もちろん即決して失敗することもある
もちろん即決して失敗することもあります。例えば、ホテルの営業をしていたとき、ブランドにこだわるお客さまがいました。飲料メーカーに勤めている人から「自分の商品以外は客室に欲しくない。全部撤去してください」と言われたので、「わかりました」と請け負いました。
でも1部屋ずつ撤去するのは、想像以上に時間と人件費がかかります。追加料金を受け取らなかったのは失敗したなと思って、次からは撤去費用をいただくことにしました。
ゴルフツアーでニュージーランドから団体客が来たときも、同じような失敗がありました。お客さまから「事前にゴルフバッグを送るので、荷物を部屋に入れておいてください」と頼まれたので、私は「いいですよ」と引き受けました。
でもスタッフが部屋ごとにバッグを配達するのは時間と手間がかかります。「失敗したな」と思って、二度目からはデリバリー料金を取ることにしました。人件費は無料じゃありませんから。
◆薄井シンシアさん
1959年、フィリピンの華僑の家に生まれる。結婚後、30歳で出産し、専業主婦に。47歳で再就職。娘が通う高校のカフェテリアで仕事を始め、日本に帰国後は、時給1300円の電話受付の仕事を経てANAインターコンチネンタルホテル東京に入社。3年で営業開発担当副支配人になり、シャングリ・ラ 東京に転職。2018年、日本コカ・コーラに入社し、オリンピックホスピタリティー担当に就任するも五輪延期により失職。2021年5月から2022年7月までLOF Hotel Management 日本法人社長を務める。2022年11月、外資系IT企業に入社し、イベントマネジャーとして活躍中。近著に『人生は、もっと、自分で決めていい』(日経BP)。@UsuiCynthia
構成/藤森かもめ
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