通年出回るパイナップルは、4〜8月にかけて国産品が旬を迎えます。「国産パインは4〜7月にかけて石垣島産、5〜8月まで沖縄本島産のものが出荷されます」と野菜ソムリエプロの福島玲子さんは話します。今だけ味わえる国産品も含めて、パイナップルの目利きの方法と正しい保存の仕方を教えていただきました。
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パイナップルを選ぶときのポイント
春から夏にかけて国産が旬を迎えるパイナップル。世界各国から輸入され、特にフィリピン産のものが多く出回っています。最近では甘みが強い台湾パインも人気ですよね。
産地が違っても、選び方のコツは同じ。見極めるポイントを知って、おいしいパイナップルを味わってください。
重要ポイントは香り&葉にアリ!
パイナップルを選ぶときは、香りと葉が特に重要なチェックポイントです。完熟したパイナップルは、甘い香りがしますので、購入する際は確認しましょう。
また、葉の色が濃いのは、日光を浴びてよく育っているサイン。パイナップルは下から熟して甘くなり、葉の付け根が最後に熟して完熟するので、葉まで栄養がいきわたっていると、色味も濃くなります。
ちなみに、パイナップルの頭に冠芽(かんが)が残っていないかも見ておきましょう。冠芽は葉の中央にある成長点のことで、ここに葉が残ったままだと栄養が果実に行き渡りにくくなるため、甘さがひかえめになる傾向があります。見栄えはよくないかもしれませんが、葉を切り取って売っているもののほうがおすすめです。
形・重み・底も見ておくとさらによい
さらに確認しておくべきポイントは、形と重み、底の部分です。
形はお尻がふっくらと大きく、下ぶくれの形が◎です。パイナップルは下のほうに甘みが集まると言われているので、下がふっくらしているほうが、より甘みが強いものである可能性が高いです。
また、果汁が多く、実が詰まっているパイナップルはしっかりとした重みがあるので、持ったときに見た目のイメージよりも重いなと感じるものを選ぶといいでしょう。
ただし、重めのパイナップルは、自重で傷みが発生していることもあります。お尻が黒くなっていたり、つぶれていたりしていないかもチェックするのがおすすめです。
パイナップルは逆さまでの保存がコツ!
パイナップルは追熟しない果物なので、手に入ったときが食べごろ。追熟はしない一方で、2〜3日置くと酸味が少し抜け、果肉がやわらかくなる傾向があります。正しく保存して、お好みのタイミングで食べるようにしましょう。
丸ごと保存なら、逆さにすると甘みがいきわたる
パイナップルを丸ごと保存するときは、乾燥と低温障害を防ぐために新聞紙で包んでから野菜室へ。ちなみに、葉をカットし、頭を下にすると、底も傷まないですし、糖分が全体に回っておいしくなると言われています。
カットしたものは、保存容器かジッパー付きの保存袋に入れてから、野菜室に置きましょう。カットすると断面から傷みはじめて日持ちしないので、数日中に食べきってください。
カットパインは冷凍するのもOK
カットしたパイナップルを食べきれないときは、保存袋に入れて冷凍すると保存期間が延びます。
少し手間はかかりますが、保存袋に入れる前にバットなどに重ならないように並べてから1時間ほど一度冷凍しておくと、カットパイン同士がくっつくのを防げますし、解凍時に果肉が崩れにくくなります。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ