顔の老化対策【2】「舌パッチン」運動で舌筋を鍛える
表情筋の他にも、動かさなければ鍛えられない筋肉があると、中城さん。それは舌の筋肉、「舌筋」です。
中城さん曰く、唾液の分泌量が少なく口臭がある人の多くは、普段、下顎のあたりに舌を収めているそう。
「その状態では、舌の筋肉が鍛えられず、舌の動きが衰えています。するとその影響で頬がたるみ、ほうれい線が深くなり、二重顎にもなり、見た目より老けた顔になってしまいます」
老け顔を解消するには、舌筋を鍛えること。中城さん名付けて「舌パッチン」運動です。
次の手順でやってみましょう。
【1】舌をベストポジションに置くために、舌の先端と舌の中央の盛り上がったところを、上の前歯の裏側の歯肉に当てる。上顎の裏には、ザラザラしたシワがあるので、そこを目安にする。
【2】鼻をつまんで息をしても口から息が漏れ出ていなければOK。できていなければ、舌の位置を移動して、舌のベストポジションを探る。
【3】舌に緊張感を加え、口内から息が逃げない状態を作る。
【4】舌を弾くように力を解放する。「ポンッ」といった心地よい破裂音が出たらOK。
うまく音が出ましたか? この「舌パッチン」舌筋運動によって、舌の筋肉が鍛えられると、さまざまな好影響をもたらすと言います。
「まず、垂れ下がった舌骨が高い位置に上がるため、二重顎の改善が期待できます。次に、顎周辺の筋肉も動くことでリンパの流れがスムーズになり、むくみも改善できるでしょう。舌筋が鍛えられると滑舌がよくなり、自分の伝えたいことを伝えやすくなります。他にも、睡眠時無呼吸症候群やいびきの習慣の改善にも期待ができるんです。
舌筋が鍛えられると、睡眠中に舌の根っこの部分が喉に下がることがなくなるため、良質な睡眠につながります。睡眠の質が上がると体調や肌の調子がよくなるのはもちろん、睡眠中の血圧の上昇も抑えられます」
スマホの操作中、デスクワーク中など、気づいた時に舌のベストポジションを意識し、パッチンと音を鳴らしてみてはいかがでしょうか。
この「アゲアゲ歯ブラシストレッチ」と「舌パッチン」で、表情筋と舌の筋肉を鍛えれば、凝り固まった顔も柔らかくなり、表情がイキイキとしてくるでしょう。人は無表情より、イキイキとした笑顔の方が美しく見えます。最近笑っていないかも、人と話していないかも…という人、スマホを長時間操作する習慣がある人は、ぜひ2つの運動を試してみてください。
◆教えてくれたのは・歯科医師・中城基雄さん
歯科医師、鍼灸師。口臭専門クリニック「中城歯科医院」院長。1984年に東京歯科大学を卒業し、1988年に日本大学大学院歯学研究科修了後、中城歯科医院院長に就任。日本歯科東洋医学会、日本東洋医学会、日本歯科麻酔学会所属。日本歯科色彩学会理事、全日本鍼灸学会認定師。ラジオ、新聞、雑誌などのメディア露出も多数。近著に『スマホがあなたをブスにする 歯科医師が教える1日3分でキレイを保つ方法』(大和出版)がある。