
7月1日は英国のダイアナ元妃の誕生日。もし、生きていたら62歳でした。ダイアナ元妃と会うことは叶わなかったキャサリン皇太子妃ですが、ダイアナ元妃のファッションを思い起こさせるスタイルを数多く取り入れています。今回は、そんなふたりのファッションの“共通点”を探ります。
レッド&ブラックの千鳥格子|ハイブランドでシックに着こなす&「ZARA」のスカートでフェミニンに
イギリス発祥の伝統柄、千鳥格子は日本でも人気のある柄。ふたりはおしゃれに着こなしていました。

1990年12月、ユージェニー王女の洗礼式に出席したダイアナ元妃は、イタリアのブランド「モスキーノ」のスーツを着ていました。スーツは上下ともに千鳥格子で、レッドカラージャケットに、ブラックカラーのスカートという組み合わせ。さらに、ブラックの太めのリボンがついたレッドカラーの帽子を合わせるという、上級者らしいコーディネートでした。

キャサリン皇太子妃もレッドカラーの千鳥格子コーデを披露。2018年1月、スウェーデンを訪問中にカロリンスカ研究所を訪れた際、身に着けたのは千鳥格子のコート。お気に入りのブランド「キャサリン・ウォーカー」のもので、ボルドーカラーの「シャネル」のミニバッグを合わせていました。当時、キャサリン皇太子妃は第3子を妊娠中でしたが、センス抜群のマタニティファッションは話題を呼びました。

このコートを着た5年後、ブラックカラーの千鳥格子のスカートも着ていました。2023年2月、ウィリアム皇太子と一緒にウェールズ航空救急慈善団体を訪れたキャサリン皇太子妃。愛用している「ZARA」のツイードのロングスカートに、ホワイトのコートとタートルネックのインナー、そしてブラックのブーツでモノトーンコーディネートを完成させていました。

同じ千鳥格子でも着こなし方はさまざま。シックな帽子やタイトなスカートなど、大人っぽいダイアナ元妃のコーディネートと対照的に、キャサリン皇太子妃は丈が長いスカートをチョイスし、女性らしい雰囲気に。イギリスの伝統的な柄は、大人なシックなコーデにも、可愛いコーデにもマッチした万能な柄のようです。
Wボタンのテーラードカラーコート|色違いでもそっくりのデザイン!きっちり感を出すコーデに
襟にV字に切れ込みが入ったテーラードカラーのロング丈コートを着ていたふたり。

1982年12月、ロンドンのケニントンにある障害児のための施設「チャーリー・チャップリン・アドベンチャー・プレイグラウンド」を訪問したダイアナ元妃は「キャサリン・ウォーカー」の赤いドレスコートを着ていました。襟、袖の部分、ボタンが黒いバイカラーになっているおしゃれなデザイン。

これとそっくりなデザインをキャサリン皇太子妃が着たのが2022年2月。デンマークを訪問し、メアリー皇太子妃とランチを楽しんだときに着たのはグレーのツイードのドレスコート。ブラックカラーの襟と袖というデザインはダイアナ妃のコートとそっくり。色は異なりますが、プリンセスファッションは時代を超えてリンクしました。

テーラードカラーはシックな印象になり、きっちり感を出したいときにおすすめ。Wボタンは、重厚感を出し、さらにアクセントにもなります。
ホワイトのワンショルダードレス|お気に入りドレスを“そのまま”?リメイク?個性あふれる着こなし
肩と鎖骨をきれいに見せるワンショルダードレスはフォーマルな場にぴったりです。

1985年11月、アメリカのワシントンD.C.の「ナショナル・ギャラリー」で行われたパーティーに出席したダイアナ元妃。日本人デザイナー「ハチ」が手掛けた白いドレスを着ていました。クラッチバッグとシューズをシルバーカラーに統一したコーデでした。

クリスタルビーズがあしらわれたシルクシフォン生地のドレスは、1983年6月に行われた映画『007/オクトパシー』のプレミアでも着ていたもの。

同じ服を着回すことでも知られていたダイアナ元妃ですが、同じパールのアクセサリーを合わせ、同じシルバーカラーの小物をチョイスした、ほぼそのままのコーデでした。しかも、1989年6月13日に行われた映画『007/消されたライセンス』のプレミアでも、アクセサリーは変わっていましたが、過去のコーデと同じスタイルで出席していました。

キャサリン皇太子妃も、着回しの達人として負けていません。2023年2月にロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで開催された英国アカデミー賞(BAFTA)に、ウィリアム皇太子と共に出席。ダイアナ元妃が着ていたデザインと同じ、ホワイトカラーのワンショルダーのドレスを選んでいました。

このとき着ていたのは「アレキサンダー・マックイーン」のエレガントなドレス。歩くと肩から流れるように後ろへなびくマントのようなドレープが優雅さを演出していました。二の腕までカバーする、ブラックカラーのロンググローブと、同色のクラッチバッグが上品さをプラスしています。
このホワイトカラーのドレスは、2019年の英国アカデミー賞の授賞式でも着ていたもので、ドレスはリメイクされていて、肩にはドレープ生地ではなく、花の飾りがついていました。他にもホワイトのミニバッグや、下ろさずまとめたヘアスタイルなど、同じドレスでもガラリと印象を変えていました。

ワンショルダーのドレスで見事な着回し術を披露したキャサリン皇太子妃に対し、ダイアナ元妃は着回しというより、一枚のドレスにあえて同じ小物を組み合わせていました。その“自分らしさ”を貫いたブレないスタイルがスタイリッシュに見える秘訣なのかもしれません。
ポルカドットのワンピース|ブルー×ホワイトの水玉模様のワンピには白のアイテムでさらに爽やかに
ふたりとも、水玉模様がお気に入りで、赤、ネイビー、モノクロとさまざまなカラーのワンピースを着ていました。

1989年3月、クウェートのバヤン宮殿へ訪問した際、白い襟と水玉模様が特徴的な「キャサリン・ウォーカー」のワンピースを着ていたダイアナ元妃。白とブルーの組み合わせが爽やかな印象にするだけでなく、白い襟が顔周りを明るくし、若々しく見せています。

キャサリン皇太子妃も同じブルーカラーのポルカドットのワンピースを着ていました。2022年7月、ロンドンのテニス競技場でウィンブルドン選手権を観戦していた際に着ていたのはブルーとホワイトの水玉模様の「アレッサンドラ リッチ」の一着。スカート部分と胸元にプリーツが入っているので、上品に見え、カジュアルすぎないコーディネートになっていました。


ダイアナ元妃は白い襟が、キャサリン皇太子妃は白いバッグとヒールがきちんと感と爽やかさを演出していました。
ダイアナ妃のファッションを今風にアレンジして取り入れているキャサリン皇太子妃。英国民からいまだに愛される義母へのリスペクトが感じられました。
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