エアコン要らずの過ごしやすい季節です。この時期、ぜひやっておきたいのが、夏にフル稼働したエアコンのお手入れだと、家電ライターの田中真紀子さんは話します。暖房シーズンの前にやるべきお手入れを教えてもらいました。
放置しているとカビが大繁殖し不快なニオイの原因に
そもそも、夏季に毎日のように使っていたエアコンを何もお手入れせずに暖房シーズンを迎えると、どうなるのでしょうか。
「フィルター掃除などをせず、使いっぱなしで放置していると、カビが大繁殖して不快なニオイの原因になります。
エアコン冷房では、室内の湿気を含んだ暖かい空気を室内機で急激に冷やすことで、内部に結露が発生します。結露で湿ったエアコン内部はカビ菌の温床になり、さらに、カビのエサとなるホコリが溜まることで、カビが繁殖しやすくなるのです」(田中さん・以下同)
冷房ごとの内部クリーン機能や送風運転がカビの抑制に
ただし、内部クリーン機能を使っていれば、別だといいます。
「エアコン冷房を使用するたびに、内部クリーン機能を稼働させていれば、暖房または送風で内部を乾燥させて湿気を飛ばせるので、カビの発生は抑えられます。内部クリーン機能がない場合も、送風運転を3~4時間行うことで内部を乾燥させられます」
定期的なフィルターの掃除も有効
一方、内部クリーン機能や送風運転で内部を乾燥させていなくても、フィルターの掃除だけはしていたという人もいるでしょう。
「フィルターのホコリを定期的に掃除していれば、ホコリが内部にはいり込む量をある程度減らすことができると考えられます。
フィルターは内部にホコリがはいり込まないように設置されていますが、ある程度は内部にはいってきてしまいます。特にフィルターにホコリが溜まったまま放置していると、フィルターにとどまり切らず中にはいってしまうホコリが増えますので、カビの原因になります。その点では、『フィルター自動お掃除機能』があると便利です」
暖房を使う前にやるべきことは
では、送風による乾燥やフィルター掃除などのお手入れをしなかった人は、暖房シーズン前に、何をしておくべきでしょうか。
「まず内部乾燥とフィルターのお手入れを念入りに行いましょう。特にフィルターは取り外して掃除機がけした後、中性洗剤で洗って乾かします。
さらに通風路やフラップ(吹き出し口についている羽根)など目に見える範囲を拭き掃除しましょう。通風路など狭い場所は、割りばしにスポンジなどを輪ゴムで巻きつけた掃除道具などを使うと便利です。
黒いカビがついていたら、内部にもカビが繁殖している可能性が高いので、専門家にエアコンクリーニングを依頼するといいかもしれません。熱交換器は自分で触ったり掃除したりすると、アルミ板などが変形し、不具合につながるおそれもあるので、自分でやらないようにしましょう」
最近は、上位モデルを中心に熱交換器を自動で掃除してくれるエアコンが増えているといいます。中でも注目なのが、次の2点です。