女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第53回は、寧々さんのおうちの「夏のご飯」について。
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夏になると、他の季節と比べて我が家は麺の出番が多い気がする。
夫や息子に「何 食べたい?」と聞くと、暑さからか、だいたい「冷やし中華~」「素麵」という答えが返ってくる。
そうだよね~暑いもんなあ~と思う。しかし、君達は食べるだけだからいいけど、麺を茹でるのも暑いんだぞ!と思うが、そんな事言っても仕方ないので、黙っている。
ああ~キッチンにエアコンが欲しい。私は時々団扇を仰ぎながら、料理している。夫は、そんな私を見て扇風機を持ってきてくれる。ありがたや~。
私も子供の頃は、夏といえば冷やし中華だった。あと、海で泳いで遊んだ時の海の家の温かいラーメンも美味しかったなあ~。醤油ラーメン!
大人になってからは、冷麺も大好きだ。なかなか自分では作らずにもっぱら焼肉屋さんとかに行った時だが…。
畑で採れたきゅうり、トマト、農場の卵も!
この夏は畑で採れた新鮮なきゅうりやトマトが大活躍だ。そして近くの農場の新鮮な卵を日本酒、塩、ちょっとの片栗粉で薄焼き卵にする。トマトには塩、胡椒、そしてほんの少しバルサミコロッソをかける。そして、ハム。あっという間に皆完食だ。
素麺も茗荷やしそ、生姜…庭で採れた山椒の実を少しかけるのも好きだ。大きなザルに素麺をちょっとずつ丸めて、氷も散りばめて、しその葉をおくと緑が綺麗で涼しげになる。だが問題は、いつも皆すごくたくさん食べるので、結局二回素麺を茹でる羽目になる事だ。毎回の事なので、多めに茹でても必ずなぜか二回茹でることになる。
素麺は時々素麺チャンプルにもする。 豚薄切り肉やにら、ニンジンなどを塩、胡椒、出汁と醤油でごま油で炒める。温かいが美味しくて、これもついつい食べ過ぎる。
そして冷やしうどんも最高だ。 何年か前に香川に行った時に、美味しい「がもうのうどん」を教えてもらって、時々お取り寄せしている。かき揚げやネギやすだちを入れて食べる。ぶっかけうどんと言うのだと教えてもらった。つるっとした、コシのある食感がたまらない。
そして、子供の頃から母が作ってくれるジャージャー麺が大好きだ。ほんのり味噌味とあの甘辛い感じがたまらない。きゅうりの千切りもたまらなく美味しく感じる。これは、レシピを聞いても母が作ってくれる方が断然美味しい!
この夏は、ジャージャー麺作ってとお願いしてみよう。
◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)
1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。出演映画『Dr.コトー診療所現在』が公開中。
衣装協力/ブラウス・パンツ(ハウス オブ ロータス)、サンダル(プレインピープル)、ネックレス・リング(マリハ)
ハウス オブ ロータス(https://houseoflotus.jp)
プレインピープル(https://www.plainpeople.jp)
マリハ(https://mariha.jp)