夏野菜のズッキーニは、夏バテ予防や日焼けケアにぴったりな栄養が含まれていると、野菜ソムリエプロの福島玲子さんは話します。暑い季節にうれしいズッキーニの栄養効果と、おすすめのレシピを教えてもらいました。
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夏バテ&日焼け防止に効果的なズッキーニの栄養素
きゅうりに似た見た目のズッキーニですが、きゅうりよりも栄養素が豊富。特に夏に摂りたい栄養素が多く含まれている点に注目です。
カリウムとビタミンB群で夏バテ予防!
ズッキーニは、ミネラルの一種であるカリウムが豊富です。塩分を排出する作用で高血圧を予防やむくみの改善、そのほか筋肉の動きを正常に保つことに役立ちます。
たくさん汗をかく夏の季節は、汗とともにカリウムも失われてしまいます。カリウム不足が夏バテを招くと言われているので、暑さで体がだるいと感じる前に摂りたい栄養素です。
また、ビタミンB1やB2、B6などビタミンB群の栄養素もズッキーニにまんべんなく含まれています。中でもビタミンB1、ビタミンB2もカリウムと同じように、汗とともに排出される水溶性の栄養素です。ビタミンB1、ビタミンB2はエネルギーの素となり、こちらも不足すると夏バテしがちになるので、積極的に摂り入れましょう。
日焼けにも効果あり!油で炒めると吸収率◎
ズッキーニには、β-カロテンも含まれています。これは抗酸化作用のある栄養素で、肌を紫外線から守り、ターンオーバーを促進する作用があるので、日焼けが気になる今の季節にぴったりの栄養素です。
さらに、止血作用や、骨の健康をサポートするビタミンKも含まれています。β-カロテンもビタミンKも脂溶性のビタミンなので、炒め物や肉類と合わせて調理するなど油と一緒に摂ることで吸収量がアップします。
ほかにも、抗酸化作用のあるビタミンE、疲労回復や美肌に役立つビタミンC、腸の動きを整える食物繊維なども含まれます。
「花ズッキーニ」も!野菜ソムリエプロがおいしいレシピを紹介
ズッキーニは油との相性がよく、オリーブオイルで炒めたり揚げたりすると風味が増します。そこで、油を使ったおすすめのレシピと、「花ズッキーニ」の意外な調理法を紹介します。
油と合わせて!ズッキーニの簡単レシピ2選
ズッキーニは素焼きがおいしい野菜。表面を焦げ目がつく程度に熱し、塩・こしょうや焦がししょうゆなどで味付けすれば、シンプルながらジューシーな一品になります。肉や魚をグリルして付け合わせにするのもおすすめです。
輪切りにしてフリッターにするのもおいしいです。フリッターにしたものをめんつゆに漬けて冷菜としていただくのも、夏にぴったりです。
「花ズッキーニ」はフリッター以外も◎おすすめレシピ
黄色の花のついた花ズッキーニはフリッターにするのが定番ですが、変わった料理としては、雌しべや雄しべを取り除いた部分に鶏ミンチを詰めて焼く「花ズッキーニの肉詰め」はいかがでしょうか。
ミンチの中にチーズを入れてもおいしいです。花の中に肉だねを詰めてから花びらを整え、オリーブオイルを引いたフライパンで熱したら完成。見た目も華やかな一品ができ上がります。
ちなみに花ズッキーニには、雄花と雌花があり、雄花は花のみ、雌花は小さな実がついています。花の部分もクセはなく、ズッキーニの風味が楽しめます。花びらは鮮度が命なので、新鮮なうちに調理しましょう。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ