「それまでは4年に1度くらいの頻度で加齢を実感していたのが、45歳ぐらいにガタンとなにかが一気に変わった気がしました。“来た、来た! これが更年期か!”みたいな」
中山美穂(47歳)、斉藤由貴(50歳)、浅香唯(47歳)…アイドル黄金期1985年組のひとり、”ナンノ”こと南野陽子(50歳)が、白髪や老眼、肩や背中の痛みなど、更年期の入り口でみられる体調変化を、読売新聞の健康に関するインタビューであっけらかんと明かし、世間をざわつかせた。「天下の南野様まで?」「ナンノが更年期を語る時代になったのはショック」 ──。
バブルを経験した負け知らず世代が更年期に直面中
ナンノだけではない。まさに今、西川史子(46歳)や田中美奈子(49歳)など、バブルを謳歌した“負け知らず”の世代の女性たちが更年期という壁に直面しているのだ。
「大学生の頃は女子大生ブームがあって、就職したらバブルがやって来て…、子育てが落ち着いてきた頃に“美魔女”ブームが来ました。石田ゆり子(47歳)が奇跡のアラフィフというニュースを見ても、やっぱり私たち世代が注目されている、という感覚があるんですよ。だから、50じゃまだまだ老化を受け入れられません」(49歳・主婦)
“美魔女”は、雑誌『美ST』から生まれた造語で、2012年に流行語大賞にノミネートされるなど、ブームを引き起こした。しかし一方で彼女たちは、美しいままでいられない(と思い込み)、更年期の自分に苦しむ「エイジング・ストレス」にかかりやすいという指摘もある。
「周囲から“若いですね”と言われてきたかたや、美貌に自信を持っているかたほど、若さが失われることに強いストレスを感じる傾向があるように思います。中には寝たきりで外出できないほど、更年期障害が重いかたもいます」(医学博士で健康アドバイザーの福田千晶さん)
“美魔女”たちのアンビバレントな胸の内
“若くなくなった”ことに対する、女性たちの意識の潮目は、変化を見せている。若く見えることにしがみつくのはやめよう、というナチュラル志向だ。昨年、雨宮塔子(46歳)はしわしわの肌を隠さずニュースキャスターとして復帰し、「フランス女性のような生き方」と好評をもって受け入れられた。
モデルの亜希(48歳)は、雑誌の掲載時にはシミを修正しないようリクエストしていると明かし、これまた潔い加齢の受け止め方だと喝采が集まった。冒頭のナンノの更年期カミングアウトもそのひとつだろう。
でも…と、事務をしている女性(46歳)は口ごもる。