支払いも完了しているのかどうかというところまで、しっかり記載しておきましょう。
整理の優先順位はお金
エンディングノートを書き出す際、重要度としてはお金の整理が最優先。お金についての整理や検討をしたあと、そのほかの希望や記載をしましょう。
財産・資産だけでなく負債も記載を
銀行口座や証券口座などの金融資産の情報、登記簿謄本・権利証など不動産についての記載や書類の保管場所、生命保険・年金保険などの保険証書・年金手帳の所在といったものがお金に関する記載になります。
ローンや借入金といった負債も相続財産となるので、あとから家族が見つけて困らないように、必ずエンディングノートに明記しておいてください。
使用していないクレジットカードや口座は解約しておく
特に財産・資産周りで最低限しておきたいのは口座整理。銀行口座や証券口座の情報があるだけで相続が随分楽になります。また旧姓や旧住所で登録したままになっている口座、使っていないクレジットカードなど、生前のうちに変更や解約の手続きをしておきましょう。これらの手続きは、相続人がするよりも、本人がする方が圧倒的にスムーズにできます。
とくに合併する前の銀行の口座など、現在は使っていない口座を見落としがちです。あとから他の口座が出てきた場合、その部分に対して改めて相続をすることになりかねないので、忘れずにすべてを整理しておきましょう。