仕事につまずく人はプライドがあり過ぎる
職場の上司は年下が多いので、私のほうが経験豊富です。職場で気になることがあれば「私なら、こういうやり方をしますが、いかがでしょう?」と提案もします。でも私には決定権がないから、提案を拒まれても構いません。上司が「うーーーん」と渋れば、「はい、わかりました」で、おしまい。仕事につまずく人たちはプライドがあり過ぎます。ただの会社員で、社長じゃないんだから、プライドがありすぎる人は、さっさと会社を辞めればいい。
私ぐらいの年齢で「仕事がない、仕事がない」という人もいますが、彼らは、それまでと同じポジションに就こうとするから仕事が見つからない。60代までの経験があって、新入社員の気持ちで働くなら、会社にとって超お得だと思いませんか?
次は空港の警備員をやりたい
最近、私も体力が落ちているなと感じることが増えました。いま社内で私がよく話すのは警備員と、会社に備え付けのお菓子を補充に来る人たち。警備員って、立ったり歩いたりするからか、ほっそりした体形の人が多いんです。いっそ体を動かすことを仕事にしたら、ジムに通うよりも無駄がないかも、と眺めています。
お菓子の補充をする人も、物を持ちながら立ったり、しゃがんだりするので、ほっそりとしています。彼らに「朝の出勤は何時ですか?」「週に何回働いていますか?」と話しかけてばかりいるので、同僚たちは私を不思議な目で見ています。
次の就職先には羽田空港の警備員も、よいかもしれない。私は英語が話せるし、好奇心旺盛なので、場所を尋ねられても、すぐに答えられる自信があります。
◆薄井シンシアさん
1959年、フィリピンの華僑の家に生まれる。結婚後、30歳で出産し、専業主婦に。47歳で再就職。娘が通う高校のカフェテリアで仕事を始め、日本に帰国後は、時給1300円の電話受付の仕事を経てANAインターコンチネンタルホテル東京に入社。3年で営業開発担当副支配人になり、シャングリ・ラ 東京に転職。2018年、日本コカ・コーラに入社し、オリンピックホスピタリティー担当に就任するも五輪延期により失職。2021年5月から2022年7月までLOF Hotel Management 日本法人社長を務める。2022年11月、外資系IT企業に入社し、イベントマネジャーとして活躍中。近著に『人生は、もっと、自分で決めていい』(日経BP)。@UsuiCynthia
●薄井シンシアさん、時給1300円の電話受付をしていた私が“誰もやりたがらない仕事”から“ベストセラー商品”を生み出すまで
●薄井シンシアさんが語る自宅で効率的に働く方法「オフィスと同じ服、化粧」「机もPCも携帯も仕事と分ける」
撮影/黒石あみ 構成/藤森かもめ