
早起きトレーナーで『週末朝活』(三笠書房)の著者、池田千恵さんが考える朝活とは、「日常がスタートする前の30分〜1時間を自分のために使う」というもの。池田さんがとくに推奨する「週末朝活」は、週に一度、地球のリズムに合わせて自分の身体をリセットする時間としても有効だそうです。どういうことでしょうか。
体内時計を「地球のリズム」に
池田さんによると、「地球のリズムに合わせる」とは、自分の体内時計を地球の自転サイクルである24時間にリセットすることを意味します。
体内時計は約25時間
「以前、臨床ゲノム医療学会ゲノムドクター認証医である中山孔壹先生の講演会を聞く機会がありました。福島県いわき市で歯科医院を経営する中山先生は、人間の遺伝子情報、統合医療などを研究されており、東日本大震災の被災地の『心の復興』にも奔走されている方です。
先生によると、人間の体内時計は、実は24時間ではなく約25時間なのだそうです。太陽光が目から入るタイミングで、網膜・視交叉上核・松果体というところを同調させ、地球の自転サイクルである24時間に、私たちは毎朝調整し直しているのです」(池田さん・以下同)
太陽の光でリセットできる
体内時計をリセットするには、朝、しっかり太陽の光を浴びることが重要です。

「人間の体温が1日で最低になるといわれる、朝の数時間が、朝日を浴びて体内時計を合わせる一番のチャンス。
そこできちんとリセットできれば、睡眠・覚醒・血圧、体温をふくむ、身体全体の恒常性(ホメオスタシス)のリズムが正しく働き始め、心と体のバランスが整います。これは、自律神経の調整をうながし、免疫力を向上させ、健康へとつながることになります」
早朝の日光浴が心身を整える
そう語る池田さんには、天気がいい早朝に必ず行う日光浴の方法があるといいます。
自分の身体を「太陽電池」に
「私が儀式のように続ける習慣で、『太陽電池エネルギーチャージ法』と名付けています。まず早起きをし、外に出て、朝日に向かって立ちます。川のほとりやベランダなど、見晴らしの良いところだとさらに効果的です。
そして目を閉じて、自分があたかも太陽電池になったように、足先から徐々に太陽エネルギーが、ぐんぐんと身体に入ってくるようなイメージをします。頭のてっぺんまで太陽のエネルギーが身体に充てんされた、と感じたら終了です」
池田さん自身は「気持ちがいいので自然とやっていた」ことですが、その後、専門家や医師の話を聞くうちに、心身の安定に効果的だと確かめられたそうです。

効果は科学的にも証明済み
「医師や専門家の話によると、早起きして網膜に早く光を当てると、心身の安定や安らぎに寄与する『セロトニン』が分泌されることは科学的に証明されているそうです。
朝、セロトニンをしっかり分泌させると、自然な眠りを誘うメラトニンが多く分泌され、良質な睡眠をとることができるので、規則正しい生活を送ることができます」
早起きをすることで、しっかり朝食を摂る時間が作れ、トイレにもゆっくり入ることもできます。それらが習慣化していくことで、身体のリズムが整うようになると池田さんは言います。
週に一度、土曜日の朝だけでも、太陽光をたっぷり浴びて、週末を思いっきり楽しむためのエネルギーを充電する意義は大きいと言えそうです。
◆教えてくれたのは:早起きトレーナー・池田千恵さん

株式会社朝6時代表取締役。国家資格キャリアコンサルタント。2009年に上梓した『「朝4時起き」で、すべてがうまく回り出す!』がベストセラーとなり、「朝活の第一人者」と呼ばれるように。プロデュースを手がける『朝活手帳』は13年連続刊行中。朝1時間の業務改革による生産性向上、働き方改革のための手法を企業に指導するほか、一人ひとりのライフスタイル・目的に応じた朝活の形を提案している。2023年4月、『週末朝活』(三笠書房)を出版。https://ikedachie.com/