果物は太るのか、太らないのか、そんな話題をよく耳にしませんか? 今回は、体重78kgから1年間で24kgのダイエットに成功、その後、トータルダイエットカウンセラーとして活動し現在ヘルスフードサイエンス研究家として活動中の大西ひとみさんに、ダイエットをする上で知っておきたいフルーツの特性や、おすすめのフルーツを教えていただきます。
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忘れないで! 果物はちゃんとした「糖質」
太りやすい果物もあれば、そうでないものもありますが、結論から言うと、果物は食べすぎれば太ります。
果物を食べすぎると太ると言われる理由は、ほとんどの果物は果糖とブドウ糖という糖で構成されているから。果物によって果糖が多い果物、ブドウ糖が多い果物がありますが、「砂糖」はこの果糖1分子・ブドウ糖1分子が結合してできたものです。果物によってブドウ糖と果糖の分子の数が違うので、果物と砂糖は栄養学的に同じではないのですが、「糖質」であることに変わりはありません。
果糖とブドウ糖はそれぞれ摂取による身体の反応が異なり、ブドウ糖は小腸から吸収され、すぐに血糖値を上昇させ、即座に体内エネルギー源になります。果糖はほとんどが肝臓で代謝され、血糖値をあまり上げないのでインスリンをほとんど必要としません。どちらも摂取し過ぎると脂肪として体内に蓄積されます。
これだけ、聞いていると果糖のほうが血糖値を上げにくいので、ブドウ糖よりダイエットにはよさそうに思えます。ですが、インスリンは満腹中枢を刺激する作用があるので、インスリンをあまり必要としない果糖は、ブドウ糖に比べ満腹感を得にくいことから食べ過ぎにつながってしまうという懸念点があります。
冒頭でもお伝えした通り果物は糖質であることには変わりなく、果糖が多く含まれる果物を摂取すると、食べ過ぎにつながりやすく、その結果、脂肪が蓄積され脂肪肝になるリスクを高めてしまうのです。
果物とスイーツ、ダイエット的にはどっちを選ぶのがいい?
一方で、果物には、果糖とブドウ糖だけでなく、食物繊維やさまざまなビタミン、ミネラルなどの栄養素を含んでいます。たとえばビタミンやミネラルの働きはエネルギー代謝に欠かせませんし、食物繊維は、消化・吸収されることなく糖質の吸収を緩やかにして、脂肪やコレステロールの吸収を抑え、満腹感も得られやすいことから、食べ過ぎを防止してくれます。
ですから、スナック菓子やケーキやクッキーなどに比べると、果物は“太らない食べ物”ですし、身体によいと考えられます。比較対象をスイーツに向けると、同じ甘いものを食べるのであれば果物のほうが栄養素的にもカロリー的にもよい選択になります。その意味では、適量をとるのであれば「果物は太らない」という面もあると考えられます。