ライフ

掃除機と空気清浄機を同じメーカーでそろえるとメリットあり?掃除機メーカー発の空気清浄機の何がすごい?家電ライターが解説

空気清浄機とロボット掃除機と観葉植物がある部屋
掃除機と空気清浄機を同じメーカーでそろえるとメリットがあるのか、家電ライターが解説(Ph/イメージマート)
写真5枚

10月20日、掃除ロボット「ルンバ」で知られるアイロボットが同社初の空気清浄機を発売し、話題になっています。掃除機に強いメーカーが開発した空気清浄機は、何が強みなのでしょうか? 家電ライターの田中真紀子さんに解説してもらいました。

日本は大手総合家電メーカーが、海外では掃除機メーカーが空気清浄機を開発

田中さんによると、掃除機を主力商品としながら空気清浄機を出すのは、海外メーカーに多いそう。

「日本では大手総合家電メーカーが掃除機も空気清浄機も出すケースは珍しくないのに対し、海外では掃除機を主力製品とするメーカーが空気清浄機を出している印象、もしくは出してきた印象があります。

有名なのはダイソン。羽根のない扇風機の構造で空気清浄機を出していますよね。おしゃれなコードレススティッククリーナーで知られるエレクロトラックスも、北欧ならではのデザイン性を備えたファブリック調の空気清浄機を、そしてアイロボットも10月20日に初となる空気清浄機を発売しました」(田中さん・以下同)

空気清浄機の技術的知見や研究が、掃除機にも生かされている?

掃除機に強い海外メーカーが空気清浄機を開発するのはなぜでしょうか。

ダイソン『Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機』が置いてあるリビング
ダイソン『Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機』は運転音も従来モデルの中でもっとも低騒音。また酸化分解触媒フィルターを搭載し、ホルムアルデヒドも分解
写真5枚

「空気清浄機自体は構造的にシンプルなため、わりと参入しやすいジャンルといわれています。ただし実際に高い性能を発揮するには、高性能フィルターやパワフルに空気を吸い込むモーターとファン、捉えた空気を逃さない密閉性などが求められ、そこに大きな差が出てきます。

掃除機メーカーの中でも、特に高く評価されているメーカーは、これらの技術的な知見に加え、ハウスダストなど汚染物質に関する研究も行われています。掃除機で床をきれいにすると同時に、空気清浄機で空間をきれいにする相乗効果を考えると、自然な流れと言えるでしょう」

同じメーカーで掃除機と空気清浄機をそろえるメリットも

具体的には、掃除機メーカーが出す空気清浄機にはこんな強みがあると言います。

「例えば、ダイソンはもともと掃除機に0.1μmまでの微粒子を捉えるフィルターを搭載しており、排気のきれいさにこだわってきました。その技術とポリシーは空気清浄機にも搭載されており、0.1μmまでの微粒子を99.95%除去します。

また最近発売されたアイロボットの空気清浄機『Klaara p7 Pro』は、ロボット掃除機ルンバと連動し、ルンバが掃除を始めるとモーターのファンを自動的にパワーアップし、ホコリ掃除をアシストします。さらにエレクトロラックスはデザイン性の高さが人気であるように、同じメーカーでそろえるとデザインのテイストを合わせやすい面もあるでしょう」

排気をきれいにする技術の踏襲、連携することによる相乗効果、デザイン性の統一などなど、各メーカーで強みは異なるものの、掃除機と空気清浄機同じメーカーでそろえるメリットはあるようです。

以上を踏まえて、田中さんが注目している、掃除機メーカーの空気清浄機を教えてもらいました。

【1】ダイソン『Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機』

ダイソン『Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機』
従来のループ型とは異なる新しい送風システムを採用。ダイソン『Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機』10万7800円(税込) ※2023年10月27日時点の実勢価格、編集部調べ
写真5枚

ループ型(楕円形)の空気清浄機で知られるダイソンから、10月12日に発売された新製品。

新しい形状で風量が2倍にUP! 10m先まで空気を循環

「トップに独自の気流を生み出すユニットを搭載し、従来のループ型とは異なる新しい送風システムを採用した、新構造の空気清浄機。2つの気流を上部ユニットで合流させることで、円錐状の高圧力でまっすぐな気流となり、従来のループ型空気清浄機の2倍以上の風量を実現。1秒間に87リットルの浄化された空気を10m先まで送り出します。運転音も従来モデルの中でもっとも低騒音。また酸化分解触媒フィルターを搭載し、ホルムアルデヒドも分解してくれるので、室内の空気のさまざまな汚染に悩む人におすすめです」

【2】アイロボット『Klaara p7 Pro』

アイロボット『Klaara p7 Pro』
ルンバと連携し、空気と床の同時ケアが可能。アイロボット『Klaara p7 Pro』16万9800円(税込)
写真5枚

ロボット掃除機ルンバで知られるアイロボットから登場した、同社初の空気清浄機です。

ルンバと連携し、空気と床の同時ケアが可能に

「空気清浄機が吸った空気の汚れが本体の隙間から漏れていることに着目し、つなぎ目のない密閉型ボディと密閉技術を搭載。汚れた空気を内部に閉じ込めます。また、ルンバと連携して稼働できるのも魅力です。ルンバのオペレーションシステム『iRobot OS 7.0』を搭載し、iRobot Homeアプリに接続して位置情報により『家を離れたら清浄』などの指定ができるほか、ルンバが掃除を始めたら自動でパワーをアップする業界唯一の機能も搭載しています」

今後、掃除機メーカーによる空気清浄機の開発・進化はさらに進むのか、期待が高まります。

◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

田中真紀子
家電ライターの田中真紀子さん
写真5枚

白物家電や美容家電を中心に家電に詳しいライター。雑誌やウェブなど多数のメディアで、新製品などをレビューしている。https://makiko-beautifullife.com

取材・文/桜田容子

●夏にフル稼働したエアコン、お手入れしないとどうなる? 暖房シーズン前に確認したいお手入れポイント

●エアコンやサーキュレーター、10年以上使っても大丈夫?今一度チェックしたい、家電の「設計上の標準使用期間」とは?

→「スマート家電」の他の記事はコチラ

関連キーワード