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保管している乾電池、2年で無用の長物になることも?電気系の防災グッズで必須の「4大アイテム」と保管の注意点を家電ライターが解説

懐中電灯と乾電池とラジオが置かれたデーブル
電気系の防災グッズで必須の「4大アイテム」と保管の注意点とは?(Ph/イメージマート)
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今年は関東大震災から100年の節目の年。9月1~5日までの防災週間で、改めて防災への意識を高めた人も多いでしょう。本記事では、これから買い足す人、防災用品を見直したいという人に向けて、家電ライターの田中真紀子さんに電気系の防災用品の購入・保管の注意点を教えてもらいました。

電気系防災グッズで必要なのは、ライト、充電器、乾電池、ラジオ

まず、防災グッズとして用意したいものを挙げてもらいました。

懐中電灯
電気系防災グッズで必要なのは、ライト、充電器、乾電池、ラジオ(Ph/イメージマート)
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山善『手回し充電テレビ+ラジオ』のライト点灯時
山善の『手回し充電テレビ+ラジオ』なら、ワンセグテレビ、LEDライト、防災ラジオ、サイレン、充電器と1台5役
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「防災グッズには食料や災害用トイレなどいろいろありますが、電気を使うもので用意しておきたいのは、懐中電灯などのライト、充電器、乾電池、ラジオです。

地震などの災害が起きると、急いで避難しなければならない状況になる場合もありますが、停電になってしまうと夜の避難は危険になります。足元に落ちている物でつまずいたり、割れたガラスで足をケガしたりする可能性も。懐中電灯などのライトは、部屋ごとに準備しておくと安心です。

また情報を確保したり連絡を取り合ったりする携帯電話やスマートフォンも、停電によって充電できなくなったら大変ですので、充電器も必須アイテム。スマホ用には乾電池式も用意しておきましょう。さらに大容量のポータブル電源を用意しておけば、スマホ充電だけでなく、電気毛布や冷蔵庫などのちょっとした生活家電も動かすことができ、とても便利です。同じく正確な情報を確保するために、ラジオも用意しておくといいでしょう」(田中さん・以下同)

乾電池は汎用性が高く長持ちするアルカリ電池を

加えて、必要なのが乾電池のストック。

黄色い乾電池
汎用性が高く長持ちするアルカリ電池が便利(Ph/イメージマート)
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「停電中でも、電池で動くものは使えますので、乾電池は用意しておきたいですね。

乾電池の種類には、マンガン乾電池、アルカリ乾電池、リチウム乾電池がありますが、価格が安いマンガン電池は容量が小さいため、電気を食う製品を動かすとあっという間に切れてしまいます。一方、リチウム乾電池は、-40℃のような低温下でも使えるほか、アルカリ乾電池よりパワフル。ただし初期電圧が高いため、一部の機器では使えない場合もあります。そのため汎用性が高く長持ちするアルカリ乾電池を用意しておくと安心です。

これらの電池は使い切りですが、充電して繰り返し使える充電池もあります。価格は高いですが、繰り返し使えるので結果的には経済的です」

乾電池は使用推奨期限、ポータブル電源は自然放電に注意!

ただし、乾電池は保管次第で無用の長物になることも。

EcoFlow『RIVER 2 Pro』が棚の上に置いてある
EcoFlowの『RIVER 2 Pro』は、一般的なポータブル電源に比べて充電が早く、0%から100%まで最短70分で満充電になる
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「乾電池は、使用・未使用にかかわらず自然放電して容量が減っていきます。そのため使用推奨期限があります。未開封のもので、マンガン乾電池は2~3年、アルカリ乾電池で5~10年、リチウム乾電池は10~15年。使用推奨期限をすぎたものは性能が低下したり、液漏れを起こしたりする場合があり、いざというときに使えないこともあります」

気づくと使用推奨期限が切れていた…ということもあるため、保管の際は、時々電池の使用推奨期限をチェックすることが大切だそう。

「もしマメなチェックができそうになければ、使用推奨期限が長いものを多めにそろえておくと安心です。乾電池は何かと使う機会も多いので、使用したい製品に合わせて、単3形、単4形など数種類用意しておきましょう。

なお、近年の防災ラジオの中には、手回しで発電でき、スマホが充電できるものも。万一乾電池が切れてしまったときのために、手回し発電タイプを選ぶといいですね」

同様に、ポータブル電源も自然放電にご注意を。

「最近人気を集めているポータブル電源は、半年で約20%自然放電するので、半年に1回は残量を確認しておきましょう。しまいこむと忘れてしまうので、アウトドアやべランピングなどで定期的に使うといいですね。これからポータブル電源を選ぶなら、自然放電が少ないものを選ぶのも手です」

以上を踏まえて、おすすめの防災電化製品を3点、教えてもらいました。いずれもスマホの充電機能も兼ね備えた便利グッズです。

【1】山善『手回し充電テレビ+ラジオ』

山善『手回し充電テレビ+ラジオ』
乾電池がなくても手回しで発電できるラジオ。山善『手回し充電テレビ+ラジオ』1万5618円(税込) ※2023年9月1日時点の実勢価格、編集部調べ
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商品名の通り、乾電池がなくても手回しで発電できるラジオです。

10年間ほったらかしでも「5分の手回し」で約60分間ラジオを聴ける!

山善『手回し充電テレビ+ラジオ』を手動で充電している手元
「5分の手回し」で約60分間ラジオを聴ける!
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「ワンセグテレビ、LEDライト、防災ラジオ、サイレン、充電器と1台5役で使えます。手回し充電時の満充電時間は、たった5分(※)。これでAMラジオが約60分聴取できます。長期間保存可能なコンデンサー充電池を採用することで、10年間ほったらかしでも、いざというとき手回し充電が可能なのもありがたいですね。なおアルカリ乾電池(単3形・3本)を使用すれば、AMラジオは約48時間聴取でき、スマートフォンは約100分連続通話が可能としています」

※1分間に約150回(1秒間に約2.5回)を目安に充電ハンドルを回転

【2】パナソニック『多機能強力ランタン』

パナソニック『多機能強力ランタン』
災害時に役立つ機能が多数搭載されている。パナソニック『多機能強力ランタン』6000円前後~6800円程度(税込) ※2023年9月1日時点の実勢価格、編集部調べ
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次は、停電時に活躍するランタンです。ただのランタンではなく、災害時に役立つ機能が多数搭載されているのが特長です。

スマホの充電も可能! 停電時に自動点灯するランタン

パナソニック『多機能強力ランタン』でスマホの充電をしている
スマホの充電も可能
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パナソニック『多機能強力ランタン』電池を入れた状態でコンセントにつないでおけば、停電を検知した際に自動で点灯
電池を入れた状態でコンセントにつないでおけば、停電を検知した際に自動で点灯
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「電池を入れた状態でコンセントにつないでおけば、停電を検知した際に自動で点灯してくれます。ランタン上部をタッチすると点灯し、広範囲を照らすランタンとして、ハンドルを持てば懐中電灯としても使えます。USBでも給電できるほか、モバイルバッテリーとしてスマートフォンの充電も可能です」

【3】EcoFlow『RIVER 2 Pro』

岩場にあるEcoFlow『RIVER 2 Pro』
消費電力の高い家電製品を給電できる、ポータブル電源。EcoFlow『RIVER 2 Pro』6万6000円(税込) ※2023年9月1日時点の実勢価格、編集部調べ
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こちらは、ドライヤーや電子レンジ、電気ケトルなど消費電力の高い家電製品を給電できる、ポータブル電源です。

10年間使用できる長寿命のポータブル電源

「一般的なポータブル電源に比べて充電が早く、0%から100%まで最短70分で満充電になるため、思い立った時にすぐに充電できます。本体重量も7.8kgと、従来モデルより軽量化。長寿命、安定性の高さが特徴で、バッテリーの充放電は約3000回できるので、1週間に6回使用しても10年間使用が可能です。さらに、高度なアルゴリズムで高出力な電化製品の出力を下げる『X-Boost機能』を搭載しているため最大1000WのAC出力を持ち、電子レンジや電気ケトルなどの大消費電力家電も動作させることができます。例えば電子レンジが500Wの場合、約1時間使えます」

スマホの充電機能も備えたラジオやランタン、さらに、冷蔵庫や冷暖房器具などの家電製品を動かせるポータブル電源があれば、鬼に金棒ですね。

◆教えてくれたのは:家電ライター・田中真紀子さん

田中真紀子
家電ライターの田中真紀子さん
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白物家電や美容家電を中心に家電に詳しいライター。雑誌やウェブなど多数のメディアで、新製品などをレビューしている。https://makiko-beautifullife.com

取材・文/桜田容子

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