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《イライラしない大人旅》作家・エッセイストの大平一枝さんが提案する「時間を贅沢に使う」旅の楽しみ方

赤い服を着た女性
作家・エッセイストの大平一枝さんが大人旅にアドバイス
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「この年齢でせわしないのはダメ。もっと時間を贅沢に使うべき」と話すのは、作家・エッセイストの大平一枝さん。若い頃からツアーに頼らず、常に格安オリジナル旅を楽しんできた大平さんならではの“旅のイライラ”解消術を紹介。映える&効きめがある&気分が上がるおしゃれ・美容・趣味・暮らしの実例やヒントを紹介する、大人女性に向けたムックシリーズ『reShine』から注目記事をピックアップした。

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小さな我慢の積み重ねがイライラの原因

私の旅は、アパートメントなどに宿泊して、現地で暮らすようなスタイルなので、基本的には長期で休みをとって行くことが多いのですが、皆さんも、これからぜひ時間を贅沢に使って旅して欲しいと思います。

私もreShine世代のひとりですが、子育ても一段落して、これから自由な時間が増えるという方が多いのではないでしょうか。3泊4日くらいで、ちょっと贅沢をしていい宿に泊まる、美味しいご飯を食べるというスタイルもいいのですが、この年齢でそれをやると、かえって疲れませんか?時間もタイトで、予定が狂うとそれこそイライラしてしまう。

「絶対行きたい!」ではなく「まあいっか」と 軌道修正ができる

さらにもうひとつ、イライラの大きな原因は、旅先で重なる小さな我慢。たとえば私が大好きなフランスのパリは、観光大国だけに、人によって行きたい場所がまったく違う。それでつい予定を細かく決めたくなるのですが、私はノープランでいたい。

葉にのったベトナムのおこわ
「ベトナムのハノイで、豆入りのおこわの朝食“ソイ”のあまりの美味しさに感動!」(大平さん・以下同)
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ハノイの飲食店
「前もって調べて約束された感動より、ノープランで街を歩いて見つける、偶然の感動を大切にしたい」
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だって、その日に自分や同行者の体調が悪いこともありますよね。そこで「でも絶対に行きたい!」ではなく、「まあいっか」という軌道修正ができないと。

マイナーチェンジができると旅がラクに

食事も、パリで朝昼晩きっちり食べていると、年齢的に胃がもたれてきます。その段階で「3食はやめて、朝昼はブランチにしない?」という、“こう決めたけど、やっぱりやめない?”が言えないとダメ。小さな我慢の積み重ねが、イライラする大きな原因。疲れるのは自分だけでなく、みんな一緒ですから、お互いにマイナーチェンジができるほうが、旅はラクです。

パリで食事をしている様子
「大好きなパリ。現地の知り合いの方が連れて行ってくださったスペイン料理店が、すごく美味しかった。日本も同じですが、観光客が並ぶお店より、地元の人でにぎわうお店が正解ですよね」
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宿や食事よりお金をかけるべきは時間!

旅ってやっぱり欲張るから、いちばんは疲れないようにすること。実はどこへ行って何をするかより、一緒に行く人とどれだけ気が合うかが、この年齢になると重要な気がします。場合によっては自由行動もあり。少し勇気がいるかもしれませんが、それだけで旅がグッと豊かに上書きされます。

写真を貼った日記
「家族でベトナム旅行をした際の娘の写真日記。この時もアパートメントホテルに泊まり、毎日スーパーで食材を買い、料理をする、暮らすようなスタイルでした」
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旅の前に担当分け。相手へのリスペクトの気持ちを忘れない

ただ、自分と全く同じ価値観の人はいないし、それぞれに趣味や考え方も違う。だから旅の担当を決めるというのは、旅をラクにするひとつの方法かもしれません。宿は私が決めるから、食事はあなたが決めて、と。そのかわりお互いに文句は言わない。

特に旅行の前は、家事や仕事が詰まっていて誰でも余裕がないはず。日程が短いならなおさら、行く前にきちんと担当分けをして、手配してくれてありがとうというリスペクトの気持ちをお互いに持っておくだけで、全然違ってくると思います。

大小2つのスーツケース
「大きいスーツケースが海外用で、小さい方が国内」
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4枚の風呂敷
「風呂敷は、物を包むだけでなく、バッグにも膝掛けにもなるので1枚持って行くと便利」
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そもそもイライラする時間がないショートトリップって最高!

あとは、日帰りや1泊2日程度のショートトリップもおすすめ。もはや短すぎてイライラする時間はありません(笑い)。

ウイスキーが並ぶ通路に立つ女性
「ウイスキーが好きで、ずっと行きたかった山崎蒸溜所へ。ほかは特に予定を決めず、友達と、その日の気分で動きました」
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長野県の上諏訪
「仲良しのママ友と、長野県の上諏訪を旅行した時。着くまでノープランでしたが、国内なら移動法や時間も読めて、問題なし!」
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私は都内在住なので、都内でホテルステイをしたり、先日はスパ施設でママ友と1日過ごしました。近場でも時間軸が普段と違うから、旅の贅沢な気分を十分満喫できる。移動も短いから疲れませんしね!

早稲田のリーガロイヤルホテル
「早稲田のリーガロイヤルホテル。海外旅行では予算的に難しい贅沢な5つ星ホテルも、都内のショートステイなら」
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海鮮を中心とした定食
「夫と訪れた茅ヶ崎。ご飯も美味しくて、都内からすぐで、リフレッシュに最高!」
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◆教えてくれたのは:作家・エッセイスト 大平一枝さん

1964年生まれ。市井の人々の台所から人生を描く朝日新聞デジタルマガジン【&】の人気連載『東京の台所』は、300回を超える。他、著書に『人生フルーツサンド 自分のきげんのつくろいかた』(大和書房)など。Instagram_@oodaira1027

※『reShine』2024年夏号

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