秋に旬を迎える里芋。「定番の煮物や汁物だけでなく、独特のねっとりした食感を活かすコロッケやおでんなど、さまざまな味わいを楽しめます」と話すのは、野菜ソムリエプロの福島玲子さん。寒くなりつつあるシーズンの今がおいしい里芋の選び方や保存法を教えていただきました。
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里芋は形と表面、重さをチェックして選ぶ
里芋を選ぶときのポイントは3つです。袋売りを買うときも気をつけるべき点があるので、覚えておきましょう。ちなみに、おせちの定番の頭芋や八つ頭も里芋の仲間です。
形はふっくら&丸みがあるものをチョイス
里芋はまず形からチェックしましょう。ふっくらとして丸みがあるものは、味がよくのっています。特にお尻がふっくらしているとさらに◎です。逆に、お尻の先端が柔らかく、スカスカになっているものは、鮮度が落ちて味が悪くなっています。
表面で鮮度が分かる!硬さもポイント
さらに、表面もチェックポイント。湿り気がある野菜は避けがちですが、里芋の場合はしっとりとしているものは収穫したての良品です。里芋は収穫後、時間が経つにつれて乾燥していきますので、逆にカラッと乾いているものはできるだけ避けましょう。
そして表面が硬く、重くてずっしりとしたものが水分が抜けていない新鮮な里芋です。鮮度が失われるにつれて水分が抜け、柔らかくなってきます。ですから、袋売りのものを買うときも、1つでも柔らかいものが見当たる場合は避けるようにしましょう。
表面は縞模様がくっきりしているものが◎
里芋の表面の縞模様がくっきりとしているのも、よく育っているサイン。縞模様が均等になっているとよりよいです。
ちなみに、里芋には小芋と孫芋があり、孫芋は小芋の周りにつく若い芋で、より柔らかいです。芋にある切り口は小芋と孫芋がつながっていた部分なので、複数あるものが小芋、1つしかないものが孫芋と見分けましょう。
寒さと乾燥を避ける里芋の正しい保存法
里芋は寒さと乾燥が大敵です。同じ芋類でも、じゃがいもやさつまいもより繊細なので、正しく保存しましょう。
里芋は10℃前後が適温!暑いときは野菜室へ
里芋は冷暗所で常温保存してもOKですが、ただ置いておくのではなく新聞紙で包んでおきましょう。新聞紙は適度な吸湿性と通気性があるので、里芋を乾燥から防げるうえに、湿度を適切に保つことができます。常温保存の場合は泥を落とすと日持ちが短くなるので、泥付きの場合は洗わずに包んで保存するのがベストです。1か月程度保存ができます。
ちなみに、里芋を保存する場所の適正温度は10℃前後といわれています。暑い時期の場合は、泥を落とし、新聞紙で包んでからさらにポリ袋へ入れて、野菜室へ入れましょう。温度が低すぎると低温障害を起こし、調理しても硬く、食感が悪くなりますので、気をつけてください。
さっと使える里芋の冷凍保存法
里芋は冷凍保存すれば1か月程度持ちます。冷凍するときは、まず皮をむいてから水洗いをして、使いやすい大きさにカットして水気をよく拭き取り、保存袋に入れましょう。
ただし、冷凍だと解凍するときに水分が失われて食感が悪くなるので、煮物や汁物などに使うのがよいでしょう。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ