
大人女性に人気のショートヘア。ボリュームを出しやすかったり、知的に見えたり色っぽく見えたりといいことだらけ。ただし、「ちょっとしたデザインの違いで、ショートヘアは男性のように見えてしまうことも」と言うのは、年齢による髪悩みを解決するさまざまなテクニックを紹介している『女の年齢は髪で決まる』(扶桑社)を共著で出版し、4万人の髪の悩みに答えてきた“髪のスペシャリスト”のヘアライター・佐藤友美(さとゆみ)さんと、人気ヘアサロン「MINX」のトップ美容師であるヘアスタイリスト・八木花子さん。2人に“大人の色っぽいショートヘア”にするための秘策を聞きました。
ボーイッシュではなく大人の色っぽいショートヘアに
ショートは切り方ひとつでずいぶん印象が変わる髪型。もっと上品に、色っぽく見せたいという人のために、「ここだけは外さないで!」というオーダーのポイントとは?

さとゆみさん:ボーイッシュになるのかフェミニンになるのか、その分かれ道になるのが表面の髪の長さですよね。
八木さん:専門用語では「レイヤー(段)を入れる」と言いますが、レイヤーを入れるほど、カジュアルでボーイッシュな印象になります。
さとゆみさん:色っぽく見せたい場合はレイヤーを控えめにして、表面の髪を長く残せばいいのですね。

八木さん:美容師さんには「表面の髪は長めに残してツヤを出したい」と言えば、伝わります。
さとゆみさん:後頭部も大事! 後頭部にふんわり丸みがあると、上品で知的な雰囲気に見えます。

八木さん:カットで丸みを出すこともできるのですが、部分パーマをかけるのもおすすめですよ。また、えり足が刈り上がっていると、スポーティーな印象になるので、上品に見せるならえり足の毛は長めに残して首に沿わせて。

さとゆみさん:ショートヘアは、横顔や後ろ姿も大事なので、オーダーするときは、ヘアカタログのサイドやバックの写真も見せたほうがいいですね。
八木さん:前髪は好みによると思うのですが、センター分けよりナナメに流したほうが、曲線的なラインが出てやわらかい印象になります。

ショートヘアでは耳がカギ!耳かけを制するものがヘアを制する
耳かけは、もはや「アレンジ」と言って差し支えないレベルの、イメージチェンジテクニックのひとつ。とくにショートヘアやボブスタイルの場合は、耳が出ているかどうかで、印象が激変します。


「今の髪型に飽きてきた」「今日は少し雰囲気を変えたい」。そんなときにおすすめです。
さとゆみさん:耳かけヘアって、両サイドを耳かけするのか、片方だけ耳かけするのかによって、だいぶ印象が違いますよね。
八木さん:両方耳かけすると、すっきりした印象に。片方だけだと、アシンメトリーのスタイルになるので、オシャレ感が高まりますよね!
さとゆみさん:ショートやボブはアレンジのバリエーションが少ないと思っている人には、「耳かけ×ピアスorイヤリング」で遊びを入れるのもいい! 両耳かけなら小さめのピアスで、片耳かけなら中くらいのピアスを選ぶとバランスよく見えます。


八木さん:髪を耳にかけて落ちてきてしまう人は耳後ろに隠しピンをさすといいですよ。
さとゆみさん:夏などは、ピンをさして耳をしっかり出すと、すっきり見えて清潔感もアップしますね。
八木さん:もうひとつおすすめなのが、内側の毛だけを耳にかける方法です。

さとゆみさん:ヘアカタログの撮影でよくやるテクですね。
八木さん:内側の毛だけ耳にかけると、耳は全開にならないのですが、サイドにふんわり立体感が出てバランスのいい髪型になるんです。試してみてください。
◆ヘアライター&エディター・佐藤友美(さとゆみ)さん&ヘアスタイリスト・八木花子さん(MINX)

佐藤友美さん/1976年、北海道知床半島生まれ。日本初のヘアライター&エディター。「美容師以上に髪の見せ方を知っている」とプロも認める存在。⻭切れのいい解説で、『あさイチ』(NHK)、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)、『ZIP!』(日本テレビ系)をはじめ、テレビ、ラジオ番組などで活躍。著書にベストセラーとなった『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)、『髪のこと、これで、ぜんぶ。』(かんき出版)などがある。5月、八木花子さんとの共著『女の年齢は髪で決まる』が出版。
八木花子さん/1979年、静岡県藤枝市生まれ。ヘアサロン「MINX ginza」所属。「KAMI CHARISMA」受賞者。手入れが簡単で、個性を引き出すヘアスタイルが得意。悩める大人女性へのアドバイスが適切で、MINXの中でも絶大な人気を誇る。テレビや雑誌など、メディアでも活躍中。
写真/林絋輝